「昆虫相解明暗黒地帯 東京都」に一筋の光を照らすTKM(東京都本土部昆虫目録作成プロジェクト)事務局からお知らせです。
かねてより公開中の東京都本土部昆虫目録(http://homepage3.nifty.com/TKM/)で東京産双翅目が1000種を突破しました。もちろん島嶼部もsp.種も含まない純度100%の1005種です。県単位で1000種を越えたのは埼玉県に続いて2番目だと思います。 更なる躍進を目指して近県(埼玉、神奈川、栃木)と科単位の比較を試みました。名づけて ★双翅目1000種突破記念「4都県双翅目科別種数リスト」 http://homepage3.nifty.com/TKM/page006.html 1000種の大台を越えたとはいえ、チョウバエやブユが1種もなかったり、ガガンボやオドリバエのような大きなグループが貧弱だったりでまだまだ増える余地があります。1県に2000種位の双翅目がいると予測されますが当面は1200種くらいが次の目標です。
TKMスタッフとしてコメントします。
双翅目はおかげさまで夢の1000種オーバーを達成できたのですが、これは多分に皇居や赤坂御用地、あるいは多摩川といったユスリカ、キノコバエ、ショウジョウバエ、ハモグリバエ、キモグリバエ、ヤドリバエのような同定困難グループについての日本のトップクラスの研究者によるリストが存在していたことにつきると思われます。 ただし、各科について見てみると、ヤチバエ科は1種だし、ミバエ科も山地性の種はあまり記録されていないし、ガガンボ科やミズアブ科やヒロクチバエ科やミギワバエ科などまだまだ簡単に種の追加ができそうな科はいくつもありますので、今後はそれらの種の追加や記録の古い種の再確認などに努めていきたいと考えております。 ということで、東京都の双翅目についての情報は、いつでもかまわないのでご教示していただけるとありがたいです。 ケンセイ@自分で採集した東京都の双翅目標本の整理が先決
ケンセイ様、御無沙汰しております。
1000種突破おめでとうございます。 ところで、目録にコモンマドヒラタアブが抜けていると思うのですが?(see はなあぶ No.19 P26) それと、今年からガガンボ類にも力を入れ始めたのですが、Alexanderが記載した標本で、基産地が東京駒場や目黒・渋谷・多摩川or玉川などがあります。 Nephrotoma microcera Alex. 1921 Komaba. Tokyo Tipula(Lunatipula) manca. Alex 1924(=terebrina Alex. 1920 Meguro. Tokyo Tipula(Platytipula) nipponensis Alex. 1914 Nakano. Tokyo Tipulodina joana (Alex. 1919) Tokyo. Meguro Dicranota(Dicranota) nipponica Alex. 1919 Meguro. Tokyo Dicranota(Rhaphidolabis) flavibasia (Alex. 1919) Meguro. Tokyo Adelphomyia pilifer (Alex. 1919) Meguro. Tokyo Eloeophila subaprilina (Alex. 1919) Meguro. Tokyo Cladura autumna Alex. 1920 Meguro. Tokyo Arctoconopa bifurcata (Alex. 1919) Meguro. Tokyo Erioptera(Erioptera) orientalis Brun. 1912(=dictenidia Alex. 1921) Shibuya. Tokyo Scieroprocta cinctifer (Alex. 1919) Meguro. Tokyo Symplecta(Psiloconopa) verna (Alex. 1920) Tamagawa. Tokyo Molophilus(Molophilus) trifilatus Alex. 1920 Meguro. Tokyo Ormosia(Ormosia) takahasii Alex. 1919 Meguro. Tokyo Ormosia(Ormosia) tokionis Alex. 1919 Meguro. Tokyo Ormosia(Parormosia) diversipes Alex. 1919 Meguro. Tokyo