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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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RES Handbookの絶版書がダウンロ... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2013/03/12(Tue) 13:50:17 No.8132  引用 
別件の調べもの中に,下記のRoyal Entomological Society Handbooksの絶版書がPDFで公開されていることを知りました.

Vol 9 Part 1. Diptera - 1. Introduction and key to families. H Oldroyd.

Vol 9 Part 2_1. Diptera - 2. Nematocera: families Tipulidae to Chironomidae (Tipulidae). R L Coe, Paul Freeman & P F Mattingly

Vol 9 Part 2_2. Diptera - 2. Nematocera: families Tipulidae to Chironomidae (Trichoceridae - Culicidae). R L Coe, Paul Freeman & P F Mattingly

Vol 9 Part 2_3. Diptera - 2. Nematocera: families Tipulidae to Chironomidae (Chironomidae). R L Coe, Paul Freeman & P F Mattingly

Vol 9 Part 5. Diptera Orthorrhapha Brachycera - Dolichopodidae. E C M d'Assis Fonseca

Vol 10 Part 1. Diptera. Syrphidae. R.L. Coe

Vol 10 Part 3a. Diptera - Conopidae. Kenneth G V Smith

Vol 10 Part 4a_1. Diptera - Cyclorrhapha. Calyptrata (1) Section (a) Tachinidae and Calliphoridae (Tachinidae). F I van Emden

Vol 10 Part 4a_2. Diptera - Cyclorrhapha. Calyptrata (1) Section (a) Tachinidae and Calliphoridae (Calliphoridae). F I van Emden

Vol 10 Part 4b. Diptera Cyclorrhapha Calyptrata, Section (b) Muscidae. E C M d'Assis Fonseca

Vol 10 Part 5g. Diptera, Section (g) Agromyzidae. Kenneth A. Spencer


入口は下記のURLです.
http://www.royensoc.co.uk/content/out-print-handbooks

昨年に円高で古書を色々と買ったばかりでがっかりです.

ReS Handbookの絶版書がダウンロ... 投稿者: 投稿日:2013/03/14(Thu) 20:36:14 No.8135  引用 
茨城@市毛様

free PDFの情報ありがとうございます。
Muscidaeを見てみましたが、収録されている属が違うと検索の組み立ても違ってくるので面白いと思いました。
日本で記載されていない属などを採集することはあまりないかもしれませんが、
手持ちの資料で行き詰った時などは参考までに見てみるのもいいかなと思いました。

Dichaetomyia 投稿者: 投稿日:2013/03/10(Sun) 12:49:16 No.8126  引用 
またお世話になります。
採集地は愛知県あま市、採集日は2012年12月16日で、体長8[mm]です。
冬でもシラカシの大木に樹液が出ていて、なめにきていました。
12月にハエが採れるというのはうれしいことです。


Re: Dichaetomyia 投稿者: 投稿日:2013/03/10(Sun) 12:50:09 No.8127  引用 
どうやって調べるかですが、先日教えていただいた大学図書館にはまだ行っていません。
利用申請書を顔写真添付で出してその日にはまだ利用できないようですが、
利用証は毎年度更新しなければならず、3月末で期限が切れてしまいます。
4月になったら、天気の悪い日にでも行ってみようと思います。

しかしイエバエ科なら、実は「日本のイエバエ科」を持っています。
写真は、亜科の検索表でも、トゲアシイエバエ亜科の属の検索表でも出てくる、気門の剛毛です。


Re: Dichaetomyia 投稿者: 投稿日:2013/03/10(Sun) 12:51:14 No.8128  引用 
119ページのDichaetomyiaの検索表は、D. japonica ヤマトハナゲバエに行きつくのですが、
ネットで調べると、猫又様がブログに載せてみえたのを見つけ、まさにその通りなのです。
http://nao64s.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-b9aa.html
小盾板の側面と腹面に毛がないことは、Remarksを見ると、他の種との違いの一つになっているようです。
問題の小盾板背面の剛毛がないことについては、自分の標本でもやはりないのですが、
120ページの図でも描かれていないので、それでいいかとも思ってしまいますがよくないでしょうか。


Re: Dichaetomyia 投稿者: 投稿日:2013/03/10(Sun) 12:52:04 No.8129  引用 
第5腹板です。
cerciの輪郭の方はparamereと重なって見えて、この状態ではわかりにくいです。


Re: Dichaetomyia 投稿者: 投稿日:2013/03/10(Sun) 12:52:53 No.8130  引用 
展開すると見やすくなりました。
cerciの先端に針をかけて固定しましたが、自分としてはいつも開けるとは限りません。
先ほどの写真よりももっと丸く見えるのは角度のせいかもしれません。
図とは違い、先端はやはりとがっていません。


Re: Dichaetomyia 投稿者: 投稿日:2013/03/10(Sun) 12:53:42 No.8131  引用 
側面から見ると、126ページの図eと比べて、先端は曲がっていません。
逆にparamereのほうは図よりも尖っているように見えます。
aedeagusは先端が隠れてピントもだいぶ外れていますが、今回は文献に図示されていないのであてにしなくてもいいでしょうか。

他に本文を読んで自分の標本で問題なのは、複眼の疎らで微細な毛が見当たらないこと、
R4+5脈の腹面に2,3本の短い刺毛というのが見当たらないことです。
脈の分岐点も見たのですがないようです。
ヤマトハナゲバエにしては細部がつるんとしているということになります。

今後の参考のためにお尋ねしたいのは、もしかしたら日陰にいるグループなのかどうかという事です。
種名に確信が持てないでいて、他には採集していなくて尋ねるのもおかしなことですが、
Dichaetomyia属に見えるハエの写真を他の場所でいろいろな季節に撮影したことが何度かあります。
日陰だったり、夜間の灯火に来たり、日なたのようでも実際には葉のかげにいたりで、いつも撮りづらいような気がします。
習性として直射日光の当たる所にはあまり出てこないという可能性はあるのでしょうか。

よろしくお願いします。
(あまりたくさんはらない方がいいでしょうか)


Re: Dichaetomyia 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2013/03/12(Tue) 14:10:46 No.8133  引用 
大宮様.

