左後腿節が乾燥の影響で少し曲がったので,右脚を撮影しました.
左側は右前腿節の先端付近を後方向(p)から撮った写真です.
日本のイエバエ科の,モモエグリイエバエ属(Hydrotaea)種の検索表の12に,
「前腿節の先端腹面に1対の瘤状の突起がある」
と書かれていますが,本種の場合この角度からでは1対に見えません.
右側は同じく右前腿節先端付近を前腹方向(av)から撮った写真です.
下から覗くと突起が並んでいる事がわかるので,つじつまが合います.
Fauna Japonica Muscidae I (当時の名前はocculata) の記述を見ると,
"fore femur with a pair of rigid processes on the distal part of the ventral surface,
several bristles present on the posterior tooth, ..."
と書かれていて,先端が尖って見える後(p)の突起に剛毛が生えており,先端が丸く見える前(a)の突起にはないので,このあたりも記述通りです.
右後腿節の基部1/6にある剛毛を前方向(a)から撮りました.
先ほどの検索表の14に,
「後腿節に先端が湾曲した2本の束になった剛毛がある」
と書かれていて,拡大するとちゃんと2本見えます.
他の文献では,,,
Fauna Japonica Muscidae I には217-220ページにH. occultaの名前で出ています.
図はText-figs.120-121.
中国蝿類には896ページにH. floccosaの名前で出ていて,H. armipesと逆になっています.
図は,897ページの図版163の2071のfloccosaが現在のarmipes
891ページの図版161の2060のarmipesが現在のfloccosa
これが,中国動物誌 昆虫綱 第四十九巻 双翅目 蝿科(一)では訂正されて,
438ページにH. armipesの名前で出ており,Xue et Chao, 1999(1996)は誤同定であったと書かれています.
図は440ページの図137で,AとBがarmipes,CとDがfloccosaになっています.