ご無沙汰をしております。
日本昆虫目録の双翅目が出版されたので、暇を見て兵庫県のリストや投稿予定の報文を同書準拠に変更中なのですが、いくつか気付いた点があります。ただの誤植もありますが、私の勘違いの可能性もあるので、確認のためここに書き込んでおきます。 よろしくお願いいたします。 ヌカカ科 226ページ ツツヒゲヌカカの分布が本州(鹿児島県)となっています ユスリカ科 255ページ B. kurobeaimotoiの命名者がOksazawa Okazawaの誤りと思われます シギアブ科 374-376ページ Chrysopilus属の全種の命名者及び年度に( )が付いているが、原記載を見ると全てChrysopilus属であり、カッコは不要ではないでしょうか ツリアブ科 タイワンハラボソツリアブが抜け。シノニムリストにも入っていません。和名はタイワンですが、これは未記載時からの名残で、模式産地は国内だったはずなので、単に記録漏れだと思われます。 アシナガバエ科 439ページ Chrysotus nudisetusの分布域 Type localityはRussiaだが、分布は北海道のみ。海外のデータが抜けているようです。
Argeさま
ご指摘ありがとうございます。承りました。誤植や間違いなど、編集サイドでも気が付いたものは、それこそ気が遠くなるほど直したのですが、まだまだご指摘いただいたような問題点が数多くあるようです(たとえば、545ページのシュモクバエ科の科の字が抜けているとか、クロユスリカ属という和名の属が310ページと318ページに2度でてくるとか、、、お恥ずかしい限りです)。編集委員会でも正誤表をネットで公開する方法を検討中です。今回のようにお気づきの点がありましたら、小さなことでも私宛にメールでお送りください。 日本昆虫目録第8巻双翅目 編集担当(の一人)中村剛之
さらに、書誌学的なことですが、初期に印刷され配付された一部の冊子で、ISBN番号の表記に間違いがあることがわかりました、ご購入いただいた方は是非ご確認ください。
日本昆虫目録第8巻双翅目第1部 ISBN 978-4-434-19718-5 日本昆虫目録第8巻双翅目第2部 ISBN 978-4-434-19719-2 ですが、第2部の一部の冊子で奥付(1103ページにあたる部分)の表示が第1部と同じISBN 978-4-434-19718-5となっているものがあります。さいごのところを9-2に修正してください。 中村
ミズアブ科の Craspedometopon属の情報が古いようです.
Rozkosny(2007)で2種に分けられ,Stratiomyoidea of Chinaでも同様な取り扱いとなっています. 北海道〜屋久島・・・・・・C. basale (MATSUMURA) 沖縄・・・・・・・・・・・C. frontale KERTÉSZ ネグロミズアブという和名をどちらにつけるか難しそうですね.
Kolomania属も間違っている.
これは九大の目録作成時のミスと思われます. Kolomania nigripennis (Kertesz, 1909)というのは属が間違っており,Evaza nigripennis Kertesz, 1909 とするのが正しいです. Nagatomiの図を見ると,触角が全く違います. Kolomania属の同定をしていて気が付きました. ついでに,Kerteszの原記載を収録しているAnnales historico-naturales Musei nationalis hungariciは下記のURLで見れます. http://annales.nhmus.hu/bannales.php
Rhaphiocerina hakiensisの所属について.
今回の目録では,Sarginae亜科の下にリストアップされているが,属のアルファベット順の並び等から推測すると,Subfamily Prosopochrysinaeという行が抜けているのではないか? なお,九大目録ではProsopochrysinaeに含まれており,Stratiomyidae of Chinaでは,Stratiomyinae亜科となっている.
便乗でもう1点.
すでにどなたかが指摘されているかもしれませんが, ムシヒキアブ科で,亜科Stichopogoninaeが2つに分裂しています.
ハナアブ科Mallota属でシノニム処理が抜けていました.
