46412856
一寸のハエにも五分の大和魂・改
[トップに戻る] [通常表示] [アルバム] [留意事項] [ワード検索] [過去ログ] [旧過去ログ] [管理用]
1: 小笠原の海のユスリカ? (2) / 2: Bicellaria早春のヒメセダカオドリバエ? (3) / 3: ヒコサンアリヅカノミバエAenigmatias gotoi Disneyでしょうか? (3) / 4: ムシヒキアブでしょうか? (7) / 5: ハネオレバエ(ハネオレホソバエ)でしょうか?? (1) / 6: ハネナガケブカミバエでしょうか? (6) / 7: ハナレメイエバエ科でよいでしょうか? (0) / 8: ハネフリバエ (2) / 9: 砂浜の、ConchopusとPlatypulpus (4) / 10: Elaphropezaケズネクサハシリバエでしょうか? (3) / 11: Conchopus saigusaiゲンカイシグマクチナガイソアシナガバエですか? (6) / 12: オドリバエ科の何かでしょうか?? (1) / 13: オドリバエ科のDolichocephala属でしょうか?? (2) / 14: オドリバエ科の何かでしょうか?? (2) / 15: シダコバエAnthomzidaeでしょうか? (3) / 16: 名前がわかりません (2) / 17: くりのけらClinoceraでしょうか? (0) / 18: ネジレオバエでしょうか?? (2) / 19: 鎌状の前脚オドリバエCheliferaでしょうか? (3) / 20: Crossopalpusホホナガハシリバエですか? (0) /


[ 指定コメント (No.4786) の関連スレッドを表示しています。 ]

繭を紡ぐハエ 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/07(Thu) 05:06:35 No.4757 ホームページ  引用 
先日貼ったケヅメカと同じ倒木にいた幼虫です。

集団で粘液の膜をはり、白い菌膜(?)を食べているようです。
本掲示板の過去スレッド(http://furumusi.aez.jp/joyful1/joyful.cgi?list=pickup&num=4696#4696)でアノニモミイア様の解説を思い出して、「粘液のハンモックにぶらさがる蛹!」を見たいと思い、持ちかえることにしました。(ケヅメカは実はその副産物です。)

2008年7月27日 キノコ付き樹皮採集
兵庫県神戸市須磨区(標高約100m)


Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/07(Thu) 05:08:39 No.4758 ホームページ  引用 
結局くだんの幼虫はハンモックを作らずに、溶けかけたオブラートを丸めたような楕円形の繭をこしらえて蛹になりました。

ハエが繭!?


Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/07(Thu) 05:10:38 No.4759 ホームページ  引用 
で月曜日、容器を見るとすでに羽化して交尾している個体が、、、
2008年8月4日羽化


Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/07(Thu) 05:11:46 No.4760 ホームページ  引用 
♂標本

Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/07(Thu) 05:12:52 No.4761 ホームページ  引用 
♂背面
Y字模様があります。


Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/07(Thu) 05:13:56 No.4762 ホームページ  引用 
♀標本

Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/07(Thu) 05:15:44 No.4763 ホームページ  引用 
翅脈スケッチ

Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/07(Thu) 05:23:19 No.4764 ホームページ  引用 
♂交尾器
長々と失礼しました。
翅脈と触角の特徴からツノキノコバエ科のKeroplatus属だと思うのですが、既知の種なのでしょうか?

p.s.この属の幼虫は光る種(いわゆるグロウワーム)がいるそうですが、これは短い観察期間では光りませんでした。


Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/08/14(Thu) 19:11:29 No.4773  引用 
Aclerisさん.
この種はもちろんKeroplatidaeですが,Keroplatus群の属についてはMatileの総説でかなり詳しい検討があります.ここのところフィールドの仕事が多くてゆっくり検討できません.いま少しお待ちください.

Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/08/17(Sun) 03:34:38 No.4782  引用 
Aclerisさん.

これはKeroplatus nipponicus Okadaだと思います.私のところには本種やK. biformis Okadaの既知種の他に2種未記録(未記載)の種が生息しています.そのうちの1種は本州中部からのもので,雄交尾器のgonostylus基部の突起がD. nipponicusのように細長くなくて,幅広い板状,もう1種は全身黄褐色でgonostylusが著しく細長いものです.写真で見る限り,背面として示されている交尾器の写真では,gonostylus基部の突起が細長く見えます.この点からD. nipponicusかと思います.しかし,この構造は見る方向でやや形状を変えますので,標本を解剖して検討する必要があるでしょう.なお,D. biformisは初めD. testaceusのformとして記載されたものですが,ヨーロッパのtestaceusとは別種です.

おそらく,D. nipponicusの生態の記録はないと思いますので,是非論文にして発表されることをお薦めします.

Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2008/08/17(Sun) 10:37:38 No.4786  引用 
4782で
「私のところには本種やK. biformis Okadaの既知種の他に2種未記録(未記載)の種が生息しています.」としたのは,
「私のところには,日本産のものとしては本種やK. biformis Okadaの既知種の他に2種未記録(未記載)の種があります.」の誤記です.

なお,K. nipponicusに類似したgonostylusの基部突起が幅広い種は,翅の先が1/4ほど暗色になります.D. nipponicusでは前縁の先端部近くのみが暗色になる傾向があります.両種ともに胸部背面にV字型の暗条を現すのが一般的です.

Re: 繭を紡ぐハエ 投稿者:Acleris 投稿日:2008/08/19(Tue) 05:35:59 No.4799 ホームページ  引用 
アノニモミイア様、迅速な対応をしていただいていたのに、御礼が遅れて申し訳ありません。
Keroplatus nipponicus Okadaの可能性が極めて高いとのこと、後ほど交尾器をはずして確認をしたいと思います。
生態報告については、門外漢の断片的な観察ですので、ちょっと気後れしてしまいます。スイマセン。私の情報は、ネット上の話題提供程度と思っていただければ幸いです。

しかし、地元のマイナーな虫について、少しずつ理解が深まっていくのは楽しいです。
引き続き、よろしくお願いいたします。

処理 記事No 暗証キー

- Joyful Note -
- Antispam Version -