横顔です。
複眼は密に褐色の立毛で覆われています。
顔面は頭幅の1/3ほどで、下方に僅かに狭まります。
このほか、胸部や腹部の特徴、各脚の特徴などは、Fauna Japonicaのfamilialisの記述及びShiraki et Edashige (1953)のPipizella nitida(後にfamilialis のシノニムとされた)の記述とほぼ一致しますが、胸背後半に淡色立毛を多く装うことが気になります。
Geniの写真もつけます。
ハナアブの世界のH. sp.のものとよく似た形状です。
この個体をfamilialisと同定してよろしいでしょうか?
ご教示願います。
pakenya様.
Heringia sp.としか言いようがありません.
残念ながら,Heringia属も10年ぐらい前にヨーロッパの整理が終わったような難しい種類です.
結果的に,aedeagusの形状などを調べて,検索を作り直したような気がします.
基本的にFauna JaponicaのPipizaとHeringiaは全て間違っているものとして,再検討しなければなりません.
標本も皆無に無いので,基産地の同種の標本を採集して交尾器を調べる必要があります.
また,非常に小さな交尾器ですので,チューブ状のthecaを切り裂いてaxial system of aedeagusを無傷で取り出すのが非常に難しいです.(透過検鏡では正確な形が観察出来ません.)
札幌と岩手,面河渓の標本を誰かが大量に採集してくれるまで,気長にお待ちください.
市毛様
いつもご教示ありがとうございます。
やっぱり、同定不可能な状況なんですね。
とりあえず、H.(H.) sp.としてファイルしておきます。
この仲間のオスの写真は「ハナアブの世界」以外には見当たらないので、来春、談話会資料にする写真集にはこのまま収録する方向で行きたいと思います。
ありがとうございました。