お尋ねのベッコウバエは、ベッコウバエ科の、
ワタナベベッコウバエNeuroctena ecalcarata (Kurahashi, 1981) ではないでしょうか。 本種はDryomyzaで記載されましたが、Ozerov (1999)などはNeuroctena属にしています(ベッコウバエN. formosaも同様)。翅の横脈に暗条がないこと、腹部基部を除いて背板の大部分が黒褐色である点が本種の特徴です。本種は本州中部の山や北海道の山の材料で記載された種で、私の標本もマウントしたものに限れば山梨の増富や月山のものです(他にもたくさん採集していますがマウントしていないので産地はわかりません)。 原記載は、 Kurahashi, H., 1981. A revision of the genus Dryomyza(Diptera, Dryomyzidae) from Japan. Kontyu,Tokyo. 49(3):437-444. です。CiNiiで無料でpdfがとれます。
アノニモミイア様、確認させて頂きました。ありがとうございます。
あまり珍しい種ではないようですが、平地でも得られるのですね。 WEB上ではいくつかの本種に見える画像がベッコウバエ科の不明種として掲載されているのが見られます。 |
皆さん こんにちは。
ニクバエ科のリストを整理しているのですが、行き詰まりました。 本掲示板からリンクしている“みんなで作る双翅目図鑑”や“皇居の昆虫相”調査資料では、ニクバエ科の部分で かつてのSarcophaginiの多くの属が Sarcophaga属の亜属に変わっており、またいくつもの属がSarcophaga属に置き換わっているようですが、北隆館の新訂昆虫大図鑑では 変更しない扱いになっているようです。 作られた時期が異なっていますので、分類体系の解釈が異なっているものと思いますが、現時点ではどちらの解釈が一般的でしょうか? 問題も残っているのかもしれませんが、リストを整理するにあたり迷っております。 ご教示いただけましたらありがたく存じます。 よろしくお願い申し上げます。
その後 可能な範囲で調べましたが、『古田 治・村山茂樹:ニクバエ科の分類と和名の取り扱いについて(2006)』には現状の取り扱いの複雑な様が記されており、この状況に則って考えて、当面は、同文献が採用したPape.T(1996)の分類を使って整理しようかと思います。
ニクバエ科に限ったことでだけでなく、学名や分類体系は変わることがよくあるので、情報量の少ないアマチュアにはわかりにくくなっていることがしばしばありますね。 ではまた。 |
関東同定会に参加されました皆様、お疲れ様でした。
今回は地元栃木県で開催とのことで、できる限りお手伝いをさせていただきましたが、いたらぬ点がありましたことお詫び申し上げます。 さて、お尋ねさせていただきたいのは、栃木県北部の林道に8月〜9月にかけて設置したマレーズトラップで得られたハエです。アルマンキアブモドキなどとともに3個体捕獲されていました。なさけないことにfamiliyもわかりません。ご教示いただければ幸いです。体長約9mmです。よろしくお願いいたします。
ハネオレバエ科Psilidaeと思いますが、今直ちに正確な同定結果を示すことができません。
アノニモミイア先生
ご無沙汰いたしております。ご返信ありがとうございました。 このハエについて、後程私信させていただいてもよろしいでしょうか?
りゅうひ様。どうぞご連絡ください。
岩佐教授に照会したところ、「Loxocera(Platystyla) sp. near monstrata と思われるが、画像だけでは種名までたどり着けない」とのことでした。興味をひかれたようでしたので、標本送付をお覚悟のうえで、帯広畜大の岩佐教授にご相談なさってはいかがでしょう?
