Calorhamphomyia亜属のR. complicansにやや近い未記載種の雌だと思います.この種は「馬場博士採集の新潟県のオドリバエ科」の186ページのsp.4(添付の図でE)です.豊岡の低山地ですと,このほかにR, itoiとR. complicans,それにもう1種やや大型の未記載種(M)が春から初夏にかけて出現します.添付した図でMというのがこの未記載種,Eが今回写真の種,Cがcomplicans,Iがitoiです.7prは第7腹節の付属突起,aeは挿入器の途中の部分です.Mの右に線で結んであるのは,左の側面図の部分を斜め前から見たももので,線の先の点のところは竜骨突起でその基部の本体が楕円形系に広がっているのを示したものです.ご参考までに.
アノニモミイア様、さっそくのご教示ありがとうございました。
♀でもそこまでわかるものなんですね!
今回は時間もなく、ついでのような採集でしたが、また何か採れたら、この交尾器画像を役立てたいと思います。
ありがとうございました。
未記載種Eの雌の特徴は,1)翅の基部が黄色味が強く,外側がかなり暗色になること,2)腿節が黄色(橙黄色ー赤褐色)で後腿節の先端のみ暗色,3)前,中脛節の先1/2が暗色,後脛節の基部1/4−1/3を除く大部分が暗色,4)後腿節の肥大がやや弱い(complicans雌に比べて)です.これらの形質を総合すると,本種の雌に到達します.なお,琵琶湖北岸の山地には北アルプスの亜高山帯にいるR.(C.) pretiosaが棲息しています.これは第7腹節腹板の突起が足首型ですが小さく,挿入器が一様に細長く円筒状です.ほかに兵庫県山地にはpretiosa亜群に入る小型の未記載種がいますが,これは前記腹板突起が大きく菱形です.以上が兵庫県北部関連のCalorhamphomyiaのcomplicans群です.もちろん他の群の種も棲息しています.