Ormosia(Parormosia) diversipes Alex. 1919(=atripes Alex,1919) Meguro. Tokyo Dicranoptycha(Dicranoptycha) yamata Alex. 1919 Meguro. Tokyo Helius brevioricornsi (Alex. 1920) Meguro. Tokyo Antocha(Antocha) satsuma Alex. 1919 Meguro. Tokyo Dicranomyia(Dicranomyia) frontalis (Sta. 1840)(= immodestoides Alex. 1919) Meguro. Tokyo Dicranomyia(Glochina) basifusca Alex. 1919 Meguro. Tokyo 旧北区のカタログを、AcrobatでOCRしたものを、文書内検索しただけで結構出ましたので、人間が見ればもっと見つかると思われます。(今年恐ろしいことをやっています。Vol.1-11までタマバエやユスリカ・ブユを除いてほぼ完了。12-13はパス!) もーだめ・・・疲労困憊(~_~;)
>ところで、目録にコモンマドヒラタアブが抜けていると思うのですが?(see はなあぶ No.19 P26)
すみません。はなあぶは新しい号が出るたびにチェックしているのですが見逃していました。失礼しました。高尾山のデータですね。 Alexanderの文献はきっと東京の記録があるだろうなと思っていましたがやはりかなりあるようですね。 1200種という目標は志が低すぎるような気がしてきました。
茨城@市毛さん>おそろしいことって・・・まさか九歩九九の双翅目のカタログ全部ぺでふファイルにするってんじゃ〜・・・恐ろしい・・
追伸、1種発見。
キモグリバエ科 Gaurax longipalpis Kanmiya, 1983 Mt.Takaosan, Tokyo, Honshu (1 6,24.v. 1969, K. Kanmiya) Ref. Kanmyiya(1983)A systematic study of the Japanese Chloropidae P.118
再び、追加記録発見
Ceratopogonidae Bezzia(Phaenobezzia) kitaokai TOKUNAGA 1963: Type-locality: Kokubunji, Kitatama (Tokyo). Simuliidae Gomphostilbia mie (OGATA et SASA,1954):Type-locality: "Mt. Takao, near Tokyo" 丹念にやればもっと出ますね。
市毛様、どうもです。
Alexanderの記載種チェックありがとうございます。 私はガガンボに取り組みたいと思っていながら未だにAlexanderの記載論文類は未入手です(というかまだ取り組める環境ではないので未入手を言い訳にしています・・・)。 もし記載論文類が入手できたら教えてください。 ケンセイ(Nephrotoma属とクシヒゲガガンボ類くらいは整理したいなあ)
市毛様、情報ありがとうございます。
記録の出典ですが、キモグリバエについては分かりました(Mem. ent. Soc. Washi.11:1-370)が、Ceratopogonidae(ヌカカ科:TOKUNAGA 1963)とSimuliidae(ブユ科:OGATA et SASA,1954)についてはわかりませんので教えていただけるとありがたいです。掲載誌、巻、号、頁だけでタイトルは省略していただいてもけっこうです。
TKM事務局様。
Ref.を書くのを忘れていました。 Tokunaga 1963 Some Japanese biting midges breeding in paddy-field water. Scient. Rep. Kyoto Pref. Univ. Agric., 15: 37-49. Ogata, K. and Sasa, M. 1954 Taxonomic notes on Simuliidae or black flies of Japan, with special references on the subgenera Eusimulium Roubaud and Nevermannia Enderlein (Diptera). Jap. J. exp. Med., 24(5): 325-333 (In Japanese).
