こんにちは.
今回は質問ではないのですが… 最近同定したハエの中で,少し変わっていると思った2匹を共有します. まず,Hamaxia属です.奇妙なハエだと思いました. 採集したときは,Xenotachinaの雄か何かだろうかと思っていました. 顕微鏡で見てヤドリバエ科とわかりました. 見た目だけでなく交尾器も特徴的で,引き出すのが大変でした.cerciがこんなに短いヤドリバエがいるんですね. 日本に生息するH. incongruaだとは思うのですが,交尾器の図が見つからなかったので,保留にしています. 採集日:2024.11.09,採集地:東京都目黒区駒場
次は,ハナバエ科のPegomya kusigematii (Suwa, 1974) です.KFさんから頂いた標本です.
自分の知っているPegomyaとはずいぶん雰囲気が違います. 最初は,属が間違ってるかと不安にもなりました. しかし,ゲニを見ると,surstyliの珍奇な形はPegomyaらしい(?)ですね. 交尾器の形状が,Suwa(1974)の図と見事に一致しており,気持ちいいです. 採集日:2022.10.09 採集地:青森県十和田湖 今,手元に,正体不明の緑色のヤドリバエ(おそらく)の標本があり,亜科の検討さえつかないので,また写真を撮って数週間後にここで質問させていただきます.そのときはよろしくお願いします.
虫キョロリス様
いいPegomya ですね. 自分は,はなあぶ56号に報告した新潟県の個体を1♂採っただけです. 涼しい所の種かと思いきや,Suwa (1999) によると熊本県の記録もあるようです. 記載当初からPegomya 属なので,この場合は記載者・年に括弧は不要です.
虫キョロリス様
Hamaxia は自分で採った事がありませんが同定依頼の中に入っていた事があります. オス交尾器の図がどこかに有るか分かりません. 本種はメスで記載され,レクトタイプ指定の話にもメスしか出てきません(2009年の中国の注釈付きカタログ). 本種のシノニムであるOchromeigenia ormioides Townsend, 1919 がオスで記載されれているのですが,そちらの原記載に図はありませんでした. マメコガネの天敵についての文献に,幼虫,蛹,メス成虫が図示されています(FIG. 14-16). https://typeset.io/pdf/the-parasites-of-popillia-japonica-in-japan-and-chosen-korea-37h8z431ie.pdf
大宮様.
返信ありがとうございます. >記載当初から… 記載者・年に括弧をつける場合とつけない場合に,そのような違いがあるとは知りませんでした.なるほど.そういうことだったんですか… これからは規則に従って書きます. はなあぶのほうも今確認しました.私の個体でも,第5背板の両側部がわずかに黄色がかっていました. Hamaxiaに関して,オス交尾器の図がどこにあるかわからないとのこと,調べてくださりありがとうございます. >本種のシノニム… シノニムのOchromeigeniaのほうの原記載は確認していませんでした.たしかに図はないですね… マメコガネの天敵についての論文も読んでみました.メスでもかなり額が狭いんですね.生態や幼虫期の形態が思ったより事細かに調べられており,驚きました.いつか自分の目でも,寄生の瞬間を見てみたいものです. 夜行性と書いてありますが,今回採集したのは午後2時でした.ただ,草のたくさん生えたやや暗いところではありました.それから,私の着ていた黄色いシャツにとまっていたので,たしかに吸蜜性なんだろうと思います(その黄色いシャツを着ているとハエやホウジャクがよく近寄ってくるんです). 時期も5月から9月にかけて2回か3回に分けて発生というようなことが書いてありますが,今回は11月だったのでちょっと遅い時期だなと思いました. |
tosaka様.
ブユのオス成虫での同定は困難と思われます. なぜなら,検索表がメス成虫もしくは幼虫や蛹を対象としてものしか作られていないためです. また,林(2017)の図版を見ると,雌雄で色彩や微毛斑等が大分異なっております. なお,東京昆虫目録(TKM)でみると,東京都本土で22種が記録されております. 林 成多. 2017. 島根県産ブユ科の同定と分布 . ホシザキグリーン財団研究報告特別号 , (21): 1–122 https://www.green-f.or.jp/kenhou/suisei_kontyu/Sbhgf_21_001.pdf |
初めてお世話になります。
静岡市内での撮影です。ヤドリバエの仲間だと思うのですが、SNS内の図鑑を様々調べても種名が分かりません。種名がお分かりになるようでしたら教えていただけないでしょうか。よろしくお願いします。
くさかぜ 様.