手元のD. japonicaやD. bibaxと思われる個体も,皆様同様discal britslesはありません.
しかし,付図に描かれているとおりなので,私も問題ないと思ってます.

また,複眼の微毛は,約30ミクロンほどの長さで,5-7facet毎に疎らに生えてますが,細く淡色の為かなり見辛いです.バックを黒にして,複眼を斜めにみると見えると思います.

Re: Dichaetomyia 投稿者: 投稿日:2013/03/12(Tue) 22:24:42 No.8134  引用 
茨城@市毛様

お手持ちの標本を調べてくださり、ありがとうございました。
小盾板の剛毛について、自分では判断つきかねるところをご意見いただき、ありがとうございます。
複眼の微毛については、再度のぞいてみて、確認できました。思っていたよりももっと疎らでした。今度から気を付けて見るようにしたいと思います。
いくつかつまずいている所が解消でき、ありがとうございました。

近刊、Willi Hennig伝 投稿者:てる 投稿日:2013/02/25(Mon) 18:43:22 No.8122  引用 
http://www.brill.com/taxonomy-phylogenetics-life-and-work-willi-hennig

クラウソンの伝記やったら買うんやけどなあ。R.A.Crowson自身もHennigと同様の方法論(いわゆるCladistics)に彼の著作(1950)を読む以前に到達していたのは、本人が述べているとおり。ただし人にわかるように定式化をしなかった。その自白がうそでもなんでもないことは、「甲虫の自然分類」(1952-)を精読すれば、実地に反映されていることがわかる。一方、同時代の甲虫学者でCrowsonのフリークスは、形式は真似たが、論理の本質が理解できなかったので、提出された仮説は長持ちしなかった。

Re: 近刊、Willi Hennig伝 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2013/02/28(Thu) 10:09:24 No.8124  引用 
久しぶりの「てるさん」.お元気でしたか?ちょっと安心しました.

 原始的であると推定した形質だけを保有することを根拠に,1分類単位を単一完系統群と考えて,ほかの系統群と姉妹群関係にあると推定する思考は,系統発生に対する思慮が浅い現生種分類学者にいつの時代も(今も)広く存在し,この思考に否定的な論理に基づいて実際の分類群の系統推定や理屈を述べた研究者は世界にもまた日本にもいました.Hennigはそれを「マニュアル化」するという「運動」を起こした点が,Phylogenetic Systematics発行後(その前のドイツ語の本や双翅目の翅の進化でも示してあったが)の系統発生学の状況を作り出す出発点になったのだろうと思います.Crowsonも上記研究者の一人だし,「蝶と蛾」12(4):136-138の記述も,いわゆるsymplesiomorphyに基づく系統群形成に否定的な思考を示したものです.これは,平行現象の存在と系統推定に生活史的側面を重視せよ,という主張が表に出過ぎて,上記思考が表面に顕著に現れなかった.

 しかし,Hennigが双翅目の分類学者として,また比較形態学,生物地理学の研究者として培った知見を礎に定式化した思考様式は,holomorphologyを含めて,はたして以降の系統推定理屈に生きているのか,と疑問を持たざるを得ない.系統発生像を推定するのは研究者の頭脳であり,他人の「考案」した系統ソフトに「取り出した”形質”」を入れ込んで得られた「直線画」に満足する浅薄・安易な方法でもなければ,DNAの一部の塩基配列の意義を単純大袈裟に信奉するエセ系統学者の”鶏頭”でもない,と喜寿に近い老兵(老平かな)は思っています.

Re: 近刊、Willi Hennig伝 投稿者: 投稿日:2013/02/28(Thu) 18:39:09 No.8125  引用 
BRILLからカタログが来たので、4月刊行らしいけど、生協で注文してきた。僕の場合、買っても読む時間があるかどうかが問題。

シマバエ科? 投稿者:しぐま 投稿日:2013/02/19(Tue) 21:59:14 No.8115 ホームページ  引用 
皆様こんばんは。
またお世話になります。

大雪の降った後の林道を歩いていたハエです。
1月下旬@山形県・里山の林道


Re: シマバエ科? 投稿者:しぐま 投稿日:2013/02/19(Tue) 22:01:19 No.8116 ホームページ  引用 
その場で採寸

Re: シマバエ科? 投稿者:しぐま 投稿日:2013/02/19(Tue) 22:02:59 No.8117 ホームページ  引用 
腹部に縞模様があります。

Re: シマバエ科? 投稿者:しぐま 投稿日:2013/02/19(Tue) 22:04:21 No.8118 ホームページ  引用 
翅脈。

シマバエ科だと思うのですが、名前が分かるようでしたら教えてください。
ヒラヤマシマバエですかね?
死んだら腹端に黄色い卵塊を付けていたので♀のようです。
よろしくお願いします。


Re: シマバエ科? 投稿者:茨城@市毛 PC電源故障中 投稿日:2013/02/21(Thu) 14:04:21 No.8119  引用 
しぐま様.

しぐま様がHPで書いているように,ナナホシシマバエと呼ばれている種類だと思います.
図の9番がヒラヤマシマバエHomoneura hirayamaeです.
右の10番が本種と同じ斑紋を持つ国後島から記載されたH. insularisで,多分この学名になると思います.

○ナホという文字が含まれると,スパムと判断されるので,フィルターリング辞書を変更しました.


Re: シマバエ科? 投稿者:しぐま 投稿日:2013/02/21(Thu) 21:33:42 No.8120 ホームページ  引用 
茨城@市毛さん、こんばんは。
いつもお世話になってます。
お忙しいところ、翅脈の図まで提示して下さって助かります。
これを見比べると一目瞭然ですね。
ナナホシシマバエ♀(Homoneura insularis)でしたか。
どうもありがとうございました。
ブログでも早速リネームしておきます。

明るい色のクロバエ科 投稿者: 投稿日:2013/02/15(Fri) 20:19:01 No.8100  引用 
またお世話になります。写真のハエの名前が知りたいです。
採集場所は愛知県あま市、日付は2012年12月7日です。体長8[mm]です。
日当たりのいい木の葉の上にもいて、そちらの方が写りは良かったのですが、採集した個体は落ち葉の上にいました。
捕まえてすぐ死なせてしまうのは抵抗があったので、家で飼っていましたが、つい先日死んで標本にしました。