市毛様
出典文献ご教示ありがとうございます。Tokunaga,1963はCiNii 論文情報ナビゲータからPDFでダウンロードできました。 ケンセイ様 >私はガガンボに取り組みたいと思っていながら(中略) >未入手を言い訳にしています・・・)。 ふふふ、ということは入手できればやるということですね。お楽しみに。
TKM事務局殿(私もスタッフなのですが・・・)
>ふふふ、ということは入手できればやるということですね。お楽しみに。 えーーーっと、論理的に解釈すればそーーゆーーことになりますね(^^;;;;;;;; まあ東京都のガガンボ整理をするということで。
市毛さんに教えていただいた以下のヌカカ論文を読んでみたら、すごい。水田で記録されたヌカカ全12種のうち、東京産がなんと10種も!場所はすべて東京都国分寺です。・・・・あれ、誰かが前に住んでたところじゃないですか。40年前はヌカカの宝庫だったか・・・・。
・Tokunaga 1963 Some Japanese biting midges breeding in paddy-field water. Scient. Rep. Kyoto Pref. Univ. Agric., 15: 37-49. 上記論文はPDFファイルが以下のサイトで入手できます。 ●論文情報ナビゲータ 国立情報学研究所 http://ci.nii.ac.jp/cinii/servlet/CiNiiTop# 無料のもの、有料のもの、本文が読めるもの、読めないもの、いろいろあります。昆虫学会の「昆虫」は無料で読めますが、双翅目の重要文献が多い「衛生動物」は有料です。登録料が\2100+従量制1頁当たり¥10-20、その学会の会員には割引あり、とかそんな感じです。
希少科ネタ。
・トナカイバエ(ウシバエ科) 多摩動物公園 ・サイヤドリバエ(ウマバエ科) 上野動物公園 日本の有害節足動物 P.179 |
2005年もあとわずかになってまいりました。
本年もいろいろとお世話になりました。ありがとうございました。 アクセス解析によりますと、本年当ホームページに5万件近いアクセスがあったそうです。 双翅目Web図鑑、ニクバエネット、ハナアブネットに関してはまじめに・・まじめに・・それ以外ページについては図鑑にも出てないような情報をのせつつ、まじめに最後はオトす・・を編集方針にいっそうサイトの充実を図りたいと思います。 よいお年をお迎えください。 ハエ男 |
事後承諾になっちゃいますが、市毛さん作成のハナアブ誌の記事タイトル一覧を双翅目Web図鑑の方に転載させていただきました。(市毛さんに拝&敬礼)
Web図鑑の右上に表示される「検索」で検索すると、関連記事タイトル(タイトルにその用語が入ってるものに限る)がすぐにでてくるところが、すごくうれしかったりします。
ハエ男様。
どうぞご自由にお使い下さい。 |
こんちは
並んだ方の画像は、可愛くてすばらしい写真ですね。 この時期に撮られたというのが、また、すごいです。 写真の翅の模様だけから見ると、ムラクモハマダラミバエに良く似て見えます。 http://homepage1.nifty.com/tago-ke2/moyou-hae/kobetu/murakumohamadara-m.htm 成虫越冬のミバエは多いようですが、この子もそうなんですね。 ではまた。
私もムラクモに一票です。
本当に、これはすごい画像だと思います。
バグリッチさん、ハエ男さん、どうもありがとうございます。
ムラクモハマダラミバエと記録させていただきます。 写真は、最初に見つけてから1週間後に撮影した物です。 うまくいけば、冬の間ずっと観察できるかもしれないと期待しています。 |
ハエ男は仮の姿・・・
今日は封印が解けた本当の姿をお見せしましょう・・ 今日と明日だけの公開です。 http://furumusi.aez.jp/a1/xmas.htm いいこと(ご利益)あるかな・・?
が・外人のなまはげさんだったとは・・・◎o◎
み〜ちゃった〜! 毎日巡回してると、いい事あるなぁ!
|
ことしのオーストラリアはハエがごちゃまんと発生してるらしいですね。
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1553567/detail
このハエが、何科のどういうハエなのか報道していないのが悲しいところですね。一般人にとってはハエはハエ以下でもハエ以上でもないのか・・・。
|
Ichige-sam,
http://xespok.net/gallery/Milesiinae/DipteraB_Milesiinae_1000032012 I think this can not be T. apiforme, because this image does not match with http://homepage3.nifty.com/syrphidae1/tribe1/milesiin2.htm at your page. (There is a typos apiform -> apiforme) The most notable difference are the light tarsi on the front legs, but the overall shape and pattern does not match either. Maybe T. bombylans? Thanks for the lots of inofrmation, I try to update my pages with them, but I am quite busy now, I'll move back to Europe tomorrow. Xespok Xespok
Hello.
