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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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チビクロコヒラタハナアブでしょ... 投稿者:pakenya 投稿日:2008/09/05(Fri) 10:12:25 No.4835  引用 
北海道で6月末に採集した6mm弱の小形のハナアブです。

触角の下方で顔面がほとんど窪まず、腹部の各節は正常、翅脈などからコヒラタハナアブ族Pipiziniであることは確実と思われます。

額は丸く膨らんでいますが、各脚の基節や転節に特殊な構造を持たず、腹部腹板にも特別な構造は見当たらないので、クロコヒラタハナアブ属Heringiaの基亜属に該当すると思われます。

邦産種で既知のものはチビクロコヒラタハナアブH. (H.) familialis (Matsumura,1918)のみですが、雄を図示したものが見当たらず(雌は札幌の昆虫に掲載)、ハナアブの世界では未同定の1種が示されているのみで、確信が持てずにいます。


Re: チビクロコヒラタハナアブで... 投稿者:pakenya 投稿日:2008/09/05(Fri) 10:20:51 No.4836  引用 
横顔です。

複眼は密に褐色の立毛で覆われています。
顔面は頭幅の1/3ほどで、下方に僅かに狭まります。

このほか、胸部や腹部の特徴、各脚の特徴などは、Fauna Japonicaのfamilialisの記述及びShiraki et Edashige (1953)のPipizella nitida(後にfamilialis のシノニムとされた)の記述とほぼ一致しますが、胸背後半に淡色立毛を多く装うことが気になります。


Re: チビクロコヒラタハナアブで... 投稿者:pakenya 投稿日:2008/09/05(Fri) 10:23:15 No.4837  引用 
Geniの写真もつけます。

ハナアブの世界のH. sp.のものとよく似た形状です。


この個体をfamilialisと同定してよろしいでしょうか?
ご教示願います。


Re: チビクロコヒラタハナアブで... 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2008/09/05(Fri) 12:27:06 No.4838 ホームページ  引用 
pakenya様.

Heringia sp.としか言いようがありません.

残念ながら,Heringia属も10年ぐらい前にヨーロッパの整理が終わったような難しい種類です.
結果的に,aedeagusの形状などを調べて,検索を作り直したような気がします.

基本的にFauna JaponicaのPipizaとHeringiaは全て間違っているものとして,再検討しなければなりません.
標本も皆無に無いので,基産地の同種の標本を採集して交尾器を調べる必要があります.

また,非常に小さな交尾器ですので,チューブ状のthecaを切り裂いてaxial system of aedeagusを無傷で取り出すのが非常に難しいです.(透過検鏡では正確な形が観察出来ません.)

札幌と岩手,面河渓の標本を誰かが大量に採集してくれるまで,気長にお待ちください.

Re: チビクロコヒラタハナアブで... 投稿者:pakenya 投稿日:2008/09/05(Fri) 18:41:11 No.4839  引用 
市毛様

いつもご教示ありがとうございます。

やっぱり、同定不可能な状況なんですね。
とりあえず、H.(H.) sp.としてファイルしておきます。

この仲間のオスの写真は「ハナアブの世界」以外には見当たらないので、来春、談話会資料にする写真集にはこのまま収録する方向で行きたいと思います。

ありがとうございました。

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