まる子ぱんたに 様.
私は知識も経験もまだまだ不足した素人で,ここで回答するのは恐縮ですが,返信がなさそうなので簡単にコメントだけ. ヤドリバエの厳密な同定は,細部の検鏡が必要なので,生態写真だけの場合,なかなかこの掲示板でも回答を得られないと思います.今回は,属まで推測できますが,それでも本来は,実物をじっくり見て多方向から細部を確認して慎重に同定する必要があります.インターネット上の誤同定が多いのも厄介です… なので断言はできませんが,これはBlepharipa(カイコノウジバエ属)でなく,Winthemia(ホオヒゲハリバエ属)の可能性が高いと思います.雄は,この写真のように,腹部の銀色or金色帯が目立ち,コントラストの美しい種が多いです.本当にカッコいいと思います.一方で雌は,まるで別属かと勘違いするほど異なった見た目です. まる子ぱんたにさんの個体は,比較的広い額や腹部の広い銀色帯を持っているので,Winthemia venusta (Meigen, 1824)などにやや似た雰囲気です.種の同定には,腹部腹面の毛束や触角各節の長さの比など見る必要があり,この写真で種まではわかりません.本属は日本から15種も記録があり,どれも非常によく似た見た目で,なかなか難しい属です.
虫キョロリス様
詳しく調べて頂きありがとうございました。 Googleで、検索するとカイコノウジバエを提案されたのですが、自分ではトガリハリバエに近いかと思っていましたが、何か腹部ほ形状が違う気がして、確かに虫キョロリス様の言う通りWinthemia venustaに雰囲気が似ています、虫キョロリス様の意見を参考に自分でも、もう少し詳しく調べてみようと思います、本当に、ありがとうございました。 |
ハンマー様。
恐らくフタガタハアナブのメスと思われます。
市毛さま
いつも、ありがとうございます。 また、宜しくお願いします。
間違ってました(^_^;)
フタガタハラブトハナアブの誤記です。 (打ち間違え+旧名でした。)
市毛さま、
Imatisma dimorpha が Mallota dimorpha に変更されて、同時に和名もフタガタからフタガタハラブトに変更されたということでしょうか?
ハンマー様。
属名(学名)の変更は、結構昔です。 和名は、大石ら(1998)ハナアブの和名の改訂と統一のための提言で、マチマチだった和名の統一を図り、どの属かが判り易い様な和名が提唱されました。(強制力はないので、あくまで提唱です・・・)
市毛さま
よく分かりました。 どうもありがとうございました。
他のアブと違って後ろ足がかなり発達しているんですけどなんの意味があるんでしょうか?
はピスケ 様.
Rotheray&Gilbert(2001)によれば,交尾の為に発達・変形しているようです. (They also play a role in mating, used either to hold the female during mating, and/or to elicit touch responses critical to the cascade of cue and counter cue that leads to a successful coupling) Rotheray, G.E., Gilbert, F. (2011). The Natural History of Hoverflies. xiii+333pp. Forrest Text. UK, |
キイロシギアブであることが解りました。ありがとうございました。
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皆様、おひさです。ケンセイです。
最近、双翅目談話会のシラミバエ屋Kさんよりトラツグミの古巣から見つかったハエの蛹が羽化したので見てほしいと標本が送られてきました。それで、トリキンバエとマルヤマトリキンバエについてはファウナヤポニカでたどれるのですが、ヤドリトリキンバエとシナノトリキンバエの文献を持っていないので、もしヤドリやシナノだったらギブアップするしかない状況です。 ということで、もしもヤドリトリキンバエとシナノトリキンバエの文献情報をご存知でしたら教えていただけるとありがたいです。 以上よろしくです。 p.s.私は今年からファネルトラップを自宅の庭と狭山丘陵に設置 して1ヶ月に1回程度の回収頻度で調査を継続しています。 誘引剤はアカネコール、殺虫剤はバポナです。 それで、今までの回収標本をざっと見てのコメントです。 ・採集品はコウチュウとハナバチがメインでたまに脈翅や蛾 類が入ります。一番入ってほしい双翅目はほとんど入りま せん。 ・構造的に墜落形式のトラップには双翅目や半翅目は入りづ らいようです。 ・来年はもう少し双翅目が入るようなマレーズトラップ的 誘引トラップを工夫したいと思います。
シナノトリキンバエの原記載は信州昆虫学会の会誌「New Entomologist」にありました。
Hiromu Kurahashi Japanese species of Orinthoparasitic Blow Flies:Protocalliphora and Trypocallophora (Diptera:Calliphoridae) 42 (1,2)8-15 1993 (一応、トリキンバエ類4種の検索あり) これによると、シナノトリキンバエは上下鱗弁が白色、中胸気門が黒色、翅の第2、第3縦脈結節部の下部に毛を持たないこと、後脛節に 3〜4本の前腹剛毛を持つことでマルヤマトリキンバエとは区別され、前脛節に1〜2本しか後剛毛を持たないことからトリキンバエとは区別されます。 ヤドリトリキンバエは鱗弁が明るいオレンジ色、翅の基部が♂で茶系オレンジ色、♀が明るいオレンジ色で、であることで識別できます。(ヤドリトリキンバエは幼虫がヒナの皮膚内に潜り込むタイプだそうなので、幼虫の形態は他3種とはかなり異なるようです。)
ハエ男様、どうもです。
早速のご教示ありがとうございます。 New Entomologistにシナノトリキンバエの原記載があったのですね!さっそく元本も取り寄せようと思います。 それでは近日中に標本をチェックして結果を報告させていただきます。 ではでは。
ハエ男様、どうもです。
さっそく昼休みに件の標本をチェックしました。 それで、鱗弁は褐色で、中徑節腹面に1剛毛があったので、 トリキンバエ Protocalliphora azurea になりました。 取り急ぎ報告まで。
個仕掛けたところシジュウカラが営巣し、先日巣立ちました。雛鳥の死骸や骨は無く、全員無事育ったのだと安堵したところです。巣箱を掃除したところ、産坐の下に複数の蠅と思われるサナギがありました。トリキンバエのサナギでは無いかと思うのですが、ブログの主様は研究者様でしょうか?また、かつて信大におられた内川公人先生の論文では雛鳥に寄生するとありますが、巣箱の中で雛鳥を食べてしまうようなことは無いのでしょうか?大鹿の地名が出てきますが、南アルプスの様な高山が近い地域で調査されたことはおありですか?