Re: 明るい色のクロバエ科 投稿者: 投稿日:2013/02/15(Fri) 20:20:11 No.8101  引用 
死んだとき腹が膨れ上がっていました。尾角近辺と腹板です。
ピンセットで触る前にこの状態だったので写真に撮りました。
変形などはしていないと思います。


Re: 明るい色のクロバエ科 投稿者: 投稿日:2013/02/15(Fri) 20:22:09 No.8103  引用 
全体像からではわかりにくいですが、
後気門の下に列になった剛毛があり、
後小盾板は膨らまず、
外側の肩後剛毛が横線前剛毛よりも外側にあり、
背側剛毛は2本なので、
クロバエ科なのは間違いないと思います。


Re: 明るい色のクロバエ科 投稿者: 投稿日:2013/02/15(Fri) 20:23:12 No.8104  引用 
ゲニタリアを引き出してつながったまま乾燥標本にしたかったのですがうまくいきませんでした。歪んだりちぎれたりしました。
膜質や水分などでよく見えなかったので、台所用漂白剤に水酸化ナトリウムが入っているものを薄めて浸してみました。
以前にアノニモミイア様がキッチンハイターに言及されましたが、メーカーは違いますが使ってみました。
中和は食用酢を、グリセリンは皮膚のあかぎれにつけるものを使いました。
かなり色が抜けてしまいました。もっとかっこよくできるとよかったのですが。

ParadichosiaやMelindaに似ていると思ったのですが、どうでしょうか。


Re: 明るい色のクロバエ科 投稿者: 投稿日:2013/02/15(Fri) 20:23:57 No.8105  引用 
Melinda属は下記の文献を見ました。

加納(1962)
日本産ハエ類の研究 : クロバエ科 Melinda 属の 3 新種について
衞生動物 13(1), 1-6, 1962-04-05

6種の対応表があります。自分の標本の場合、
後iaは2、 前iaは普通の大きさのが1本、
palpusの色の表現は微妙で、 翅の色の違いは分からず、
stは1+1、 脚は腿節も脛節も明色、です。
同時に腹部も明色なのを本文から探しますが、きれいに該当するものがありません。

ちなみにM. itoi によく似た標本は別に持っています。

Re: 明るい色のクロバエ科 投稿者: 投稿日:2013/02/15(Fri) 20:24:51 No.8106  引用 
Paradichosia属は下記の文献を見ました。

Kurahashi(1965)
STUDIES ON THE CALYPTERATE MUSCOID FLIES FROM JAPAN IV :
REVISION OF THE GENUS PARADICHOSIA, WITH DESCRIPTION OF TWO NEW SPECIES (Diptera, Calliphoridae)
昆蟲 33(1), 46-52, 1965-03-20

検索表がありますが、iaは1+2、腹部は黄色、と進みました。
学名についてはいろいろと違うようですが、ウヅキイエバエモドキになりました。
ゲニタリアの図はありません。

しかしこの種は、以前ハエ男様がNo.1150から始まるスレッドで画像をあげてみえます。
尾角の先端が開くかどうかなど、違って見えます。

このようなわけで、わかりません。
ご教示いただけたらと思います。よろしくお願いします。

Re: 明るい色のクロバエ科 投稿者:さんご 投稿日:2013/02/17(Sun) 09:37:36 No.8107  引用 
大宮 様

おはようございます.雄弁翅類の投稿が増えてうれしい限りです.コメントが付きにくい場合が多いですが気にせず投稿してください.

この個体も悩みますね.難しいです.属レベルまではKurahashi1964 Kontyu 32(2):226-232等はご覧になっていることと思いますのでとばして,Paradichosia属(現在はMelinda)までたどり着いたとして,本邦産の本属で腹部が黄褐色ないし赤褐色になるものはウヅキイエバエモドキかツカモトコクロバエということになってしまいますが,ツカモトでは腹部第4,5節は黒いですし,複眼に目立たないですが白い短毛が疎生し,♂の腹部腹側に毛の束があり,脚の色も異なりますのでそれとわかります.この個体ではいかがでしょうか.
問題はウヅキです.この種は大きさも色彩もとても変異に富んでいるようで,腹部のほとんどが黄褐色のものから,かなり黒っぽいものまであります.腹部の正中に縦に走る黒いラインがあるものが多いです.お示しいただいた個体は,文献上はウヅキイエバエモドキにたどり着くかもしれませんが,たしかにちょっと違和感がありますね.胸部側面とくにhumerusがこれほど明色のものは見たことがありませんし,腹部もウヅキの♂としては剛毛が目立たず,斑紋も非典型的です.これが個体変異の範囲に含まれるのかどうかは私には判断がつきません.aedeagusの形は合致すると思いますが,お示しいただいた写真ではsurstylusの形がわかりにくいのでこれも判断しにくいところです.
国外の種類まで視野にいれるべきかもしれないですが,そうなってくると私にはよくわかりません.現時点ではウヅキイエバエモドキの疑いが濃厚,というところではないでしょうか.記録される場合は,お示しになられた参考文献をあげた上で,但し書きでこのような点が非典型的な個体と記しておくのがよろしいかと思います.

いつも役に立たないコメントばかりで申し訳ないです.

Re: 明るい色のクロバエ科 投稿者: 投稿日:2013/02/17(Sun) 13:18:06 No.8108  引用 
大宮様、さんご様、横から失礼します。

腹部第5腹板の後縁がまっすぐに近い形状で、クロバエ科の♂っぽくないので、一瞬ナンダコレ?と思いましたが、それ以外の特徴からするとクロバエ科ですね。

ウヅキイエバエモドキが候補にあげられていますが、ゲニタリアの形状、特にphallusの部分が合わないのでこの種ではないと思います。
ハエ男さんが投稿されたウヅキイエバエモドキの記事では、No.1153の写真の、右側の黒いへら状で先端に透明な突起が出ているように見える部分がphallusです(写真の向きに注意)。http://diptera.jp/usr/local/bin/perl/dipbbs/joyful.cgi?list=pickup&num=1150#1150

文献では、ウヅキイエバエモドキのゲニタリアはFauna Japonica Calliphoridae のFig.14(Plate VII)に図示されてます。

それでは何者か?ということになると、私もわかりません。すみません。

Re: 明るい色のクロバエ科 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2013/02/17(Sun) 13:43:47 No.8109  引用 
大宮様,さんご様,猫又様.