I had made the mistake in typewrite a scientific name again. It corrects later. There is color variation in the leg of Temnostoma apiforme. Possibly it may be another species. I am investigating the question now. Abdominal form is with my specimen bend. Temnostoma bombylans and T. nitobei is a even slender species, with more yellowish abdominal bands and the anterior portion of wing has a remarkably brown pattern. By the way, the photograph which you took is beautiful and interest. |
ハエ男様、どうもです。
ただいま同定作業の真っ最中なのですが、ここのところクロバエ科のMelinda属、Onesia属、Polleniopsis属の同定がよくわからなくなっており、ほとんどパスしております。もしこれらの属の同定のとっかかりをご存知ならばご教示くださいませ。 ケンセイ@小平市
皆様、どうもです。
♂が採れていたので、ファウナヤポニカを用いて交尾器などを見ながら同定したら・・・・エゾクロバエOnesia hokkaidensisに落ちました。 兵庫県の平地の河川敷なのですが、分布の記録はあるのかなあ・・・・埼玉県昆虫誌Uでは雁坂峠の記録くらいだし、山地性北方系の種のような気がするのですが・・・良くわからないですね(^^;; ケンセイ@クロバエ科のマイナー種群の記録はかなり少ないと思う
頭痛いところですね。(かなり微妙なので私も頭痛めてます。)
わたしは困ったときは中国動物誌 昆虫鋼 第6巻 双翅目 麗蝿科をとりあえず見ます。 F.J.C.当時とは学名の移行が起こってるのですが、これは見るとわかりますのでおいといて・・・・ Onesia、Pollenia、については外狭子(of)の側面からのシルエットが異なっているように思います。基部が太いとか、きれいに先端にむけて細くなるとか、中細りだとか、基部付け根の形状が丁寧に描かれてるところをみるとそこが大事なのではないかと思います。 それからOnesiaの顔の頬の部分が大きく3角形ぽくて、先端が後頭部に向けて曲がってるのがニホンクロ、この三角が小さくて先端が後頭部まで達してないのがミチノク、頬が細く、三角形ではなく、複眼の下縁を弧を描くように伸びてくのがエゾってしてます。FJCのp39 こないだ北海道の物件で結構エゾとミチノクが混じってて悩んだ末に交尾器解剖とあわせて、経験的に見出したイメージです。 あと第5腹板も違いがありますね。でも、これは乾燥標本だとちょっときついかもしれません。
兵庫とか岡山って、良い林の縁なんかで山っぽいものが採れたりしますよね・・・
だから、最近クロバエに関しては山地性って言葉が使える種は本当に少ないのじゃないかなって思ってます。 タカネクロバエ以外は低いところでもポチポチ採れる気がするし・・標高500m程度で山地性といわれても・・・気温的には大差ないですし・・・
ハエ男様、コメントありがとうございます。
確かにハエは植食性ではないし、特殊な立地環境や気候と結びつかないことも多いので山地性というのはよくわからないですね。 海浜性というのもよくわからないですが・・・確かにハマベニクバエは浜辺に固有の気がしますがイソニクバエは内陸にも分布しているように思います。ゴヘイニクバエは海浜性? なお、エゾクロバエ同定の根拠ですが、私も交尾器は決め手に欠けたので、FJCのp39のfig.3の顔の無毛部分の形状を決め手にしました。 ケンセイ@小平市
中国動物誌 昆虫鋼 第6巻 双翅目 麗蝿科にもOnesiaの頭部正面の図がいっぱい出てます。
イソニクバエは長野県でも記録があります。 そうですね、ハマベニクバエは確かに海浜の砂浜で採れるので海浜性といえると思います。ゴヘイは・・・?伊良湖岬で採れなかったので太平洋側にいるかどうか・・・まだ結論はだせませんが、いそうもない気がします。
ハエ男様、どうもです。
ゴヘイは日本海側ですか・・・ということはクロマルハナバチやヒメベッコウハゴロモ、ハナバチモドキアブといった連中と同じ周日本海要素なのでしょうかねえ・・・ ケンセイ@周日本海要素の昆虫は珍品が多い |
- Joyful Note -
- Antispam Version -