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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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Hilara sp.と思います 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/05/14(Mon) 21:28:05 No.3464  引用 
こんちは。

 埼玉の某所で毎年採れるもので、Hilara ではないかと考えました。
 腹部の根元の2-3節白いので、生時は 特徴的です。

 見た目が変わっているので、種名または ヒントがいただけましたら嬉しいです。

 宜しくお願いいたします。


Re: Hilara sp.と思います 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/05/14(Mon) 23:30:53 No.3466  引用 
小楯板scutellumの剛毛の数を数えてみてください.これが4本でしたら高知県簗瀬から2雌に基づいて記載されたHilara (Hilara) neglecta Frey, 1952です.本種は西日本では5月上旬に発生する低山地ないし山地渓流の最も普通の大型Hilaraです.雄は渓流面で羽化するユスリカやカゲロウなどを捕獲して,前脚第一付節から分泌される糸でくるんで,求愛餌とし,渓流の淵の上空1−2mの高さで直径2−5mの水平円形の群飛軌道で周回飛翔をします.交尾中のペアもこの群飛中か,それよりやや下をゆっくり飛翔します.本種はこの時期にはヤマメやアマゴの好個の餌となり,これらの渓流魚の胃を裂いて見ると本種で一杯の場合がしばしば見られます.
試みにインターネットで「オドリバエ」と検索してみてください.そのほとんどは渓流釣りの人々の話題の項目がです.それほど本種は虫屋より釣り屋に良く知られた昆虫で,これを擬したドライフライさえも作られています.
なお,雄の腹部基半部が白っぽくなる種はほかに,H. leucogyne,H. melanogyne, H. itoiが既知種でして,それ以外に少なくとも日本列島からは5種の未記載種があります.H. neglecta自体も北海道から九州にかけて雄交尾器に地理的変異がありまして,その扱い(亜種とするか異所的な種とするか)はかなり微妙なところです.H. melanogyneとその近縁未記載種(中部山岳で雌の翅が拡大する種)は触角第3節が赤褐色,生時の複眼も赤褐色ですので識別できます(これは黄昏群飛性のためでしょう).他の種は小楯板剛毛が6本以上です.それぞれ求愛餌採取と配偶行動が種特異的で,中には同じ水面を狩りの場とするH. neglectaの雄をもっぱら求愛餌にして,水面上50cm程の高さで距離2mくらいの水平往復軌道で群飛する種もあります.
Hilaraの配偶行動は多様で,行動生態的に大変興味あるところです.群飛を見つけたら,ゆっくり観察すると結構面白いものです.

Re: Hilara sp.と思います 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/05/15(Tue) 21:26:41 No.3468  引用 
アノニモミイア 様
 ご教示 ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

 本種のscutellumの剛毛の数は、画像のように4本でした。(見づらい画像ですいません)
 従いまして、ご教示によりますHilara (Hilara) neglecta Frey, 1952にあたる種であると思われます。
 念のため 触角も画像をつけましたが、触角は赤褐色でした。
 H. melanogyneとその近縁未記載種は、scutellumの剛毛の数は何本でしょうか?今後のために お伺いできましたら ありがたく存じます。

 宜しくお願い致します。
 


Re: Hilara sp.と思います 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/05/16(Wed) 05:16:13 No.3472  引用 
最初に掲載された写真をもっと注意して見るべきでした.H. melanogyneの小楯板剛毛はH. neglectaと同様に4本です.H. melanogyneは触角が赤褐色であるほかに,雄の前脚第1付小節(metatarsus, basitarsus, 1st tarsomere)は脛節先端よりわずかに太い程度で,表現的には円筒型,長さも脛節長よりやや短い程度でneglectaより長く細い,前額(frons)は左右の複眼が極めて接近する為にHilara属としては例外的に狭く,前単眼(中央単眼,anterior ocellus, frontal ocellus, median ocellus)より幅がせまく(neglectaでは前単眼より遥かに幅広い),複眼の個眼(ommatidium)が前方で著しく拡大する,雄交尾器の背板葉(tergal lobe)に長い剛毛を生じる,雌では翅が全面的に暗褐色になる,等の特徴があります.前回の写真でも部分的に重なっているのでやや分りにくいのですが,第1付小節は長く,細く,また交尾器には長い剛毛がみえます.今回掲載された頭部の写真ですと,前額は前単眼より明らかに狭く,以上の特徴から本種は高知県のYanase(魚梁瀬)の栃谷,西川から5雄3雌に基づいて記載されたHilara (Hilara) melanogyne Frey, 1952に同定できます.