腹板形状は気が付きませんでした.さすが猫又様.

図は,Hori(1961)の腹板と交尾器です.

難しい話になると,ネットに出ていない文献が色々と出てきます.大宮さんがお住まいの愛知でしたら,名城大学の図書館にFauna JaponicaやCatalogue of Palaearctic Diptera, Contributions to a manual of palaearctic diptera 等Dipteraの文献が揃っています.10円コピー機も使えるようなので,一度訪れてみると良いと思います.

Melinda pusillaについては,旧北区南東部から東洋区・オーストラリア区と広範囲に分布する為,大分変異があるようです.
Kurahashi, H. 1970. Tribe Calliphorini from Australian and Oriental regions. I. Melinda-group (Diptera: Calliphoridae). Pae. Insects 12: 519-42.
で,3亜種に言及していますが,交尾器等については全く触れていません.

なお,本種の属名については,中国・ロシアはGymnadichosia属となっています.


Re: 明るい色のクロバエ科 投稿者: 投稿日:2013/02/17(Sun) 17:49:49 No.8110  引用 
皆様、ご回答ありがとうございます。


さんご様
お示しいただいた文献は見ておりませんでした。基本的なところが抜け落ちているようでお恥ずかしいです。
見てみると、検索表の9と11のsuprasquamal ridgeは、今回翅の角度は上向きではないのですが、角度を変えないと見づらいです。
しかしこれは今後も利用できそうです。ありがとうございます。
属の変更についてはきちんとした知識がなく、教えていただいてありがとうございます。
典型的なウヅキイエバエモドキとの違いも示してくださりありがとうございます。


猫又様
違う所を明確に指摘して下さりありがとうございます。
自分のは見にくいですが逆三角のように広がっていると思います。
可能ならFauna Japonicaを見てみようと思いました。


茨城@市毛様
図をアップして下さりありがとうございます。
図書館の情報もありがとうございます。
そして対象地域が広がるとまたいろいろ情報が出てくるんですね。

名城大学付属図書館のホームページで蔵書検索をしました。2番目と3番目はヒットしました。
Fauna Japonica Calliphoridaeは出てきません。シーボルトの日本動物誌が出てきます。自分のやり方が悪いのかもしれません。
(他には中国動物誌がありました)
いずれにしろ行って調べてみたいと思います。各科できちんと属の検索ができればだいぶ勉強になると思います。


今後は見やすい標本を作り、文献を集めてきちんと活用できるようになりたいと思います。
ありがとうございました。

Re: 明るい色のクロバエ科 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2013/02/17(Sun) 18:38:45 No.8111  引用 
大宮様.

確かに,名城大学の図書館のDBでは書名がCalliphoridae(Insecta:Diptera)となっていますね.

この大学は,WebCatやCiniiに加盟してないので普通に検索すると出てきませんが,トゲハネバエなどを研究していた岡留恒丸先生が教鞭をとっていた昆虫学教室があるので文献が豊富なようです.

Re: 明るい色のクロバエ科 投稿者: 投稿日:2013/02/17(Sun) 19:20:33 No.8112  引用 
茨城@市毛様

追加のご説明、ありがとうございました。確認しました。
出かける前に説明を聞けて良かったです。書庫にあるようなので請求しなくてはいけません。

図書館の場所自体も、名古屋なら実際に行くのが簡単です。
ありがとうございます。

Re: 明るい色のクロバエ科 投稿者:さんご 投稿日:2013/02/18(Mon) 11:09:48 No.8113  引用 
猫又 様
茨城@市毛 様

いつもフォローしていただきまして,ありがとうございます.

猫又 様

たしかに,ウヅキイエバエモドキらしくない個体ですね.パッと見ヤドリバエ科かと思ってしまったくらいです.

茨城@市毛 様

いつも貴重な情報をお示しくださってまことにありがとうございます.大変勉強になります.

大宮 様


申し訳ありませんが,そのようなわけでウズキイエバエモドキ(疑い)を撤回して,不明種とさせてください.

Re: 明るい色のクロバエ科 投稿者: 投稿日:2013/02/18(Mon) 20:54:12 No.8114  引用 
さんご様

こちらこそ、限られた情報しかお伝えできない中、真っ先にコメントいただき、感謝と同時に申し訳ありません。
もっと進歩して皆様にあまりご負担をおかけしないよう頑張りますので、今後ともよろしくお願いします。

アカツリアブモドキについて 投稿者:三枝豊平 投稿日:2013/02/06(Wed) 14:20:52 No.8089  引用 
ツリアブモドキ科のアカツリアブモドキの標本をお持ちの方があったらご連絡いただければありがたいです.それと,外観はこの種ににて翅に数個の透明紋を持つ標本をお持ちでしたら同様にご連絡ください.両者の関係を今調べています.

Re: アカツリアブモドキについて 投稿者:さんご 投稿日:2013/02/07(Thu) 11:11:29 No.8090  引用 
三枝様

いつもお世話になっております.

それらしき標本を1個体,知人から託されて保管しています.しかし標本の状態がよくありません.採集者によると,マンションの階段の灯火の下に落ちていたものらしく,泥(油?)が付着していて細部が見にくいです.
原色昆虫大図鑑IIIの記述と一致しない部分もあり,アカツリアブモドキかどうかも自信がありません.
このようなものでよろしければ,お送りさせていただきます.

Re: アカツリアブモドキについて 投稿者:三枝豊平 投稿日:2013/02/14(Thu) 18:28:55 No.8099  引用 
さんごさんのご厚意で標本を調べることができました.アカツリアブモドキとは別種でして,さんごさんが多分「はなあぶ」誌上などに発表されるでしょう.さんごさん有難うございました.

