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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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ゲンロクニクバエ・・・じゃない... 投稿者: 投稿日:2011/02/15(Tue) 22:06:02 No.6736  引用 
久しぶりに標本ネタを投稿します。

昨年採集したこの標本。採集してすぐ、はなあぶ28号を確認して、やっぱりただのゲンロクニクバエじゃない・・・と確認しただけで放置してました(^^;)。昨日、久しぶりに標本箱を開いてブツを見つけたので、写真を撮ってみました。

採集データは新潟市西区2010年6月18日、海岸ニセアカシア林内です。


Re: ゲンロクニクバエ・・・じゃ... 投稿者: 投稿日:2011/02/15(Tue) 22:07:39 No.6737  引用 
全身左側面

Re: ゲンロクニクバエ・・・じゃ... 投稿者: 投稿日:2011/02/15(Tue) 22:09:18 No.6738  引用 
左後脚の左側面

脛節前腹面に剛毛はない・・・毛深くて画像ではわかりにくいけど、ない


Re: ゲンロクニクバエ・・・じゃ... 投稿者: 投稿日:2011/02/15(Tue) 22:10:53 No.6739  引用 
♂尾端左側面

ぱっと見はゲンロクっぽい
しかし、postgoniteの毛は先端ではなく少し引っ込んだところに生えている
pregoniteの形もそれらしい感じ


Re: ゲンロクニクバエ・・・じゃ... 投稿者: 投稿日:2011/02/15(Tue) 22:12:27 No.6740  引用 
左斜め下から

postgoniteの毛は左右とも2本なのだが、この画像に写っている右側ではその毛が若干上下にずれて生えている(左側はそれほどずれていない)


Re: ゲンロクニクバエ・・・じゃ... 投稿者: 投稿日:2011/02/15(Tue) 22:14:27 No.6741  引用 
後方から尾角も撮ってみた

ということで、ツシマゲンロクニクバエ Parasarcophaga hirtipes (Wiedemann, 1830) と判断しました。

以前採ったものも少し確認してみたら、やっぱりツシマゲンロクの方でした。まだ全部は見てませんが、もしかしたら沿岸域では真のゲンロクは採集していないかもしれません。新潟海岸のニクバエの記録をそのうち訂正しなきゃ(汗)。

ツシマゲンロクの国内の記録は、今のところ対馬と本州(山口県、島根県、宮城県)で、少なくとも本州には広く分布するようです。
分布域とか、生息環境なんかは、ただのゲンロクと重なっているのかしらん??ちょっと気になりますね。

参考文献
倉橋・星野,2009. 日本未記録のナミニクバエ属の1種(双翅目:ニクバエ科). はなあぶNo.28:4-6
柿沼・倉橋,2010. ツシマゲンロクニクバエの分布記録と雌雄同体の記録. はなあぶNo.30-1:2


Re: ゲンロクニクバエ・・・じゃ... 投稿者:さんご 投稿日:2011/02/16(Wed) 19:54:52 No.6742  引用 
猫又 様
お久しぶりです.山口県のさんごです.
ご指摘のように,両種はかなりの確率で混生しているようです.私が採集したツシマゲンロクは,すべてゲンロクニクバエと同所で採集され,1例をのぞいてはゲンロクと同時に採集しました.
数が少ないので両種の数の比率まではわかりませんでしたが,同一場所でほとんど同じ位の数でとれました.いずれも草薮的な環境でした.両種は形態のみならず生態も非常に近似している可能性があるように思いました.
今後もなにか情報がありましたらご投稿をお願いします.

Re: ゲンロクニクバエ・・・じゃ... 投稿者: 投稿日:2011/02/17(Thu) 12:33:59 No.6744  引用 
さんご さま

コメントありがとうございます。
ありゃ、両種が同時に採れることが結構あるんですね。どちらかというと、場所や時期にズレがあるんじゃないかと予想していたので、意外です。生態面で何か差があるのかしらん?。どこで分かれているのか、謎は深そうですね。

前言撤回 投稿者: 投稿日:2011/03/02(Wed) 14:17:33 No.6752  引用 
自己レスです。
2005年採集のゲンロクニクバエ標本を見直していたら、新たな問題が出てきちゃって結論が出せない状態に陥りました(--;)。

2005年採集のゲンロクニクバエ標本4♂について、後脛節前腹剛毛(av)の有無を確認していたところ、5月17日採集の個体でavが左脚にはあるけど右脚にはないのを見つけてしまいました。なんだこりゃ〜〜〜

添付画像は後脛節を左右それぞれ前面から見たところです。脚の向きが微妙にずれていてちょっと質感が違って見えますが、あしからず(汗)。左脚には立派なavがある(黄色の△印付けたとこ)のに、右脚には痕跡も見あたりません。もし脱落したのならソケットくらいは見つかるはずなので、はなから生えてなかったのでしょう。avの有無に変異があるなんて・・・想定外ですよぅ。

ちなみに残りの3個体(6月24日採集)ではavがないもの1、あるもの2でした。

ゲニタリアの外形について2010年のも入れて計5♂を実体顕微鏡で見比べてみましたが、違いがわかりません。pregonite、postgoniteの形状は、avのあるなしに関わらず、上にあげた画像と同様にツシマゲンロクの図に似ているように見えました。その他の部位も、今のところ違いは発見できず。avの有無があてにならないとしたら、どこで分けられるんだろう?というところで行き詰まってます。

というわけで、上のツシマゲンロクニクバエと判断したのは早計だったということで結論は保留にします。すみません。


Re: テストupload 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2011/03/22(Tue) 21:24:41 No.6756  引用 
猫又様,先日は大阪までご苦労様でした.

行き詰っているようなので,Nandi(2002)の両種の図をスキャンしてみましたので,参考にしてみてください.


Re: テストupload 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2011/03/22(Tue) 21:30:17 No.6757  引用 
続いて,ツシマゲンロクニクバエですが,lateral plate of paraphallusの長さなど結構違っていると思います.

やっぱりゲンロク? 投稿者: 投稿日:2011/03/24(Thu) 00:25:33 No.6758  引用 
市毛様

そちらも遠方な上に交通の不便な中、大阪までお疲れさまでした。
私は大阪の後、実家(愛知県)に寄道して昨夜帰宅しました。
ところで、朝の連発地震は大丈夫でしたか?。

さて、情報ありがとうございます。この本は未入手だったので助かりますm(_ _)m。
最初の標本のゲニの、角度が微妙に異なるカットから切り出した画像を載せます。
お示しいただいた図と比較すると、albicepsの方が似てますね。ただ、pregoniteの形状は双方とも一致しませんし(強いて言えばhiltipesに近い)、他にも細かいところで色々と異なる印象を受けます。

Fauna Japonica Sarcophagidae (FJS)のP. albiceps ゲンロクニクバエの図との比較では、ゲニの形状に違和感はないので、後脛節avの有無を問わなければ、今回見た新潟の標本はすべてP. albiceps ゲンロクニクバエ(sense FJS)として扱っておくのが妥当だと思いました。

何だか、「ふりだしに戻る」的な展開だなあ・・・(--;)

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