誤) auricoma Sack, 1910 カワハラハラブトハナアブ 正) rossica Portschinsky, 1871 カワハラハラブトハナアブ Portschinsky, 1871: Trudy russk. ent. Obshch., 10: 175 (Mallota). Typelocality: "Rossia media" .-Distr.: USSR: CET (Yaroslavl and Orenburg regions). = auricoma Sack, 1910, Beil. Programm. Wöhler-Realgumn. Frankfurt a.M., 1910: 36 (Mallota). Type locality: Altai-Beresowski (W Siberia). = aino Violovitsh, 1952, Soobshcheniya Dalnevostochnogo filiala AN SSSR, 4: 56 (Mallota). Type-localities: Dolinsk district, on the Pass between Yuzhno-Sakhalinsk and Tonnay, 15 km O Yuzhno-Sakhalinsk; Poronaysk district Kassebeer(1996)でシノニムとっなていました. また,近年フタガタハラブトハナアブMallota dimorphaは,M. eristaliformis Sack, 1910のシノニムに見なされているようですが,シノニム処置した文献が見つかりません.
ハナアブ科Cheilosia属のシノニム処置
誤)pallipes Loew, 1863 アトキクロハナアブ 正)flavissima Becker, 1894 アトキクロハナアブ Becker, 1894, Nova Acta Avad. Caesar. Leop. Carol., 62 (3): 371 (Chilosia). Type locality: Not cited (Europe). = pallipes of authors, not Loew, 1863 - missidentification = flavoscutellata Shiraki, 1968, Fauna Japonica, Syrphidae, 2: 66 (Cheilosia). Type locality: Shikotsuko, Hokkaido, Japan. Claussen and Stahls(2007)でflavissimaとpallipesの2種に再分割される. 日本では平嶋1989以降この学名が使用されている.
今回並びにこれまで「日本昆虫目録第8巻双翅目」について、誤謬、誤植、追加など多くのご指摘を本掲示板上でしていただいている皆様に、本目録の編集委員長として深甚の謝意を申し上げます。
本目録は10数年前に企画されたのですが、一国の昆虫全般を対象にした今回のような詳しさのある目録はほとんど皆無でして、当初の刊行終了目標は困難視されていました。 双翅目については中村剛之博士が本目担当の編集委員を代表されて、比較的短い年月の間に原稿の集約と編集に献身的に対応していただき、一つの巻としては本目録の最初の刊行に漕ぎつけることができました。 本目録の編集方針のなかでは、上記のような大規模の企画ですので、内容的には多くの不備の点が生じることを予想の上で、一先ず刊行ということになりました。上記を恐れると、この手の目録の出版はまず不可能であると判断したためです。その結果多くの不備が生じています。これらについて今回も多くのご指摘をいただきましたが、今後本目録をお使いいただく過程でお気づきの点等ありましたら、ぜひ中村博士にご連絡いただくか、本掲示板にお書きいただきますようお願い申し上げます。 皆様のご指摘は折々整理して結果を発表できるような手筈を検討しています。 有難うございました。 三枝豊平
Arge様
ユスリカのリスト作成者として:見落とし、重複も出版後に幾つか気づいています。 255ページ、ご指摘の通りOkazawaです。
「日本昆虫目録第8巻双翅目」の中で、双翅目談話会の会誌「はなあぶ」で発表された本目に関する多くの知見が反映されていないと思います。その原因は、
1.双翅目研究者が必ずしも双翅目談話会に入っていないために「はなあぶ」誌を通覧していないこと。 2.「はなあぶ」誌上の情報を反映させるための時間的余裕がなかったこと。特にこの点は同会に是非お願いしたいことですが、同誌に名称が出た双翅類について名称と同誌の号、ページの一覧表を作成していただければ、同誌の情報が利用しやすくなるということです。学名、和名、所属科名、記事の分野(分布、生態、分類など)、号、ページ、できれば表題、著者をエクセルファイルなどに入力されたものがあれば、今後同誌の利用価値は格段に上がると思います。作成には大変な労力が必要だと思いますが、同会でご検討いただけないでしょうか。
三枝様.
はなあぶ誌上のデータをまとめる件は,幹事会に提案してみます. とりあえずは,このスレッドを忘備録的に活用したいと思います. 皆様も,短報作成時等に気づいたことを書き込んで頂ければと思います.
ムシヒキアブ科 P401
Lasiopogon rokuroi カワラムシヒキ 四国を追加. Ref. 別府隆守,2007.四国から初めて記録されたカワラムシヒキ.はなあぶ,21: 53.
