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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者:himajin 投稿日:2017/02/25(Sat) 15:50:44 No.9734  引用 
石川県の海浜で打ち上げられた海藻の上から大量のFucellia属に混じって正体不明のハエを見つけ、
撮影捕獲し、後に調べてみた所、下記のサイトでケブカハマバエ科の一種ではないかということが分かりました。
http://delta-intkey.com/britin/dip/www/dryomyzi.htm
とはいってもかなりアバウトにですが・・・。


Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者:himajin 投稿日:2017/02/25(Sat) 15:52:57 No.9735  引用 
しかしながらいまいち自信が持てないことと、どのような種であるかわからなかったもので
石川県ふれあい昆虫館でお伺いした所、こちらのスレッドを紹介させて頂きました。
http://diptera.jp/usr/local/bin/perl/dipbbs/joyful.cgi?list=pickup&num=8533
おそらく上記のスレッドで追跡されていたキンパツナギサバエとされる個体ではないかと思われます。
ご確認お願いします。


Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者:himajin 投稿日:2017/02/25(Sat) 15:59:19 No.9736  引用 
因みに標本写真です。
私の標本作製技術は初心者同然で昆虫館の職員さんに治してもらいました。
主に私が原因で標本状態はすこぶる悪いと思われますがよろしくお願いします。


Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者:himajin 投稿日:2017/02/25(Sat) 16:43:24 No.9738  引用 
触角と顔面の写真ですが・・・。

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2017/02/28(Tue) 12:16:36 No.9739  引用 
himajin様.

ご推測通りNo.8533で紹介されているケブカハマバエと同じ種類のようです.

ケブカハマバエやキンパツナギサバエは外見的には見分けがつかないようで,交尾器等を調べる必要がありそうです.

それにしても,随分と発生時期が早いのですね.

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者:三枝豊平 投稿日:2017/02/28(Tue) 15:00:25 No.9740  引用 
Himajinさん。
お問い合わせのハエは市毛さんが指摘されているように、私が日本昆虫学会やこのサイトで紹介したケブカハマバエです。本種は、以前に新潟の故馬場金太郎博士が採集された標本で私が上記のように紹介したものです。現地での採集をお願いしてあるのですが、その後の材料が得られていません。岡留さん(倉橋さんの採集)の記録も含めて、どうやら本州の日本海側に生息しているようです。
 現在世界各地の本科の標本を集積して研究をしています。もし、御地で追加標本の採集が可能でしたら、ご恵贈いただければ幸いです。上記研究に用いさせていただきたいと思います。

 

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者: 投稿日:2017/02/28(Tue) 22:18:40 No.9741  引用 
茨城@市毛様
2月中旬にもこのハエなのかはわかりませんが同じ大きさのハエを目撃しているので
発生時期は1969年に捕獲された日にちよりもさらに早いと思われます。
非常にゴミが散乱した海岸で、個体数も恐らく少ないのではないかと周囲を見渡して思いました。
しかしこの時期に発生しているハエの中では明らかに大きなハエなのでいるとすぐわかります。
三枝豊平様
私が所持していても宝の持ち腐れなのでこちらの標本はとりあえず差し上げます。
追加個体が得られるかどうかはわかりませんが、採集できた場合でも差し上げたいと思います。
Eメールを公開しますのでそちらに配送先などをお知らせしていただければ
ありあわせではありますが標本が痛まないような包装ができていますので発送できます。
ただ、こうした作業は初めてなもので多少もたつくかもしれませんがよろしくお願いします。

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者: 投稿日:2017/03/01(Wed) 22:34:56 No.9742  引用 
himajin 様
茨木@市毛 様
三枝豊平 様

横から失礼します.
2年前に島根県浜田市の海浜でこれとよく似たハエを採集していました.顔つきなどが似ていますが,これの♀でしょうか.
採集日時:2015年2月23日
採集場所:島根県浜田市


Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者:himajin 投稿日:2017/03/02(Thu) 19:46:58 No.9743  引用 
さんご様
確かにケブカハマバエ科に似ていますね!
島根県に、しかも同じ時期に採集されているとは・・・!すごい!