喜久山 様.
小川ら(1989)によると,Protocalliphora トリキンバエ属の幼虫は吸血性とのことです(吸血時以外は巣材の中で生活する). 小川 竜・堀浩二・岩佐光啓. 1989. 十勝におけるトリキンバエ類の生態: 幼虫・蛹期間、化生および寄主特異性. 日本応用動物昆虫学会大会講演要旨, (33): 67. また,Iwasa & Hori(1998)によると Trypocalliphora braueriヤドリトリキンバエの場合,アオジ等の雛の皮下に寄生するとのことです. Iwasa, M., Hori, K. 1998. A subcutaneous bird-parasitic blowfly of the genus Trypocalliphora Peus newly recorded from Japan (Diptera : Calliphoridae). Jpn. J. Sanit. Zool., 39(3): 267-270. 倉橋(2000)によると,トリキンバエとマルヤマトリキンバエの2種がシジュウカラに寄生するとのことです. 倉橋 弘. 2000. レファレンス・ミュージアムに持ち込まれたトリキンバエの2未記載種. 昆虫と自然, 35(9): 27-30.
喜久山 様
Trypocalliphora ヤドリトリキンバエ属の海外に分布する種の場合,皮下寄生する部位によっては雛が盲目となるため,生存に影響するという言及があります. A. B. Kerimov, L. A. Lavrenchenko & A. L. Ozerov, 1985. Calliphorid (Diptera, Calliphoridae) - parasites of nestling great tit (Parus major) and nacissus flycatcher (Muscicapa narcissina). Byull. Moscow. Ova. Ispt. Priro., Otd. Biol. 90(1):37-39. 以下のリンク先に翻訳が掲載されています.p.50-51. http://larus.c.ooco.jp/bfea10.pdf Iwasa & Hori (1988) の図によると,目の上に寄生する場合があるので,国内でも似たような事例が発生するかもしれません. 私は鳥の巣以外の場所でトリキンバエ類成虫を採集していますが,大滝山と乗鞍岳の高山帯,西穂高岳と白山の亜高山帯,他に岐阜県内の標高約1000m 以上の山で採った事があります. 他には一例だけ,4月に低山地で採集しました.
茨城@市毛さま 大宮さま 詳細にお教えいただきありがとうございました。シジュウカラ巣立ちの数日前に大き目の黒い蠅が巣から出たのを確認し、雛が腐敗?と思って中を覗いたら、ごそごそ羽の生えそろった雛がいて、結局全て無事育ちました。
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![]() 添付の画像はコウカアブでしょうか。腹部背面に白い帯があるようなのですが未確認なので。 よく見られるアメリカミズアブらしきものより一回りは大きかったです。大きめの個体ということでしょうか ![]() 添付のハエは以前バイオームというアプリで質問したところ、たぶん和名がないヤドリバエ科のハエではないか、という回答をいただいたことがあるものです ![]() 虫ナビ(下記サイト)のハエとよく似ている気がしますが、眼の間と体長に違いがあるような気がします。虫ナビでは8ミリとなっていますが、私が見たものは2センチ弱くらいはありそうでした。 https://mushinavi.com/navi-insect/data-hae_nagahari_sp.htm |
グラズ 様.
ご推測通り,Chloromyia属の1種でキンランルリミズアブと呼ばれている未記載種です.
市毛様
ご連絡いただき誠にありがとうございます。 美麗ですが未記載種なのですね。
グラズ 様.
新種記載できるレベルまでミズアブを研究している人が日本にいないのです. なお,日本の双翅目の専門家自体が絶滅に瀕しています. |
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