H. melanogyneの狩りと配偶行動の詳細は不明です.日中に淵の上で少数の雄が飛翔しているのや,夕暮れの上空にシルエットとしてしか確認できない時間に沢沿いの林道の上空2-3mを飛翔(おそらく群飛)していたのを観察したことがあります.谷沿いの岩陰などからキノコバエなどと驚いて飛び出してくることもあります.複眼が橙色を帯びること,複眼が前額で接近し,個眼が大型化すること,などは夕暮れ活動性との関連があるかと思います.

Re: Hilara sp.と思います 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/05/17(Thu) 21:20:32 No.3476  引用 
アノニモミイア様

 詳しいご解説に 御礼申し上げます。

 Hilara (Hilara) melanogyne Frey, 1952として、記録させていただきます。
 画像が悪い事で、混乱を招き、申し訳ありませんでした。

 しかし、近似種の情報も頂戴できました事、本当に勉強になります。
 残念ながら、狩りや配偶行動は観察できていません。
 是非とも、確認。撮影をしてみたいと思います。

 引き続き、宜しくお願い申し上げます。

ヒライハイジマですか? 投稿者:pakenya 投稿日:2007/05/11(Fri) 11:43:39 No.3457  引用 
こんにちは

最近、カメ板の管理人さんが、「最強・反則技」と評しているCanonのマクロレンズを導入しました。ドでかく撮れます。
最低で等倍、最大で5倍に撮れます。

添付写真は、埼玉県北部の丘陵地で採集したハイジマ系Eumerus♂の第4腹板を5倍撮影したものです。はなあぶ21号に照らすと、ヒライハイジマハナアブのようです。間違いでなければ、関東地方初記録になるのでしょうか?

2004年9月に採集後、タトウに包んだままの状態が悪い標本ですが、軟化展翅しておこうと思います。


Re: ヒライハイジマですか? 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2007/05/11(Fri) 19:53:47 No.3458  引用 
pakenya様。

じゃじゃ馬といわれるレンズを購入しましたね!

腹板が幾分細めに感じますが、後転節突起などの他の特徴も合致しているなら、ヒライハイジマハナアブだと思います。

今のところ、神奈川と千葉からの同定依頼に入っていました。

ハイジマハナアブ類については、関西を中心とした材料で検討したので、他にも数種程度国内に分布していると考えています。

Re: ヒライハイジマですか? 投稿者:pakenya 投稿日:2007/05/13(Sun) 19:22:39 No.3460  引用 
市毛様

交尾器は引き出されていないので見ていませんが、他の外部形態は合致しています。交尾器は軟化してから確認してみます。

関東初ではなかったようですが、今のところ最も北の標本の可能性がありそうですね(群馬県境の神流川河川敷産です)。大事に保管しておきます。

セダカコガシラアブ 投稿者:かりしうす 投稿日:2007/05/08(Tue) 21:54:58 No.3440  引用 
セダカコガシラアブ:Oligoneura nigroaenea (Motschulsky. 1866)
でOKでしょうか?
8. May. 2007
西宮市甲山森林公園にて


Re: セダカコガシラアブ 投稿者:ハエ男 投稿日:2007/05/09(Wed) 05:28:21 No.3442  引用 
セダカコガシラアブ類は現在7種あるはずなんですが、ほとんどが交尾器の精査が必要なのでちょっとなんともいえません。
確率的にはただのセダカコガシラアブである確立は高いと思うのですが・・・

Re: セダカコガシラアブ 投稿者:かりしうす 投稿日:2007/05/11(Fri) 00:47:20 No.3456  引用 
ハエ男さんご教示ありがとうございます.
この時期に山に行くと必ずといっていいほどこいつらに出会えますので,面白い形だと毒ビンにいくつか放り込んでしまいます.でも帰っていざ標本を作るとなるとどうしてよいやら(笑)結局展翅もされない標本をマウントすることになります.