ニホンクロニクバエでしょうか 投稿者: 投稿日:2013/01/18(Fri) 19:15:38 No.8075  引用 
初めて投稿させていただきます。愛知県に住む大宮といいます。
いつも見て勉強させていただいています。ありがとうございます。
趣味で写真を撮っていますが、少しは採集もするようになりました。
ニクバエについては、最近「みんなで作る双翅目図鑑 画像一括閲覧ページ」にたくさんアップされたのでうれしく思っています。

写真の標本ですが、2011年4月24日に、岐阜県海津市の標高100[m]位の所で採集しました。長さは11[mm]です。
素人の絵合わせで根拠はないのですが、ゲニタリアの雰囲気から、Heteronychiaの仲間かと思いました。
CiNiiで検索したところ、検索表が載っている文献が見つかりました。
Kano & Kurahashi (1999)
Discovery of the Female of Heteronychia nipponensis Shinonaga & Matsudaira (Diptera, Sarcophagidae).
Bulletin of the National Science Museum. Series A, Zoology 25(1), 73-77, 1999-03
4種載っていますが、R1脈の背面は裸、♂のepandriumは黒、などの特徴から、
H. nipponensis に行きつきました。今はSarcpphaga (Heteronychia) nipponensis でしょうか。

原記載でしょうか、下記の文献の図も見ました。
Shinonaga & Matsudaira (1970)
Three new species of the sarcophagid flies from Japan (Diptera, Sarcophagidae, Sarcophaginae).
Jan. J. Sanit. Zool.,21;87-90.
挿入器の図ですが、全く同じようには見えないのですが、個体変異の範囲でしょうか。

初心者で自信はありません。ご意見いただければ嬉しく思います。よろしくお願いします。


Re: ニホンクロニクバエでしょう... 投稿者: 投稿日:2013/01/18(Fri) 19:16:35 No.8076  引用 
尾角です。

Re: ニホンクロニクバエでしょう... 投稿者: 投稿日:2013/01/18(Fri) 19:17:33 No.8077  引用 
第五腹板です。

Re: ニホンクロニクバエでしょう... 投稿者: 投稿日:2013/01/18(Fri) 19:18:31 No.8078  引用 
R1脈です。
R4+5脈のほうはピントが外れていますが、合わせると、この倍率で刺毛が確認できました。


Re: ニホンクロニクバエでしょう... 投稿者: 投稿日:2013/01/18(Fri) 19:19:36 No.8079  引用 
生態写真です。

Re: ニホンクロニクバエでしょう... 投稿者:茨城@市毛 再びプロキシ偽装中 投稿日:2013/01/19(Sat) 23:34:39 No.8080  引用 
大宮様.

確かに,Heteronychia属のような交尾器ですね.
あまり採れない種類のようで,私は現物を見たことはありません.さんごさんやハエ男さんが出てこないと難しいと思います.

それにしても,原記載と再記載の図でこんなに変わっているのは困りますね.paramerも大分違いますし,outer forcepも三角形から四角に変わってます(^_^;)

写真のthecaが曲がっているのは,乾燥時の変形ですかね.
極東の昆虫で見ると,こんな感じに曲がるのはH. violovitshiだけですが,inner forcepsの形状が異なります.

Re: ニホンクロニクバエでしょう... 投稿者: 投稿日:2013/01/20(Sun) 06:47:43 No.8081  引用 
市毛様

ご返答ありがとうございます。

>確かに,Heteronychia属のような交尾器ですね.

同意していただけて、少しほっとしています。

>あまり採れない種類のようで,私は現物を見たことはありません.さんごさんやハエ男さんが出てこないと難しいと思います.

ニクバエは交尾器を見れば何とかなると簡単に考えたのが甘かったです。
でも珍しいものが採れたと考えると、うれしいです。
他の方のコメントも待ちたいと思います。

>写真のthecaが曲がっているのは,乾燥時の変形ですかね.

変形については、二度触ったためかもしれません。
実は、標本にして半年以上たってから、正露丸で軟化させています。
最初死んだ時には、尾角の股の間から飛び出る形で挟まっていました。
そのままの状態で針に引っ掛けて開くことしかできなかったので、そのまま固まりました。
だいぶぼけていますが、その時の写真です。
後で柔らかくできることを知ったので、軟化させてから外したのですが、
今思えば無理に力を入れたので曲がったのかもしれません。説明不足でした。
他の文献も見ていただいて、ありがとうございました。


Re: ニホンクロニクバエでしょう... 投稿者: 投稿日:2013/01/21(Mon) 00:11:07 No.8082  引用 
大宮様

市毛@茨城様

こんばんは.

このグループはサタニクバエしか標本をもっていませんので,適切なコメントができません.申し訳ないです.

私の乏しい手持ち資料からも,ニホンクロニクバエ以外の種でしっくりくるものはほかにないように思いますが,おっしゃるように図からの絵合わせには限界があると思います.模式標本にアクセスできるといいのですが・・・・

しかし,市毛@茨城さんのお手持ちの資料(日本で最強?)でもほかに類似の種がないようですし,既知の日本産4種のうち本種以外のものとは明らかにことなりますので,記載の細かい記述と明らかに矛盾する点がないのでしたら,専門家でない私たちに取れる手段としては,「ニホンクロニクバエ」として記録しておき,同定の根拠として先の2論文をあげておき,標本を保管しておいて,後で新種が記載されたときに思い出して再検討するということで,先に進んで行ってもよいのではないかとも思います(甘いですかね).

この領域は情報がなかなか増えませんので,それもありかな,と思ったりしています(開き直りですかね).

交尾器は個体差もあり,標本の処理状態でも変化します.見る角度によっても相当に異なってみえることがありあす.テネラルでは乾燥時にかなり収縮することすらあります.

市毛@茨城さんが言われたように,本種は相当にめずらしい種類のようですので,たくさんの標本を比較検討するのはまず不可能でしょう.

ということで,結論「ニホンクロニクバエ,ただし交尾器に原記載とは微妙な差があり未記載種の可能性もある」ということでどうでしょうか

コメントすることがないのでよけいなことばかり言いました.

参考にならないですね.すみません.

ハエ男様,ヘルプよろしくお願いします.