関連文献を入れそこないましたので、載せます。
http://ci.nii.ac.jp/els/110004022061.pdf?id=ART0006278147&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1291688767&cp=
すみません。参考文献の引用に失敗しましたので、6646は削除してください。この文献は、Ciniiのサイトで「 Loxocera Kuril 」で検索すると出てきます。
ezo-aphid様
ご返信誠にありがとうございました。 また、お申し出誠にありがたい限りです。 実は標本は今はアノニモミイア先生の元にあります。 岩佐先生の見解と同じ見解をいただいておりまして、いずれも♀個体ですので、来年またマレーズトラップをしかけて♂個体を得ようと思っています。
りゅうひ様
落着済みとは知らず、差し出がましいことををいたしました。得られているLoxoceraの標本数は、まだまだ少ないようです。発生環境が限られるものなのでしょうかねぇ。
同定結果をりゅうひさんにお知らせして、この場所に示さなかったので、ezo-aphidさんに余計の手数をかけました。
りゅうひさんから送られてきた昆虫は、岩佐光啓氏が記載したLoxocera (Platystyla) monstrataに極めて近縁の未記載種です。L. monstrataとは、 1.体色がほぼ全面的に黒色ないし黒褐色(頬と中胸のkatepisternumが広範に黄褐色)。(L. monstrataでは広範に黄色)。 2.脚は黄色、後脛節の先2/3が暗褐色(L. monstrataでは中、後脛節が淡褐色)。 3.体長が♀で11mm(L. monstrataでは8mm) 4.翅は透明、翅のr-m横脈より先の中室前縁脈から後縁脈にかけて、これらを取り巻くように翅膜は特徴的な褐色条をあらわす(L. monstrataでは翅は透明で淡褐色を帯びる)。 5.翅は8.5mm(L. monstrataでは5.5-6mm) 6.平均棍は黄白色(L. monstrataでは淡褐色)。 の諸点で顕著に異なり、採集時期も8月から9月にかけてで、L. monstrataと同時期であるために、季節型とも考えられません。 なお、Platystyla亜属の模式種であるヨーロッパのL. (P.) hoffmannseggi Meigen, 1826、は胸部が今回の種と同様に光沢ある黒色ですが、本亜属に特徴的な触角刺毛(arista)が白色で白い毛でおおわれ、また第1-3腹節が橙色、さらに触角の基部の2節がかなり長いので、今回の種とは異なります。 3頭とも上記形質を等しく保有しますので、♀のみでも記載可能ですが、りゅひさんの来季の成果に♂の採集を期待してからにしたいと思います。 |
双翅目談話会
第14回 同定会&勉強会のお知らせ 会員の皆様,とんでもなく暑い夏でしたが今年の成果は如何だったでしょうか?恒例になりました双翅目談話会第6回関東同定会を,今年は栃木県立博物館で開催することになりました.何かとお忙しいと存じますが,この機会に,いろいろな標本や情報を携えて,ぜひご参加くださいますようにご案内申し上げます. ◆ 日 時 平成22年11月20日(土) 午前10時より 10:00〜12:00 同定会 12:00〜 1:00 昼食(できるだけ弁当をご持参ください)・休憩 (博物館内にレストランもあります) 1:00〜 3:00 基調講演(中村剛之さんの予定),ミニ講演 3:00〜 3:30 休憩・写真撮影 3:30〜 5:00 1人1話 <ミニ講演を募集しますので,ミニ講演ができる方はメールで伊東まで連絡願います> 伊東のメールアドレス:n-itoh@chiikan.co.jp <懇親会を6:00頃から予定しています(宇都宮駅西口周辺の予定)> ◆ 場所:栃木県立博物館(下図参照) ◆ 持ち物:同定してほしい標本(双翅目)、筆記用具、ルーペ、弁当 ■ 会場 栃木県立博物館 http://www.muse.pref.tochigi.lg.jp/ 〒320-0865 栃木県宇都宮市睦町2-2 TEL 028-634-1311(代) FAX 028-634-1310 JR宇都宮駅から 関東バス市内線(駅西口バスターミナル13番乗り場) 37番「桜通り経由鶴田駅行」または「桜通り経由西川田駅行」で『中央公園博物館前』 (詳細なアクセスについては博物館のホームページなどをご覧ください) ◎宿泊は宇都宮駅西口周辺の以下のホテルが便利です. ホテルサンロイヤル宇都宮028-638-3711 ホテルサンルート宇都宮028-621-3355 宇都宮ステーションホテル028-637-0111 チサンホテル宇都宮028-634-4311 リッチモンドホテル宇都宮駅前028-610-8822 東横イン宇都宮駅前028-624-1045 談話会の行事ですが,会員以外の飛び入り大歓迎です.
皆様,昨日はご苦労様でした.
今回も関東同定会は参加者が30名を越える大盛況でした. 中村氏によるガガンボダマシ科についての基調講演から始まり,日本初記録のツリアブなど色々と興味深いミニ講演等色々な話で盛り上がることが出来ました. 同定会に持ち込まれた標本でも,日本未記録と思われるハナアブ等,色々と面白い種類が見られました. 次回は,来年3月20日に大阪市立自然史博物館で総会が開催されます. また,来年秋の関東同定会は,神奈川県博で行われる見込みです. では,また. |
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