種名を教えてください 投稿者:chochoensis 投稿日:2007/05/08(Tue) 20:19:38 No.3437  引用 
東京都「高尾山」で撮影したのですが種名を教えていただけませんでしょうか。初投稿です、宜しくお願いします。
撮影日:2007−May−7th
体長:約10ミリ・頭から翅の先端まで約15ミリです。


Re: 種名を教えてください 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2007/05/08(Tue) 20:34:19 No.3438  引用 
ヒロクチバエ科Platystomatidaeの1種だと思います。

種名は、詳しい人のコメントをお待ちください。

Re: 種名を教えてください 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/05/08(Tue) 20:57:31 No.3439  引用 
こんちは。

 (詳しくないですがコメントです)
 市毛さんの仰る通り、ヒロクチバエ科ですね。
 Prosthiochaeta sp.までは間違いないと思いますが・・・
 翅がもう少しいい角度から撮れていれば種まで見当が付くと思います。

 別の角度は、ありませんでしょうか?

Re: 種名を教えてください 投稿者:ハエ男 投稿日:2007/05/09(Wed) 05:49:50 No.3443  引用 
ハマダラヒロクチバエ Prosthiochaeta flavihirta Hara 1987ではないでしょうか・・・(比較的新しく発見された種なので九大目録には出てこない種類です。)

ヒロクチバエ科で翅にこの手の斑紋があるのはEuprosopia属とProsthiochaeta属なのですが、画像では頭部の雰囲気はProsthiochaeta属であるように思われます。
Prosthiochaetaのレビジョンでは日本には一種のみが記録されています。

Re: 種名を教えてください 投稿者:chochoensis 投稿日:2007/05/09(Wed) 08:13:06 No.3444  引用 
市毛様、バグリッチ様、ハエ男様、ありがとうございました。「ハマダラヒロクチバエ」とのこと、本当にありがとうございました。1987年の記載なのでしょうか・・・学名まで教えていただき感謝いたします、今後ともご教授願えると嬉しいです。ありがとうございました。

Re: 種名を教えてください 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/05/09(Wed) 21:43:09 No.3446  引用 
こんちは。

 模様の良く見える画像があってよかったです。
 私も、ハエ男さんの意見に賛成です。

 学名のつづりは、Prosthiochaeta flavihirataですよね。
 私は綴りミスが多いので、指摘できるような立場ではありませんが、たまたま気づきました。

 ではまた。

 

Re: 種名を教えてください 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/05/10(Thu) 09:32:00 No.3450  引用 
本種の学名は原記載(Kontyu, Tokyo, 55(4):690)によれば, Prostiochaeta flavihirta Hara, 1987 でして,ハエ男さんの綴りが正確です,なお,著者名の後のカンマが必要ですが.falvi(黄色)+ hirta(毛の生えている)ですから,hirataにはなりません.なお,私の所蔵同定標本と上の写真を比較しましたが,写真の種はハエ男さんの同定どおりでした. 

Re: 種名を教えてください 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/05/10(Thu) 09:45:16 No.3451  引用 
バグリッチさんの指摘されたflavihirataと言う綴りは,良く見ましたら原記載689ページのFigs. 10-13の中で,本種の12.のところで P. falvihirata と綴られています.これは多分原稿のミスか校正ミスではないでしょうか.このような記載の冒頭の綴りと図の説明の綴りが異なる場合,flavihirtaがホモニムにでもならない限り,flavihirataが生きることはないと思います.

Re: 種名を教えてください 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/05/10(Thu) 21:05:06 No.3452  引用 
アノニモミイアさん、ご教示ありがとうございます。
ハエ男さん、失礼致しました。

 1論文中で、異なる綴りがあるとは、思っていませんでした。
 申し訳ありませんでした。

 引き続き、宜しくお願い申し上げます。

Re: 種名を教えてください 投稿者:chochoensis 投稿日:2007/05/10(Thu) 21:31:51 No.3454  引用 
アノニモミイアさん、原記載論文の=学名綴り=まで懇切丁寧に教えてくださり、本当にありがとうございます。とても参考になりました。感謝いたします。今後とも教えてくださるようにお願いいたします。

Re: 種名を教えてください 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/05/10(Thu) 22:54:36 No.3455  引用 
私の方にも入力ミスが二ヶ所ありましたので訂正しておきます(ちゃんと読み直してから投稿しないのでこういうことになりました)

No. 3450の"falvi(黄色)+" は "flavi(黄色)+"の入力ミスです.

