N.Yamada様.
確かに「あおもり昆虫記」には,不思議な和名が出てきますね.
私もワイモンヒメヒロクチバエやニセフトスジヒメヒロクチバエの正体が気になっていました.
斑紋で絵合わせすると,ニセフトスジヒメヒロクチバエはRivellia alini, ワイモンヒメヒロクチバエはRivellia cestoventrisかR. nigroapicalisではないかと思っています.
なお,出典を含めたこれらの点については,もしかすると青森の市田氏が御存知ではないかと思います.
というのは,はなあぶNo.5の「市田忠夫 青森県から既知の双翅目の種類数」には,市田(1994)にヒロクチバエ科に2種のsp.があり,和名が付いていると記されています.
残念ながらこの報文には引用文献リストがないのですが,この市田(1994)は「市田忠夫 1994.その他の昆虫.青森市雲谷周辺の自然.p167-264.」の可能性が高いと思われます.
ありがとうございます、茨城_市毛様。
文献について色々と教えていただきありがとうございます。
私は当初ワイモンとされる種について海外既知種ではないかと考えたため、海外WEBを対象にRivellia属で画像を探してみたのですが、見た限りではいずれもはん紋が異なり、腹部の模様も少し違っていました。(Rivellia nigroapicalisは近かったのですが、これも少し異なりました)
文献について、これはと思うものも1つあったのですが↓
ヒメヒロクチバエ属(新称)の日本産1新種と極東アジア産既知種について
National Science Museum 27,155-164,19941201
翅のはん紋がほぼぴったりでした。
しかし和名キアシヒメヒロクチバエで、ワイモンではありませんでした。
(そもそも脚だけでなく全身が黄色いのでこれは違うだろうと。)
「市田忠夫 1994.その他の昆虫.青森市雲谷周辺の自然.p167-264.」を閲覧してみたいですが、当方まったくの一般人ですので難しそうですね。
すみません「不思議な和名」の震源地です。知人に教えられて、ここにやって来ました。
ワイモンヒメヒロクチバエとニセフトスジヒメヒロクチバエの和名は私の発明ではなく、
この科を研究されていた原秀穂さんによる仮称です。
少なくとも1994年当時には未記載種であると伺っていましたが、その後のことは知りません。
市毛さんのご賢察のとおり、和名初出は市田(1994)かと思われますが、これには名称と採集地点の記号を載せているだけで、
形態・生態の記述はおろか、採集月日などの記載もありませんので、探してまで見る必要はありません。
写真の種は腹部背板に黒い横縞があるようですし、ワイモンではありません。
青森では未確認の暖地性の種で、千葉県の標本などを見たことがあります。
こちらも原さんからは未記載種と聞いておりましたが、その後原さんはヒロクチバエの研究に裂ける時間がないようですので、
少なくとも原さん自身がこれらの種を記載したりはしていないと思います。
市田先生、わざわざのお出でをありがとうございます。
写真の種はワイモンではないとのご確認、そして文献の内容についての情報、重ねてありがとうございます。
「未確認の暖地性の種」とのこと了解いたしました。
ヒメヒロクチバエの1種とするしかないようですね。
あおもり昆虫記の写真を拡大して見た時、腹部背板に同様の縞があるように思い違いをしたようです。
補足ですが、岐阜大の理科教材データベースの未同定ミバエの画像にとても近いので、ミバエの仲間かとも考えていました。
(参照URLに該当の画像ページを入れております)
本当にお忙しい中ありがとうございます。貴重な情報をいただき助かりました。
市田様.
コメントありがとうございます.
N.Yamada
岐阜大の写真を見てみましたが,胸部と腹部の黒色斑を含めRivellia cestovetirsの原記載にかなり合致しており驚きました.
まだまだ,色々な種類が日本にいるようですね.
下げ進行できればよいのですが上に上がってしまうことと思います。記事が古くなりましたのに返信申し訳ありません。
茨城_市毛様、市田忠夫様、管理人の古田様、この度はありがとうございました。
自分のブログに今回のやりとりに基づいた内容で未確認種として掲載しようと思います。
最後に別角度からの画像を1枚、大サイズでお送りして終わりにいたします。何かの折にこの画像が必要になることがあれば(明瞭でないのでご不要とは思いますが)、ご自由にお使い下さい。撮影地は大阪府豊中市、2009年6月9日の撮影となります。
話題のハエと近似と思われます。クズの葉にいました。
分布等の参考になればと…。
データ:2009年6月27日 対馬市峰町志多賀
yohbo様.
この写真も,Byun(2001)A systematic study of Rivellia R.-D. in Koreaに掲載されているRivellia cestoventirsに胸背・腹部と翅の斑紋共に合致しています.(胸背部の黒色斑紋は変異が多いと記されています.)
また,上記論文の注記にも「寄主植物は不明であるが,多数の個体をPueraria thunbergiana(クズ)の葉のスィーピングでえた」と書かれています.
採ってみたいものです.
私の撮影した個体について追加情報です。
葉の上にいたわけではないので参考にならないかもしれませんが念のため、撮影場所の真下には確かにクズが茂っています。(他にも色々と生えてはいますが。)
茨城_市毛 様
ご教示ありがとうございます。 今後,注意を払いたいと思います。
N.Yamada 様
撮るきっかけを作っていただきました。 感謝です。