Re: ニホンクロニクバエでしょう... 投稿者: 投稿日:2013/01/21(Mon) 21:53:01 No.8083  引用 
さんご様

現状と対処法を丁寧に説明して下さり、ありがとうございます。
珍しいと喜ぶと同時に、大変なものを採ってしまったようです。
僕が今しなくてはいけないのは、きちんと記載の細かい記述と照らし合わせることですね。
始めからそうしなさいと言われてしまいそうですが。

真剣に読むと意味が分からないところが出てくると思います。
また尋ねさせていただこうと思います。
皆様のお手を煩わせてしまいますが、よろしくお願いします。

Re: ニホンクロニクバエでしょう... 投稿者: 投稿日:2013/01/22(Tue) 22:26:24 No.8084  引用 
細かな記述を読んでみました。実際に当てはめようとすると、なかなか難しいものだと思いました。
色、長さ、幅なども、文章では明確ですが、判断に困ることがあります。
acや脚の剛毛などの一見分かりやすそうな所でも、二つの論文で違っていましたが、
このあたりは再記載のほうがよくあてはまると思いました。脛節で各方向の毛が一致すると、達成感があります。

少しだけ分からなかったところをお尋ねできたらと思います。
再記載のほうの頭部の記述ですが、acocというのは付属単眼剛毛だと思ったのですが、
pooc、pocと、いろいろ出てきて分からなくなりました。頭頂剛毛のあとにoccというのも出てきます。
また、胸部の最後の、ppとpstも分かりませんでした。
原記載の中脚で、alというのが出てきます。lateralのlを当てはめてみても意味が分からなくなります。
何の略なのかだけでも教えていただけたらと思います。

ごく基本的なことの質問になってしまっていると思いますが、よろしくお願いします。

Re: ニホンクロニクバエでしょう... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2013/01/24(Thu) 19:59:45 No.8085  引用 
大宮様.

私もハエを調べ始めて,各部名称や剛毛の省略が著者や時代によってまちまちなのには泣かされています.

Fauna Japonica以降の有弁類の論文は殆ど読んでいないのですが,今回のはかなり違っていますね.

Fauna Japonicaでは,脚部の剛毛の位置としてanterolateral surfaceという表現を使っています.恐らく,これがalでしょう.
胸背のppやpstは,propleuronやprosternumですかね.楯板の剛毛は全部出ているので,側部から見る剛毛のようですがはっきりしません.
頭部のpocはpostocellar or postvertical bristlesと Kurahashi, 1970(Miltogramminae)で解説されてます.

その他の物も,色々と文献を読んでくと解ると思います.

Re: ニホンクロニクバエでしょう... 投稿者: 投稿日:2013/01/24(Thu) 22:48:02 No.8086  引用 
茨城@市毛様

各部名称を教えていただき、他の文献も教えてくださり、ありがとうございます。
表記がまちまちでも、根気強く調べようと思いました。
これからいろいろと文献を読んで覚えていきたいと思います。

今回の採集場所は時々行く所なので、気にかけて採集するようにすれば、追加個体が得られるかもしれません。
そんなに簡単ではないとはおもいますが。
もしまた採れたらご報告いたします。ありがとうございました。

Re: ニホンクロニクバエでしょう... 投稿者:さんご 投稿日:2013/01/27(Sun) 08:55:40 No.8087  引用 
茨城@市毛様

ご解説をいただきまして,ありがとうございます.略語がわからずコメントに窮しておりました.いつも勉強になります.今後とも,よろしくお願いいたします.

大宮様

たしかにこの報告は,見慣れない略語が多くて特に難解ですね.
私が偉そうなことを言ったためにずいぶん悩まれたことと思います.ご迷惑をおかけしました.すみません.

それにしてもめずらしい種の画像をみることができてとてもありがたいです.今後一緒に楽しみましょう.ニクバエは楽しいですよ!

Re: ニホンクロニクバエでしょう... 投稿者: 投稿日:2013/01/27(Sun) 16:28:41 No.8088  引用 
さんご様

お気遣いありがとうございます。
本来は隅から隅まで読むのが正道だと思いつつも、絵合わせで済ませてしまっていました。
今回投稿してコメントをいただけたので、きちんと読み直すよう励まされました。ありがとうございました。
画像のほうは喜んでいただけて光栄です。
交尾器を見て調べるというのは、この掲示板を見て初めて知りました。
真似をしてやってみたところ、今までニクバエ類としか分からなかったのが区別でき、面白いと思いました。
これから少しづつ採っていくと思います。
また投稿させていただいた時には、よろしくお願いします。

ダイミョウヒラタヤドリバエ? 投稿者:しぐま 投稿日:2013/01/14(Mon) 19:52:03 No.8068 ホームページ  引用 
皆様こんばんは。
今年もよろしくお願いします。

大きくて派手な色のハエがアメリカセンダングサに訪花していました。
2012年9月下旬@山形県・山地の道端
図鑑を眺めてなんとなくダイミョウヒラタヤドリバエ(別名ダイミョウヒラタハナバエ)かなと思ったのですが、もしかしてセスジハリバエとかでしょうか?
未採集で写真も動画撮影中のスナップショットしかありません。
(恐れ入りますが動画は拙ブログへのリンクをクリックして下さい)


Re: ダイミョウヒラタヤドリバエ... 投稿者:茨城@市毛 やっと普通に見られます 投稿日:2013/01/14(Mon) 20:37:01 No.8071  引用 
しぐま様.

こちらは,ヤドリバエ科のセスジハリバエTachina nupta (=T. mikado)の可能性が高いです.
ダイミョウヒラタヤドリバエは下記のHPのPhasia hemipteraを参考にしてください.
http://homepage3.nifty.com/syrphidae1/diptera_web/issun_photo.htm

Re: ダイミョウヒラタヤドリバエ... 投稿者:しぐま 投稿日:2013/01/15(Tue) 20:18:38 No.8074 ホームページ  引用 
光速回答ありがとうございました。
間違いに気づいてよかったです〜(汗)

写真よりも動画の方が手ブレ補正が効いて大分マシですが、もう1枚貼っておきます。

アブの交尾 投稿者:しぐま 投稿日:2013/01/14(Mon) 20:01:17 No.8069 ホームページ  引用 
もうひとつお尋ねがあります。
2012年10月上旬@山形県
平地を流れる用水路の欄干で交尾していたアブです。(未採集)
何科のアブなのかだけでも教えて頂けると助かります。

お邪魔する度に丸投げの鑑定依頼ばかりで恐縮です…。
よろしくお願いします。
これも動画がありますので興味のある方はすいませんがブログの記事からご覧下さい。


Re: アブの交尾 投稿者:茨城@市毛 やっと普通に見られます 投稿日:2013/01/14(Mon) 20:30:11 No.8070  引用 
しぐま様.