No. 3451の2行目,"P. falvihirata" は "P. flavihirata" の入力ミスです.

Leptopeza でいいですか? 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/05/09(Wed) 21:52:37 No.3447  引用 
こんちは。

 5/5に近所で採ったオドリバエです。
 調べてみると、Leptopezaのようです。

 たまたま見つけた文献に Leptopeza flaviantennalisという種の日本の記録が出ていて、よく似ているように思いました。

 以前、アノミモイアさんのコメントで、本属として、
  ・Leptopeza falviantennalis Kato, 1971
  ・Leptopeza flavipes (Meigen, 1820)
  ・Leptopeza borealis Zettererstedt, 1842

 の3種が上がってましたが、明確な識別がわかりません。

 ご教示お願いできましたら、幸いです。


Re: Leptopeza でいいですか? 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/05/09(Wed) 23:24:23 No.3448  引用 
そろそろLeptopezaが出現する季節になったのですね.L. flaviantennalisはどうやらL. flavipesの変異の範囲にはいるようですので,最終的にはシノニムということになると思います.L. borealisは明らかに別種です.両種は以下で区別できます.

1.中型種.触角第3節は黄色.雄の前・中基節は黄色.雌の胸部は広く赤褐色ないし橙黄色,通常中胸背板に1対の大型楕円形の黒紋を持つ・・・・・・・・・・L.flavipes
  小型種.触角第3節は黒褐色.雄の前・中基節は黒褐色(雌では黄色).雌の胸部は広く黒褐色. ・・・・L. borealis

(訂正しました.最後の学名が. boreali で s が抜けていましたので付け加えました). なお,L. flaviantennalisとL. flavipesの関係はThe Empidoidea (Diptera) of Fennoscandia and Denmark.IIの217ページでChvalaが述べています.また,脈相がLeptopezaに類似したOcydromia属は日本に少なくとも3種,また,北欧などにいる稀種のLeptodromiella属も複数種日本に分布していて,これはしばしばまとまって採集できます.主に森林の地表で生活していて,やや裸地気味の場所を掬うとこの時期採集可能です.翅の基部が細いこと,触角刺毛が淡色で太く,微細な毛を生じることなどで,中室からM2, M3+4の2本の脈しか出さない類似した脈相(Hybos, SynechesではM1とM3+4脈が残り,M2が消失)の前2属と異なります.後一つ未記載属で腹部の骨化がつよく,微細な点刻が刻まれたものも1種日本にいます. 

Re: Leptopeza でいいですか? 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/05/10(Thu) 21:13:51 No.3453  引用 
アノニモミイア様

 区別点のご教示に 深く感謝申し上げます。

 L. flaviantennalisが、L. flavipesの変異とは、新たな情報です。大変勉強になります。

 いろいろな種が採れると、ワクワクします。難しいですが、本当に 面白いです。

 今後とも 宜しくお願い申し上げます。

クチキカ 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2007/04/19(Thu) 07:38:53 No.3385  引用 
今年も、山から広葉樹材を拾ってきました。

先日、クチキカの1種が出てきましたが、昨年とは別の種類のようです。小楯板は黒色で、翅が曇り、メスの産卵管は伸張していない?ので、昨年の不明種と同じかもしれません。

茨城県北部ブナ・ミズナラ林内。体長約6mm。


Re: クチキカ 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2007/04/19(Thu) 07:39:47 No.3386  引用 
同メスです。

Re: クチキカ 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2007/04/19(Thu) 07:41:33 No.3387  引用 
朽木と脱皮殻

Re: クチキカ 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2007/04/19(Thu) 07:50:07 No.3388  引用 
朽木から掘り出した脱皮殻です。

