No. 10426で触れたように,Planempis亜属には典型的なPlanempisの他に,そのような交尾器に進化する段階より分化の程度の低い,あるいは分化の方向性が異なる多くの種群があります.また,一部にはR4脈を失って,検索するとRhamphomyiaに行きつく種群もあります.今回の種はRhamphomyia型の脈相のPlanempisの1群の1種です.この群は,市毛さんが書かれているように,胸部や腹部の刺毛が極めて短く,しばしば淡色(市毛さんが表現されているように銀色にも見える)で,一般的に雄後頭部側面や胸部のnotopleuronの縁の刺毛が鱗型(pennate setae)になり,また雌の脚にもpennate bristlesを生じます.この群は北海道から九州まで少なくとも6種(いずれも未記載)から構成されています.今回の種がこれらのいずれかに相当するか,あるいは別種かは,写真だけでは判定しがたいです.比較のために適当な機会に拝借できればありがたいです.
この群に交尾器が類似して,R4脈があり,後腿節が肥大して,腹面に強い棘を生じる1群があります(同様に棘を生じるmicrotheca群とは異なる).雄交尾器の形状は上記の群によく似ています.またE. (Planempis) luteipilosa群も交尾器の形状が上記2群に類似しています.
三枝様.
R4脈を欠いたEmpis(Planempis)属の1種ですか,奥深いものです. そういえば,日本産水生昆虫の検索第2版で出てきた,同じようにR4脈を欠くHilara(Pseudorhamphomyia)も驚きでした. 標本は後日,Rh. deformipesと一緒に送らせていただきます. ありがとうございました.
市毛様.標本の件有難うございます.到着したら検鏡してみます.なお,EmpisとRhamphomyiaの関係のワード文書(14.8kB)を添付したら,アップロードできません,とのことでした.
ながくてもいいのなら,コメントとして入れてもいいのですが.
三枝 様.
ワードの文書がアップロード出来ない件ですが,古い掲示板のためWord 97-2003形式までしか対応していないようです. ワード文書のファイルの種類を「Word 97-2003文書(*.doc)」として保存し直してみてください. 後日,docxのままで投稿できるよう修正したいと思います.
三枝様.
大変詳しい説明ありがとうございます. Vockerothempisの論文にも,Rhamphobyia分類の困難として解説されてましたね.長文の英語であまり理解できてなかったので,大変勉強になりました. 今後とも宜しくお願いします. |
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