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者: 投稿日:2017/03/02(Thu) 21:39:03 No.9744  引用 
himajinさま

どうもです.

採った後,正体がまったくわからなかったのでそのまま標本箱で眠らせていたのですが,見れば見るほど似ているので,何かうれしくなって投稿しました.感謝感謝です.

脚や腹部の毛深さの違いが雌雄の差なのか種が違うのか,私のは♀なので比較ができないですね.

時期が少し遅いかもしれませんが♂を探しに行ってみます.

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者:三枝豊平 投稿日:2017/03/03(Fri) 11:07:53 No.9745  引用 
サンゴ様, 皆さん:

採集された個体は確かにケブカハマバエの雌ですね。雌の標本は貴重です。

皆さんの貴重な情報で、本種はどうやら日本海沿岸に広く分布していて、早春から晩春にかけて発生することもわかり、大変参考になりました。新潟のも4月7日。北米やヨーロッパでも晩春か晩秋です。アメリカワシントン州の海岸で7月に採集を試みたのですが、アシナガバエ科のParaphrosylusだけでした。浜田で採れているのですから福岡でも取れそうな気がしてきました。


雌の標本は貴重です。私のところで預かっているのは、倉橋さんが1971年3月24日に金沢で採集された感染症研究所から借りている1雌だけです。雄に比べて腹部や脚には全く長毛を生じていません。この傾向は北米やヨーロッパの種でも同様です。

私事ですが昨年はまったく双翅類の研究をする時間がとれませんでした。今年こそはと思っていますので、本科の標本や情報についてご協力を宜しくお願いします。

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者:三枝豊平 投稿日:2017/03/03(Fri) 11:10:40 No.9746  引用 
Himajin様

標本をご支援くださるとのこと、有難うございます。Eメールを公開されるとのこと、宜しくお願いします。

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者: 投稿日:2017/03/03(Fri) 22:29:19 No.9747  引用 
三枝豊平 様
himajin 様

お世話になっております.

そういうハエだったのですね.大きくて印象的なハエで,ずっと気になっていました.正体がわかって,とてもうれしいです.どうもありがとうございました.

何かお役に立てることがありましたら,よろこんでさせていただきます.

今後ともご指導ご教示のほど,よろしくお願い致します.

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者:himajin 投稿日:2017/03/04(Sat) 00:11:33 No.9748  引用 
三枝豊平様
すみません、こちらがメールアドレスになります。
都合により削除しました。

標本の状態に関しては触角が一部欠損しているのと、
背部側面の一方(標本写真の見えない方)の剛毛が欠けている可能性があること、
背部腹面に問題があること以外は殆ど形状は保たれていると思います。
追加の個体に関しては、実はあれから海岸を散策して2回ほど遭遇しているのですが、
個体数が少ない為に捕獲して良いのかどうか悩んでおります。
ですので今後の発生状況を考慮した上で追加個体を採集するかどうか判断させていただきたいです。

それと捕獲したあと生態に関して色々と考察してみたのですが、
石川県の海岸では海が荒れやすく、少しでも天候が崩れると砂浜が海水で使ってしまうので、
無事に育生するためには海浜植物帯付近まで海藻が打ち上がらないといといけないのではないかと考えました。
恐らくそれが個体数の少なさの原因の一つではないかと思われます。
しかしながら今後どのような動態をとっていくのか分からないので継続して観察していきたいと思います。

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者: 投稿日:2017/03/04(Sat) 18:43:56 No.9749  引用 
himajin 様
三枝豊平 様

お世話になっております.

今日,浜田まで行ってきました.追加の採集に成功しました.

himajin さんのピンポイントの生態情報のおかげで,19個体ほど採集することができました.誠にありがとうございました.