朽木は、表面1cmより下は非常に固い材なので、幼虫の脱皮殻までは辿り着けませんでした。(穴は垂直に開いています)

1週間ぐらい様子を見て、脱出が終わっているようでしたら、材を割ってみようと思います。


Re: クチキカ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/04/19(Thu) 13:31:43 No.3390  引用 
市毛さん,今年は期待していたのですが,ついに雄を出しましたね.すごいですね.間違いなく昨年の2雌と同種です.それに今回は蛹も得られたので,さらに所属がはっきりすると思います.蛹の呼吸管が波打つ形状からすると,Axymyia-Mesaxymyia系列のもののようです.Mesaxymyiaですと幼虫の鰓が2対,Axymyiaでは1対で櫛歯状になっていますので,あとは幼虫の脱皮殻を抜き出せばわかります.時には複数種が1本の朽木から出ますので,蛹殻とそれが出た穴が対応するようにマーク(番号を書いたマチ針をさすとか)しておいた方が幼虫の脱皮殻との対応が可能です.

それにしても発生期がかなり早いですね.

Re: クチキカ 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2007/05/06(Sun) 19:01:25 No.3432  引用 
やっと時間が出来たので、幼虫の脱皮殻を発掘してみました。

朽木は直径が約10cm程で、脱皮殻は表面から約2cm程の位置に本体がありました。

彫刻刀で、材の柔らかい部分を抉り取るように削ってみました。

標本と脱皮殻は、アノニモミイアさん宛てに、近日中に発送します。


Re: クチキカ 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2007/05/06(Sun) 19:04:30 No.3433  引用 
脱皮殻表面に菌糸のようなものが巻きついています。

Re: クチキカ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/05/07(Mon) 13:24:32 No.3436  引用 
坑道が良く見えるように削られましたね.材が硬い場合には幼虫の脱皮殻を残した状態で削るのは中々難しいものです.

それにしても,かなり浅い位置に幼虫の脱皮殻があったのですね.直径が10cm位ですと坑道そのものの深さもあまりないことになります.ハルカ,キノコバエモドキやキマダラガガンボなど材穿孔性の幼虫は明らかに材そのものを食っていて,その糞も坑道に詰まっているのですが,クチキカはその気配が非常に少なくて,且つ口器も材を粉砕する構造がないので,食性が未解決です.盛夏から晩秋にかけての成長した幼虫を採集して,消化管の中身を調べれば分るかと思いますが,発生木が羽化が始まらないと中々確認しがたいのが難点です.

幼虫の脱皮殻が分りましたので,属の位置もはっきりすると思います.市毛さんご苦労様でした.

Re: クチキカ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/05/10(Thu) 09:19:55 No.3449  引用 
市毛さんからお送りいただいた幼生期や雄の検討の結果,本種はMesaxymyia属に含まれる可能性が高く,またクチキカ科としては未記載種であることが明らかになりました.本種に良く似ていて触角がかなり短く,やや大型の種が九州の山地に生息しています.水辺の時々増水した時に水をかぶるような朽木に幼虫が生息していますので,このような材を野外から持ち帰ったときには,本科の羽化に注意してください.今から1ヵ月くらいが成虫の発生期です.これら2種のほかに,”Axymyia" japonicaのように雌の産卵器が長く伸びるタイプの種が日本列島にはこれを含めて3種生息しています.

画像の追加をさせてください 投稿者:chochoensis 投稿日:2007/05/08(Tue) 22:49:26 No.3441  引用 
種名の判らない「ハエ」の翅の画像を追加でお送りいたしますので、市毛様、パグリッチ様、どうか宜しくお願いいたします。

複雑なゲニのオドリバエ 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/05/06(Sun) 14:50:27 No.3429  引用 
こんちは。

 このオドリバエの個体は、翅の状態が悪く、翅葉腋やCuあたりが良くわからないため、属も不安ですが、苦し紛れにParathalassium属にあたりをつけました。

 小型ながら、複雑なゲニです。
 この属でよいかどうか、おわかりになりますでしょうか?

