上の幼虫から羽化した成虫。
マガイヒラタアブで間違いないと思いますが・・・
(2010/12/06)
正面から見た幼虫頭部(2010/11/23)
斜め前から見た幼虫頭部(2010/11/23)
アーチャーン様.
>1)ヒラタアブ類(Syrphini)に関して、大概の種についてはその幼虫や生態が知られているのでしょうか。
日本国内については殆ど研究されていない分野だと思います.
海外では,下記の文献が参考になると思います.
Rojo, S., 2003. A world review of predatory hoverflies (Diptera, Syrphidae: Syrphinae) and their prey.
Roder, G., 1990. Biologie der Schwebfliegen Deutschlands (Diptera: Syrphidae).
Rotheray, G., 1993. Colour Guide to Hoverfly Larvae (Diptera, Syrphidae) in Britain and Europe.
>2)日本産ヒラタアブ類の幼虫に関する文献にはどの様なものがあるのでしょうか。
新・旧の日本産幼虫図鑑にある程度の種類が図示・解説されています.
その他には,長崎大学の二宮栄一氏による報文がいくつか書かれています.
各部名称については,上記のRotheray(1993)や下記の文献が参考になると思います.
Dusek, J. & Laska, P. 1964: A contribution to distinguishing the European species of the subgenus. Syrphus Fabricius (Diptera, Syrphidae) according to male genitalia and larvae. Acta. Soc. Ent. Cechoslov. 61: 58-70.
市毛様.
御回答有難う御座います。
Rotheray(1993)は早速注文致しました。Rojo(2003)は何処から出版されているのでしょうか。
北隆館の古い幼虫圖鑑は手元にありますが、ヒラタアブ類については形態の説明が無く、また載っている種類数が少なくてあまり役に立ちません。学研のは3駅ほど離れた所にある図書館にあるので、その内行ってみます。
二宮氏の論文の一部は以前読んだことがあります。
Acta Soc. Ent. Cechoslovは入手が難しそうですが、探してみます。
飼育をしてみたら以外と楽なので、これから見慣れないヒラタアブ幼虫を見つけたら飼育してみようかと思っています。新知見は出ないでしょうが、ブログに載せれば少しは一般の役に立つと思います。
アーチャ−ンさま
部分名称についてはお答えがなさそうですので、Stuku, J-H(2000) Studia dipterologica Suppl.8: 26p. Cheilosia 3齢幼虫胸部の名称図を読みとった結果からお知らせします。
3)Aは前気門(Vorderstigma)、Bは(Antennenmaxillarbasen)となってます。
4)C・Dの突起は、Sensillenbezeichnungです。口はMundhakenが出てくるところと思います。
5)少し後方の突起(E)はnichy-funktional Stigmaのようです。
Stukeの図は重たいスキャンしかできず、載せるられませんでした(悪しからず)。
ミススペルを修正しそこないました。
Stuku, J-H(2000) >> Stuke, J-H(2000)
nichy-funktional Stigma>> nicht-funktional Stigma
ezo-aphid様.
御回答有難う御座います。おちゃたてむしさんの所では何時も行き違いになっております様で・・・。
ドイツ語の専門書や昆虫学辞典が無いのでどうも用語が良く分かりません。Antennenmaxillarbasenは何故かラテン語みたいに修飾語後置になっていますが、「小腮基部の触角」とは小腮鬚のことでしょうか、それとも小腮基部に触角があるのでしょうか?Sensillenbezeichnungは成虫にはない構造だと思いますが、これも「感覚点」或いは「感覚器」とでも訳すのでしょうか?
nicht-funktional Stigmaは「無機能気門」ではなく、何か適切な訳語がありそうに思えます。
どうも、ドイツ語で書かれた昆虫学書かドイツ語も出ている昆虫学事典を買う必要がありそうです。
今後とも宜敷御願い致します。
アーチャ-ンさま
とても説明できるほど勉強はしていないので、ご案内だけです。
1)Antennenmaxillarはそれぞれ分離してる場合もありますが(MND 1:74p & 78p.)、Syrphidaeでは一緒になっているのかもしれません。「 Antennomaxillary Syrphidae 」で検索すると、それらしいPDFが見つかります。
2)Sensillenbezeichnungについては、別の図では単にSensillenとなってましたので、bezeichnungは無視してよいかと思います。
3)nicht-funktional Stigmaも「 non-functional spiracle 」で検索すると参考になる報文が見つかりそうです。
素木さんの昆虫学辞典には載っていませんでした。以上、ご参考までに。
ezo-aphid様.
色々お調べ下さり恐縮です。
検索してみると、Syrphidaeの幼虫には一般にantennomaxillary organと云うものが有ることが分かりました。non-functional spiracleに付いては、「ある」と云うこと以外良く分かりません。少し手元にあるEntomologyの本で調べてみます。
しかし、日本語で何と言うのでしょうね?←ブログでは必要なのです。
どうも有り難う御座いました。