ご無沙汰しております。
私も目録で気づいた点をこちらに書き込ませていただきます。 アシナガバエ科 Sciapodinae亜科 マダラホソアシナガバエの学名 誤 Condylostylus nebulosus (Matsumura, 1935) 正 Condylostylus nebulosus (Matsumura, 1916) 文献名は間違っていないようですが、記載年が異なるようです。 また、はなあぶ等の報文で日本から記録されたアシナガバエ科の種について、目録に掲載されていない種を別サイトでまとめました。疑問種の記録等も含めていますが、ご参考までに。 http://goo.gl/vDltZ6
Tatz様.
確かに目録では,記載年と原記載(出典文献名)共に,1935と誤記されていますね. 御協力ありがとうございます.
ハナアブ科でミスを見つけました.すみません.
Paragus clausseni Mutin, 1999 誤)Type locality: Blagodatnoye, (Russia). 正))Type locality: Blagodatnoye, (Russia) and Fukui, (Japan). Pagagus fasciatus Coquillett, 1898 シママメヒラタアブ 誤)分布:本州,四国,九州; ロシア極東部(沿海州). Distribution: Honshu, Shikoku, Kyushu; Primorye. 正)分布:本州,四国,九州. Distribution: Honshu, Shikoku, Kyushu. となります.
達磨さんへ:
本掲示板で訂正などの指摘を受けた部分は、その科等の著者に早めに確認してもらって、訂正などを最終確認するようにお願いします。
ムシヒキアブ科での疑問点.
ヤマトイシアブの属は? 新訂大図鑑では,Choerades yamatonis (Matsumura) 昆虫目録では,Laphria yamatonis Matsumra 元の属に戻ったのでしょうか?
ムシヒキアブ科で,
P.406 Neoitamus fertilis Becker, 1925 分布が本州・四国となっているが,基産地が台湾である. 東洋区のカタログ(P.146)を見ると,基産地の台湾だけ記録されている.
みなさま おはおうございます.
ニクバエ科で訂正があります. ホオザワニクバエの学名の種小名がhozawaiiになっていますが,hozawai (iが1つ)です.
みなさまこんばんは.
小出しですみません.日本昆虫目録双翅目のニクバエ科で訂正です. ハチノスヤドリニクバエの学名の種小名polydon→polyodonでお願いします.
ヤドリバエ科で気づきました。
ブランコヤドリバエ属Exoristaですが、Phylogenetic relationships of subgenera of the genus Exorista Meigen, with a revision of the Japanese species (Diptera: Tachinidae). Tachi et Shima, 2008. Entomological Science 11:419-448.では日本産13種を扱っていますが、目録には10種しか載っていません。 この論文が反映されていないのではないでしょうか。
ハナアブ科で,下記の種類の分布が抜けていましたm(__)m
P.521 Chalcosyrphsu ambiguus クロハラナガハナアブモドキ 四国(高知,Paratype) Chalcosyrphus frontalis ハラアカハラナガハナアブ (モンキナガハナアブ) 大隅(屋久島[桂, 2000]) P.522 Chalcosryphus docolor フタイロハラナガハナアブ 四国(愛媛[大原, 2000]) Chalcosyrphus nipponicus ヤマトクロハラナガハナアブ 九州(福岡[高倉, 1983]) Chalcosyrphus latifrons スカシバクロハラナガハナアブ 九州(福岡[高倉, 1981]) 大原賢二・山本栄治, 2000. 小田深山のハナアブ科. 小田深山の自然II 907-931. 桂 孝次郎, 2000b. 屋久島のハナアブ科調査報告 はなあぶ 10:88-94. 高倉康男. 1981. 福岡県のハナアブ(1). 北九州の昆虫. 28(3):143-151. 高倉康男. 1983. 福岡県のハナアブ(4). 北九州の昆虫 30(1):27-33, Pl.2.
ミバエ科でひとつ疑問点があります。
p.574のクロハスジハマダラミバエの学名はAnomoia purmunda (Harris, 1782)とありますが、ネット検索ではAnomoia purmunda (Harris, 1780)がPreferred だと出てきます。 似通った学名に Anomoia permunda (Harris, 1776 ) Musca purmundus Harris, 1780 Musca permundus Harris, 1782 などがあり、みんなシノニムのようです。 本種の記載年は何が正しいのでしょうか?
田中川様.