 画像もイマイチで、すいません。
 ご教示 お願い致します。


Re: 複雑なゲニのオドリバエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/05/06(Sun) 16:50:40 No.3430  引用 
これはHeleodromia japonica Saigusaの雄です.ほかに日本から3種(いずれも本州の山地や北海道の高山地)が記載されており,未記録ですが欧州に分布する模式種のH. immaculataも大雪には棲息しています.いずれも路傍(露地)のじゅくじゅく湿った地面に棲息し,多分幼虫もそのような場所にいると思います.本種は北海道から九州まで平地から山地に普通の種です.Saigusa (1962)に日本産の論文があり,交尾器の解剖図も出ています.属としては亜寒帯ー寒帯性のもので,本種の分布は例外的に暖地に偏っていますが,夏季には平地では見られません.

Re: 複雑なゲニのオドリバエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/05/06(Sun) 17:18:16 No.3431  引用 
先ほど書き忘れたのですが,Parathalassius属はHeleodromiaと違ってもっぱら海岸の砂浜に生息します.波が引いた後の湿った砂の上などを歩いていたり,コウボウムギやハマニンニクなど草本の茎や葉に止まったりしています.Thalassaが海の意味ですので,これから命名されたのでしょう.本属は日本に数種棲息していますが,いずれも未同定種です.利尻島にいるThalassophorusも海岸の礫のある場所で,アシナガバエ科のイソアシナガバエ類Conchopus & Acymatopusなどと同じような生活をしています.これはParathalassiusやMicrophorellaに近縁のオドリバエで,どちらかと言うとアシナガバエの系統の基部にあたるようなもののようです.

Re: 複雑なゲニのオドリバエ 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/05/06(Sun) 22:44:53 No.3434  引用 
アノニモミイア様

 詳細のご教示 本当にありがとうございます。
 Heleodromiaに行き着かなかったのは、『双翅目昆虫の検索システムに関する研究』の検索表のkeyの『翅の2つの基室は非常に小さい←→通常の大きさ』で、間違えたようです。

 ここを越えれば行き着けたのですが、まだまだ勉強不足でした。
 
 しかし、種名(Heleodromia japonica Saigusa)までわかってしまうのですね。驚きです。
 確かに、湿地で採集しました。

 Parathalassius属は今後、海岸へ行く際には注意したいと思います。 
 
 これらの種とは別に、何度か通っている場所で毎年採れるオドリバエがいるので、改めまして、画像をアップしてみます。

 引き続き、宜しくお願い申し上げます。

Re: 複雑なゲニのオドリバエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/05/07(Mon) 12:19:07 No.3435  引用 
Heleodromia japonicaは下の写真の交尾器の最上部に鉤型の突起が1対見えます.これは第9腹節背板(epandrium)の突起でして,このように細く鉤型に曲がって,数本の刺毛を生じていて,交尾器が大型なのは日本産では本種だけですので,同定可能です.H. minutiformisもやや同じ構造をしていますが,交尾器がはるかに小型です.

ハナアブ苦手です。 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/05/04(Fri) 22:30:24 No.3426  引用 
こんちは。

 ハナアブが苦手な私ですが、Pipiza sp.と思われる種を採りました。

 ハナアブのゲニにしては、目だった形態でしたので、誰かに教えてもらおうと、アップしました。

 この子が どの子にあたるか ご教示お願いします。


Re: ハナアブ苦手です。 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2007/05/04(Fri) 23:12:34 No.3427  引用 
バグリッチ様、御無沙汰しております。

これは、Pipizaではなく、クロケコヒラタアブPsilota nigripilosaです。

現在、ケコヒラタアブ属Psilotaは日本に3種分布しています。
P. nigripilosa以外は、大陸と共通の種類です。
旧北区のPsilotaのRevisionが出たら、学名を公表できる予定です。

残念ながら、P. nigripilosaが各地に多産する以外はきわめて稀な種類のようです。
触角第3節が円形の種類(P. brevicornis Holotype)は、タイプ標本の1頭だけしか見たことがありません。
第3節がやや長めの種類(P. brevicornis Paratype, P. brevicornis sense Ichige,2004)は、きわめて稀に採れるようです。

