先日貼ったケヅメカと同じ倒木にいた幼虫です。
集団で粘液の膜をはり、白い菌膜(?)を食べているようです。 本掲示板の過去スレッド(http://furumusi.aez.jp/joyful1/joyful.cgi?list=pickup&num=4696#4696)でアノニモミイア様の解説を思い出して、「粘液のハンモックにぶらさがる蛹!」を見たいと思い、持ちかえることにしました。(ケヅメカは実はその副産物です。) 2008年7月27日 キノコ付き樹皮採集 兵庫県神戸市須磨区(標高約100m)
♂交尾器
長々と失礼しました。 翅脈と触角の特徴からツノキノコバエ科のKeroplatus属だと思うのですが、既知の種なのでしょうか? p.s.この属の幼虫は光る種(いわゆるグロウワーム)がいるそうですが、これは短い観察期間では光りませんでした。
Aclerisさん.
この種はもちろんKeroplatidaeですが,Keroplatus群の属についてはMatileの総説でかなり詳しい検討があります.ここのところフィールドの仕事が多くてゆっくり検討できません.いま少しお待ちください.
Aclerisさん.
これはKeroplatus nipponicus Okadaだと思います.私のところには本種やK. biformis Okadaの既知種の他に2種未記録(未記載)の種が生息しています.そのうちの1種は本州中部からのもので,雄交尾器のgonostylus基部の突起がD. nipponicusのように細長くなくて,幅広い板状,もう1種は全身黄褐色でgonostylusが著しく細長いものです.写真で見る限り,背面として示されている交尾器の写真では,gonostylus基部の突起が細長く見えます.この点からD. nipponicusかと思います.しかし,この構造は見る方向でやや形状を変えますので,標本を解剖して検討する必要があるでしょう.なお,D. biformisは初めD. testaceusのformとして記載されたものですが,ヨーロッパのtestaceusとは別種です. おそらく,D. nipponicusの生態の記録はないと思いますので,是非論文にして発表されることをお薦めします.
4782で
「私のところには本種やK. biformis Okadaの既知種の他に2種未記録(未記載)の種が生息しています.」としたのは, 「私のところには,日本産のものとしては本種やK. biformis Okadaの既知種の他に2種未記録(未記載)の種があります.」の誤記です. なお,K. nipponicusに類似したgonostylusの基部突起が幅広い種は,翅の先が1/4ほど暗色になります.D. nipponicusでは前縁の先端部近くのみが暗色になる傾向があります.両種ともに胸部背面にV字型の暗条を現すのが一般的です.
アノニモミイア様、迅速な対応をしていただいていたのに、御礼が遅れて申し訳ありません。
Keroplatus nipponicus Okadaの可能性が極めて高いとのこと、後ほど交尾器をはずして確認をしたいと思います。 生態報告については、門外漢の断片的な観察ですので、ちょっと気後れしてしまいます。スイマセン。私の情報は、ネット上の話題提供程度と思っていただければ幸いです。 しかし、地元のマイナーな虫について、少しずつ理解が深まっていくのは楽しいです。 引き続き、よろしくお願いいたします。 |
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