写真のアブは,ハナアブ科のナミルリイロハラナガハナアブXylota amamiensis かミヤマルリイロハラナガハナアブXylota coquilletti の可能性が最も高いと思います.(動画を見たのですが,腹部背板や脛節基部内側の剛毛が見えないので難しいです)
性別は,複眼が離れているのがメスです.

Re: アブの交尾 投稿者:しぐま 投稿日:2013/01/15(Tue) 20:13:10 No.8073 ホームページ  引用 
茨城@市毛さま
いつもお世話様です。
あっと言う間にご教示頂きまして、どうもありがとうございました。
手元にある『札幌の昆虫』という図鑑にもナミルリイロハラナガハナアブとミヤマルリイロハラナガハナアブの見分け方が記載されていました。
採集して標本を精査しないと無理と痛感しましたので、今回はルリイロハラナガハナアブの一種(Xylota sp.)としておきます。

オトシブミの揺籃から出てきたハ... 投稿者:コガネ虫女子 投稿日:2012/12/07(Fri) 14:11:54 No.8028  引用 
はじめて投稿させていただきます。
夏にナミオトシブミの揺籃を飼育していたら、キモグリバエ科と考えられる小さなハエがたくさん出てきました。キモグリバエ科のハエではこのような事例はよく知られているのでしょうか。
また、たくさんの揺籃をひとつの容器で飼育していたのではっきりとは分からないのですが、羽化したオトシブミの数は多くありませんでした。幼虫が寄生されていた可能性はあるでしょうか。何かご存じのことがありましたらよろしくお願いします。

Re: オトシブミの揺籃から出てき... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2012/12/07(Fri) 16:50:26 No.8029  引用 
コガネ虫女子様.

旧北区の双翅目マニュアルには下記のように記されているので,キモグリバエ科の一部の属は腐肉食や肉食性のようです.
したがって,揺籃内の幼虫や幼虫の死体から羽化してくる可能性は高いと思います.

The larvae of some species were found in dead caterpillars or in beetle larvae, in cocoons of Lepidoptera, in Aculeata nests (Anatrichus, some Polyodaspis). Some are carnivorous in acridid pods (Lasiambia palposa, L. costalis), in oothecae of Mantidae (Kurumemyia, some Lasiambia), in egg masses of spider (Pseudogaurax, Speccafrons). The larvae of Thaumatomyia live in under ground among root aphids and feed on them or feed on Coccoidea on twigs of trees.

P.S. そういえば,これに書かれているのは,オニグモヤドリキモグリバエPseudgourax chiyokoae KanmiyaやカマキリヤドリキモグリバエKurumemyia ongamea Kanmiyaという日本に分布している種類のことでした.

Re: オトシブミの揺籃から出てき... 投稿者:コガネ虫女子 投稿日:2012/12/07(Fri) 21:32:07 No.8031  引用 
早速のご回答有難うございます。
WEB上にあった2種の写真を見た限りで、しかも現在手元に標本がないのですが、どちらかというとカマキリヤドリバエの方に似ているようです(特に前胸後縁の形など)。ただ、脚の色が脛節の途中からかフ節から褐色であった点で違うように思います。メスの産卵管が鋭く尖っていたのが印象的だったので、捕食寄生性のハエかと思ったのですが、日本以外には甲虫の幼虫に寄生する種がいるという事で理解しました。丁寧なご回答有難うございました。

Re: オトシブミの揺籃から出てき... 投稿者:ezo-aphid 投稿日:2012/12/09(Sun) 13:13:50 No.8032  引用 
コガネ虫女子さま

大変興味深く拝見しました。
Kanmiya(1983)の報文21-24pに日本産キモグリバエの寄主が載っていますが、オトシブミの揺籃に関連したものはありません。キモグリバエでは記録が無いように思われます。
茨城@市毛さんがご紹介の「旧北区の双翅目マニュアル」の文章の前段には、以下の記述があります。
The larvae have varied habits, but are insufficiently investigated at present. Many species are saprophagous, feeding in frass left by other insects, decaying vegetable matter, sometimes in bird nests or in excrement and in dead animals. Many species live in decaying plants prefering in shoots of grasses and sedges.
幼虫の食性は多様で、現状では良くわかっていない。多くは腐食性・・・・・・、(他方で、イネ科・カヤツリグサ科の内部生長点を食べる幼虫群もたくさんいます)。
このことから、これがキモグリバエ科とすれば、「幼虫は揺籃を食べているのでは?」と想像します。いずれにしろ標本がないと論議になりませんので再捕獲が必要ですね。その際、1揺籃あたりの幼虫寄生数や、寄生された揺籃を分解してオトシブミ幼虫(または蛹)の状態などを調べ、何を食べているのか確認したいものです。これらがそろうと貴重な知見になると思いますので、ぜひ再挑戦して下さるようお願いします。

Re: オトシブミの揺籃から出てき... 投稿者:ezo-aphid 投稿日:2012/12/09(Sun) 15:13:44 No.8033  引用 
コガネ虫女子さま

追伸:ところで、この観察はどこの県で、どの樹種の揺籃でなされたものでしょうか? また、キモグリバエの羽化は、オトシブミの羽化に先立つものでしょうか?
ご教示いただけると有難く存じます。

Re: オトシブミの揺籃から出てき... 投稿者:コガネ虫女子 投稿日:2012/12/09(Sun) 18:18:00 No.8034  引用 
ezo-aphid 様

貴重な情報を有難うございます。揺籃は青森県でクリの木の下に落ちているのを採集しました。採集時は揺籃はまだ緑色でした。ただご指摘のように、ハエの存在に気付いたのは、オトシブミが羽化し始めてからでしたので、揺籃を食べていてオトシブミと一緒に出てきたのかもしれません。ハエの成虫標本は現在私の手元にないだけであるんです。それでキモグリバエ科らしいということがわかりました。標本が戻ってきたら、またご教示いただければ幸いです。よろしくお願いします。