ヨーロッパのP. anthracinaは、QuercusやFicusの樹液に住むようです。

こちらでは、ほぼカエデの花以外で見たことがありませんが、一度だけクヌギ?の樹液が枯れた場所でメスを採りました。

Re: ハナアブ苦手です。 投稿者:バグリッチ 投稿日:2007/05/05(Sat) 21:24:39 No.3428  引用 
市毛様

 早速のご教示 ありがとうございました。
 ハナアブはあまり採れないので、苦手が先に出てしまい、実は しっかり検索しないで聞いてしまいました。すいません。

 教えてもらいながら、勉強させていただきます。

 また、是非 お願い致します。
 

 

Lasiopogonその1 投稿者: 投稿日:2007/04/27(Fri) 16:32:34 No.3406  引用 
今年もLasiopogon sp.(種名不明!!)がたくさん出るシーズンになりました。

たいていは地面に止まるハエ類(タネバエか何か)あたりを捕食しているのですが、たまに共食いの場面にも出くわします。食欲の前には、みさかいなどないようで・・・。これは♀が♀に食われてました。


Lasiopogonその2 投稿者: 投稿日:2007/04/27(Fri) 16:35:50 No.3407  引用 
交尾の場面にも時々出会います。

が、このペアはなんか変?。よく見ると片方が半ば砂に埋まったような状態で死んでました。
おそらく、合体して地表に止まったときに、下からアリジゴク(すりばちを作らないタイプ)にやられてしまったのだろうと思います。


Re: Lasiopogonその2 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2007/04/30(Mon) 00:11:55 No.3410  引用 
面白い生態記事ですが反応がないので,一言.と言っても少し長くなりますが.
以前ブータンのトンサというゾン(城)がある集落で採集していたときに,岩肌に静止しているウラナミジャノメ属の1種がいました.採集しようとネットを振ったのですが飛び立ちませんでした.それで,さらにもう一度振っても飛ばないので,羽化直後かなにかと不審に思って近づいてみましたが,飛びません.それで手づかみしたのですが,これがスット簡単には取れません.なぜかとますます不審に思ってよく見ましたら,アリジゴクの1種にしっかり噛み付かれていたものでした.このアリジゴクはその後飼育した結果,日本にもいるコマダラウスバカゲロウの近縁種でした.これら2種は,地衣類などの生えた岩壁上のわずかの窪みに背面が扁平の体をうずめるようにして,しかも背面には地衣類をまぶしたカムフラージュをしていて待ち伏せをしています.
今回の交尾の写真と,その原因の推測を読ませていただいて,上記を思い出しました.世の中どこにどんな敵がいるか,油断禁物というところでしょうか.(コモンをコマダラに訂正しました)

Re: Lasiopogonその2 投稿者: 投稿日:2007/05/02(Wed) 10:37:29 No.3416  引用 
アノニモミイアさん、貴重な体験談をありがとうございます。

岩肌にチョウが貼り付いていたら驚きますね!。コマダラウスバカゲロウは写真でしか見たことがありませんが、見た目は岩肌に溶け込んでしまっていて、よほど注意して観察しないと見過ごしてしまうだろうなと思います。

さて、死因の推測には根拠がありまして、Lasiopogon sp.を観察した直後、同様の環境でジュウジナガカメムシが砂上に磔になっていたのを観察しています。指でつついても動かないので下の砂ごと手ですくい上げたところ、アリジゴクが姿を現しました。というわけで、たぶんこれが原因だろうなと考えた次第です。

件のアリジゴクは正確な同定はしないままリリースしてきてしまいましたが、以前からこのエリアで見かけているコカスリウスバカゲロウの幼虫と思われます。
コカスリウスバカゲロウのアリジゴクは、砂の表面に大あごの先だけ見える状態で待ち伏せしています。また砂の上をかなりのスピードで前向きに歩きます。初めて見たときは、砂地を何か妙なものが歩いているのを見つけ、追いかけて捕まえてみたら、アリジゴクだったので大変驚きました。後ろに下がる時は、他のすりばちを作るアリジゴク同様ゆっくり進みます。

Re: Lasiopogonその2 投稿者: 投稿日:2007/05/02(Wed) 10:41:19 No.3417  引用 
おっと・・・画像を付け忘れましたm(_ _)m。

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