ご推測通り,ヤドリバエの仲間です. 私では種類までは分かりません.
市毛 様
返信ありがとうございます。自信はありませんが、一応キナコハリバエではないかと考えています。 |
お世話になっております。
9月18日、都内の学校ビオトープ池にて、水面を浮遊していた水生双翅目の幼虫と思われる個体を見つけました。 体長は6mm程度です。 ガガンボ類ではないかと思いますたが、いかがでしょうか? 大まかに「科」程度まででも分かりますと助かります。 よろしくお願いいたします。
小金井虫様.
ハナアブ以外の幼虫は全くわかりません. ごめんなさい.
茨城@市毛様
とんでもありません。 いつもありがとうございます。 なんとか四苦八苦して、とりあえず「ヤチバエ科」かな? というところまで来たのですが… 陸生昆虫調査ではまわりでヒゲナガヤチバエを記録しているので、まずまず近づいたのかな、と思いますがいかがでしょう? やはり幼虫はむずかしいです。
小金井虫 様.
よくお調べになりましたね. 末吉(2018)ヤチバエ科 Sciomyzidae, 日本産水生昆虫 第二版: 科・属・種への検索や,学研(2005)日本産幼虫図鑑では,Sepedon aenescensヒゲナガヤチバエの側面図しかなかったのでわかりませんでした. ネットで調べ直すと,bugguide.netに同属のSepedon tenuicornisの背面からの写真があり,非常によく似ていました. https://bugguide.net/node/view/1719839 なおと,都内ですと同属のヒガシヒゲナガヤチバエ(Sepedon noteoi = Sepedon oriens)も分布している可能性が高いので注意が必要です.
茨城@市毛様
丁寧なご返信ありがとうございます。 ほっとした感じです。 とりあえずSepedon(ヒゲナガヤチバエ属?)で記録しておきたいと思います。 類似種のヒガシヒゲナガヤチバエはまだ見たことがないですが、「ハエハンドブック」ではヒゲナガヤチバエよりも色味が薄く、ツヤも無いかんじのようですね。 これからはこちらも注視しておきたいと思います。
茨城@市毛様
分かりやす写真、ありがとうございます! これから、活用させていただきます。 |
木佐様.
ご推測通り,トゲヒメヒラタアブの♀で良いと思います.
茨城@市毛 様
ご確認下さいまして有難うございます。 腹に赤味が出るのが特徴的で見当をつけましたが、 これだけで判断していいのか不安があったので投稿させて頂きました。 |
はじめまして。最近双翅目にも目を向けるようになりました。
竹林内の酵母菌に集まっていたショウジョウバエ属を採集し、検索表にかけたところタイワンショウジョウバエに辿り着いたのですが分布が合わず自信がありません。 どなたかご教示頂けると幸いです。 3♂? 体長約3.4mm 縫合前背剛毛なし 背中剛毛2対
R.B 様.
だいぶ細かく調べておられるようですね. 前脚フ節の反曲毛が,JDDの写真と比べ短く感じます. https://www.drosophila.jp/jdd/sp/content/0205060702090004.html
市毛 様
ありがとうございます。よく見比べると確かに短めに感じますね。 D. immigrans も確認しましたがこちらもある程度は長毛が生えているのですね… まだ目ができていないのでゆっくり覚えていこうと思います。
R.Bさま
はじめまして。 書かれているようにD. immigransが近いのかなと思います。 D.immigransは腹部背板の三角模様がはっきりしています。 翅脈の先端もすこし曇ります。 |
YM 様.
Megasyrphus erraticus オオオビヒラタアブのメスです.
市毛様
早速ご回答ありがとうございます。 高山にいる種なのですね。撮影場所は5合目あたりです。 アブやハチの黄色い部分が水色に変化しているのはどういう理由があるのかなどわかっていることがもしありましたら教えていただけますと幸いです。 |
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