HarrisがDipteraを記載した”An exposition of English insects”は1776年から1780年頃まで5分冊で出されたシリーズのようです(銅版画と解説頁). 残念ながら,各巻の発行年がはっきりしないので,命名年に[1780]と角かっこが付けられることが多いようです. 昨年発行された昆虫目録で,命名年が1782とされていたのは,何か新たな発見があったのかもしれません. なお,ハナアブ科では Xanthandrus comtus (Harris, [1780]) ヨツボシヒラタアブがあります.
茨城@市毛様。
記載文献について詳しく教えていただき、ありがとうございます。 何か新しい発見が気になるところですが・・・・・
ハナアブ科で追加です.
P492 brevipila Shiraki, 1968 シコククロハナアブ が重複してました. これは,P493-4でCh. jozankeianaのシノニムとしてあります.
ハナアブ科で追加です.
Heringia(Neocnemodon) Н. (N.) tsherepanovi ヨコハマクロコヒラタアブ Mutin, 1988, Nov Maloizvestiye Vidy Fauny Sib. 20:130 (Neocnemodon). Type loaclity: Primorye Territory. 分布:北海道; ロシア.Distribution: Hokkaido; Russia. 飯島一雄・川原 進, 2009. 北海道東部の双翅目-ハナアブ科(2). 標茶町郷土館報 21:79-99.
ハナアブ科で和名の修正です.
P.520 Chalcosyrphus shirakiiの和名がツヤモンハラナガハナアブとなっていますが,アシマダラハラナガハナアブの間違いです. はなあぶNo.41のChalcosyrphus属の解説も,この目録を参考に執筆した為,同様に間違っています.
ハナアブ科で和名の修正です.
P.505 エヒメマドハナアブ(エヒメハイジマハナアブ)となっていますが,エヒメマドヒラタアブ(エヒメハイジマハナアブ)の間違いです. また, P.504 Sphegina ozeensisの分布が本州(栃木,東京)となっていますが,正しくは本州(栃木,群馬,東京)です. ヒゲナガハナアブ属で追加. P.484 shirakii Matsumura 備考: Suk&Han(2013)でC. sapporenseのシノニムとされた. 新記録 Chrysotoxum graciosum Violovitsh, 1975 Violovitsh, 1975, Nov. mal. vidy Fauny Sibiri. 9:80 (Chrysotoxum). Type locality: Primorskiy Kray, Eastern Siberia, Russia. 分布: 本州,九州; 韓国.ロシア極東部. Distribution: Honshu, Kyushu; Korea, Russian Far East. Sang-Wook Suk & Ho-Yeon Han, 2013. Clarification of previously confused Chrysotoxum sapporense and Chrysotoxum graciosum (Insecta: Diptera: Syrphidae) in East Asia based on morphological and molecular data. Animal Cells and Systems 17(4):277-289. Sphegina属のhennigiana Stackelbergの備考で”S. thoraciacaと同種の可能性がある”と記してありますが,”S. elongataと同種の可能性がある”の誤記です.
ツリアブ科.
P.394 Systropus excisus yaeyamaensis ヤエヤマハラボソツリアブ の命名年が間違っています.1952=>1991 subsp. yaeyamaensis Nagatomi, Liu, Tamaki et Evenhuis, 1991 ヤエヤマハラボソツリアブ Nagatomi, Liu, Tamaki & Evenhuis, 1991, South Pac. Stud., 12: 52 (Systropus). Type locality: Nakamagawa-rindo, Iriomote I. ついでにArgeさんが指摘していたタイワンハラボソツリアブも書いておきます. liuae Nagatomi, Tamaki et Evenhuis, 2000 タイワンハラボソツリアブ Nagatomi, Tamaki and Evenhuis, 2000, South Pacific Study 21:15-18 (Systropus). Type locality: Honshu (Saitama) あ,nitobei Matsumura, 1916 ニトベハラボソツリアブも, Type locality: Hok. => Hokkaido ですね. ついでに luridus Zaitzev, 1977 キムネハラボソツリアブ Type locality:Russia(FE). を追加. limbata (Coquillett, 1898) スキバツリアブ Type locality: Not cited. => Japan. に変更. Anthrax putealis Matsumura, 1905 ツマアキツリアブ Type locality: Not cited. => Japan. に変更.
Argeさま
みなさま こんばんは. いまさらですが,日本昆虫目録のニクバエ科で訂正を発見しました. 第2部 818ページ,下の方 Hoplacephala → Hoplocephala と思います. ちがっていたらすみません. よろしくお願いします. |
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