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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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Helcomyzidaeの日本新記録 投稿者:三枝豊平 投稿日:2013/09/22(Sun) 11:35:19 No.8533  引用 
過日、札幌で開催された日本昆虫学会の一般講演で、私が、「日本列島から未知の双翅目ケブカハマバエ科Helcomyzidae(Diptera)」と題して、新潟県海岸で得られた本科の1種について講演しました。しかし、本科についてはすでに岡留恒丸(1971)によれば、本科のハエが倉橋弘さんによって金沢で1969年3月23日に採集されていて、岡留さんはそれを北米西北部に生息するHelcomyza mirabilis Melanderとして同定して発表されていました(まくなぎ、No.6:23)。和名はキンパツナギサバエとされています。そのために私の講演で、日本未知というのは間違いということになりました。

なお、私の材料の新潟の標本(添付画像)は、タイプ産地で採集されたH. mirabilisとは♂交尾器などや翅の斑紋に相違があり、H. mirabilisとは別種と考えられます。倉橋さんの採集された標本が私の標本と同一かどうかは今後の検討に待ちたいと思います。

なお、科名として私はケブカハマバエ科を提唱していますが、岡留さんのキンパツナギサバエに基づくとナギサバエ科という名称も可能になるかと思います。語呂的にはナギサバエの方が響きが良いですね。なお、キンパツは北米の標本に関する限り腹部に密生する長毛の先半分が黄褐色ないし黄色になる点に基づいているかと思いますが、私の新潟の材料ではそれほどではありません。

このハエは外観はヒメフンバエのような感じで、色彩はもっと暗色です。幼虫は海岸に打ち上げられている海藻などを食べ、成虫は砂浜にいて、人が近付くと短距離を低く飛んでしばらくして止まるが、採集は難しいとか。

なお、上記岡留さんの報文については、北九州市立自然史博物館の上田恭一郎さんからの指摘でしたので、この場でもお礼を言わせていただきます。

それにしても、倉橋さんが大会プログラムに目を通していただいて、ご注意いただけたら、講演の場で訂正できたのに・・・・。自分の不注意の反省が先だ!と言われるかも。
 


Re: Helcomyzidaeの日本新記録 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2013/09/24(Tue) 22:08:11 No.8534  引用 
三枝豊平様.

日本産昆虫総目録(1989)を作った時に収録漏れしたようですね.総目録の諸言をみると岡留先生の名前もあるのですが(^_^;)

Re: Helcomyzidaeの日本新記録 投稿者:三枝豊平 投稿日:2013/09/24(Tue) 23:21:45 No.8535  引用 
あの目録は九大昆虫学教室の院生が作成したのを双翅目の一部の専門家が目を通したと記憶していますが、あわただしく作成、チェックが行われたと思いますので、多くの不備が残されました。

現在進行中の日本昆虫学会発行の「日本昆虫目録」は蝶類の号が出版され、続いて双翅目の巻などの出版が期待されています。この目録はそれぞれの科の分類学者が担当しているので、日本産昆虫総目録よりは信頼性が高いと思いますし、原記載、主要なシノニム、より詳しい分布が含まれています。現時点でほぼ9割がた原稿が集まっていますので、あと一息です。蝶類の号は福岡市の櫂歌書房から発行されています。関心のある方は同社の方にご連絡いただき、購入くださると、今後の出版にも大きな支援になりますので、よろしくお願い申し上げます。

金沢から記録されたH. mirabilisの追跡を現在試みています。

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