Re: オトシブミの揺籃から出てき... 投稿者:ezo-aphid 投稿日:2012/12/10(Mon) 18:01:14 No.8035  引用 
コガネ虫女子さま

あ、お隣りでしたか。落下した揺籃だけに寄生しているのか、という点も注目したいですね。
キモグリバエ科の同定については、過去の相談をご覧になってお判りの通り、比較標本を持たない素人にとっては大変難しいもので、とくに概観で明瞭な特徴が無いものは雄交尾器を確認する必要があります。したがって、最終的には上宮先生に(了承して頂ければですが)標本を見ていただくしかないだろうと思います。複数の雌雄個体を準備しておきたいですね。

チョッキリの揺籃を食べる「寄生者」について、知見がありますのでご紹介します(河野広道、1977「森の昆虫記2-落し文扁」128-136頁)。イタヤハマキチョッキリの揺籃には、成虫の体長10mmほどになるイタヤマダラメイガ Etielloides curvellaが寄生し、土中で越冬蛹となります。その平均寄生数は1揺籃あたり3頭だそうです。これほど大きな寄生者が3頭も育つのですから、体長2-3mmのキモグリバエなら、複数寄生は容易だろうと想像します。詳しいことは本文をご覧ください。
管理人さまへ:ハエから逸脱した情報の書き込み、お許しください。

Re: オトシブミの揺籃から出てき... 投稿者: 投稿日:2013/01/12(Sat) 20:07:25 No.8064  引用 
コガネ虫女子様

やっとこ、同定がついたよ。
どうやっても腑に落ちる属の検索ができなくて、苦戦しましたが、雄交尾器を引っ張りだして絵合わせ(←職業ハエ屋としてお恥ずかしい。)でなんとか。引き慣れない検索表を引くのは大変。Kanmiya, 1983の図(左)と比較してみてください(右の写真がお預かりした標本)。キモグリバエ科ChloropidaeのPolyodaspis ruficornis (MacQuart, 1835) トゲヘリキモグリバエでよいと思います。詳しい方、ご意見を頂けますように。


Re: オトシブミの揺籃から出てき... 投稿者:ezo-aphid 投稿日:2013/01/13(Sun) 16:39:28 No.8065  引用 
The biology of the grass fly Polyodaspis ruficornis Kiauka & Narchuk(1972) Entomlogical Review 51(4):434-438.をコピーしてきました。
幼虫はとても幅広い環境で見つかり、食性は(柔軟性がありすぎて)単純には決めつけられないようです。要約には「植物または動物由来の腐廃物、昆虫の糞、果実・頭花などの生植物の一部、幼期昆虫の偶発的寄生」としています。他の昆虫と見つかる場合は、アワノメイガ類・モモシンクイガ類など、植物穿孔性の蛾類の例が多いようで、それらの糞・遺体を食べたり、幼虫の内部寄生もあるとしています。
揺籃については、ロシアアカデミーの所蔵標本2例だけで、腐食性か?とあるだけで、ちゃんとした食性などの報告は無さそうです。1)沿海州のポプラ揺籃(Byctiscus rugosus)、2)沿海州のハンノキ揺籃(Apoderus coryli) 。
詳しくは報文をご覧ください。

Re: オトシブミの揺籃から出てき... 投稿者:コガネ虫女子 投稿日:2013/01/14(Mon) 00:02:16 No.8066  引用 
達磨さま

金曜日の午後にお渡ししたのに、もう同定が終わられていたとは流石です。有難うございます!明日の夜、お話できるんでしたよね?よろしくお願いします。

ezo-aphidさま
長らく書き込みをぜず失礼しました。
いろいろとご教示いただき有難うござます。
私の方でも調べました結果、トゲヘリキモグリバエはエゴツルクビオトシブミの捕食寄生者で主な死亡要因のひとつとなっていました(Effects of leaf quality and microhabitat on the survial of a leaf-loalling weevil(Attelabidae). Ecological Research 22,150-155、2007.) 。茨城@市毛さんから最初にご指摘いただいたように、Polyodaspis属ということからも、甲虫の幼虫を捕食している可能性は高いと考えていいのですよね?ご紹介していただいた文献がすぐに手に入らないので伺ってしまいますが、ご教示いただいたロシアアカデミーの所蔵標本のトゲヘリキモグリバエが出てきたポプラ揺籃とハンノキ揺籃というのは、ナミオトシブミの揺籃と理解してよいのでしょうか?

Re: オトシブミの揺籃から出てき... 投稿者:ezo-aphid 投稿日:2013/01/14(Mon) 12:15:31 No.8067  引用 
このキモグリの食性については、(寄生状態を直接的には確認しにくいため)どうしても歯切れの悪い説明になってしまいます。
先の論文で、トゲヘリキモグリバエのクルミ果実への寄生状態について述べられています。ルーマニアの例では、1250個の果実のうちキモグリの幼虫・蛹がいたものが330個(26%)、そのうちモモシンクイガ類の被害があったものは127個(10%)だそうです。つまり、6割ほどの幼虫はクルミ単独で生育でき、4割ほどは蛾類の侵入食害に同伴して(食物は不明ですが)いることになります。それゆえ、先の説明のように、さまざまの有機物を食料としている、と要約されています。
その結論では、「P. ruficornisなどのような食性は、寄生性とはみなせず、偶発的捕食者(facultative predators)と考えるべき」と言ってます。
Anatrichus pygmaeusの例(Mushi 47:111-117. Wongsiri et al.(1974))では、メイガ幼虫で飼育でき死体まで利用するが、これが捕食者なのか腐食者なのか不明、としています。

オトシブミの種類は、それぞれカッコ書きに学名を記してありますので、ご確認ください。

Re: オトシブミの揺籃から出てき... 投稿者: 投稿日:2013/01/15(Tue) 17:44:39 No.8072  引用 
ezo-aphid様
この掲示板で情報の提供などお世話になっているコガネ虫女子が直接連絡を取りたいと申しております。その名のとおり「女子」なので、直接名前や連絡先を掲示板に書き込みたくないとのことで、相談を受けました。私はこの板上では素性がわれておりますので、私(中村剛之)まで、ご一報頂けないでしょうか。よろしくお願いいたします。

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