途中で切り上げて帰りましたが,まだまだいたので,今が発生のピークなのかもしれませんね.

半がわきの打ち上げ海藻の上や周りにいて,ちょうどハナバエ科と同じような行動をとっていましたが,一回りから二回り大きかったです.もっとも,個体変異があるようで,小さいものは7mmほどで,ハナバエの大きめの個体と紛らわしいものもいました.

いるところにはいるようですので,当面は絶滅の心配はないかなと思います.もっとも,海浜の破壊が急速に進んでいるので将来的には絶滅危惧種になるかもしれませんね.石川よりも島根のほうが暖かいので,石川ではこれからピークになるのかもしれません.

♂もゲットできました.毛深さに変異があって,金髪の毛むくじゃらのものから,申訳け程度の毛のものもいました.小さい個体のほうが毛が短くまばらな感じです.

ご指摘のとおり,♀のほうが少ないみたいです.ランダムに採集して16♂に対して3♀にとどまりました.

2時間ほど観察したのですが,♂が♀に飛び乗ろうとはするのですが♀が拒否し,結局交尾ペアは採集できませんでした.

浜田にこれだけいるということから,福岡にもいる可能性は非常に高いのではないでしょうか.

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者:himajin 投稿日:2017/03/04(Sat) 22:21:08 No.9750  引用 
さんご様
19個体もですか・・・!?
こっちは1匹見つければ嬉しさのあまり涙が出るレベルでいません・・・・。
温度的にも昨日今日と温かい方だったので多分それなりに発生してるのではと期待したんですが・・・・。
こっちは供給される海藻の量が少ないためなのか、
それとも海藻が砂に埋れやすいためなのかは分かりませんが
半乾きの海藻に遭遇すること事態が少ないのです。
やはり環境が良ければたくさんいるものなのですね・・・。無茶苦茶羨ましいです!

>半がわきの打ち上げ海藻の上や周りにいて,ちょうどハナバエ科と同じような行動をとっていましたが,一回りから二回り大きかったです.
まさにその通りで好ましい海藻であるならばそれに執着するかのように戻ってきますよね。
だからこのハエの好む状態の海藻が多くあれば多くあるほど採集するのは容易いのでしょうが、
好ましくない状態の海藻の上にいるものはすぐに何処かへ行ってしまいます・・・・。

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者: 投稿日:2017/03/04(Sat) 22:58:22 No.9751  引用 
himajin 様

どうもです.

2年前は,ただ目の前にとんできたものをとらえただけで,海のものとも山のものともわからないまま,あてもなく浜辺をさまよって,その1匹のみしかえられなかったのですが,今回はお教えいただいた情報をもとに,的をしぼって探したのがよかったようです.

ちょうど浜辺の清掃が行われたあとで,海藻やごみも非常に少ない状態だったのですが,そのあとに打ち上げられた数少ない海藻の山に,こぞって集まってきたのかもしれません.そこいらじゅう海藻だらけだったら広い範囲の捜索が必要となり,ポイントが絞れず,集められなかったかもしれません.

同じ浜でもいるところといないところがあって,いるところには次々に集まってくる感じでした.おっしゃる通り好みの海藻の状態が決まっている可能性は十分考えられますね.好みが分かれば集中的に採集することができるようになるかもしれませんね.今回はたまたまそれにあたったのかもしれないです.

時期的にも当りだったのかもしれません.ゴヘイニクバエの例では,山口・島根は新潟より1か月ほど早く発生するようですので,石川県ではもうすこし後になるのかもしれません.

ではまた.

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者:三枝豊平 投稿日:2017/03/06(Mon) 17:27:22 No.9752  引用 
さんご様

浜田でのケブカハマバエの生態など貴重な情報をお寄せ頂きまして、大変参考になりました。多数生息するようでしたら、幼生期の調査などできれば、と思っています。湿らせた海草を容器にいれて雌を放つ方法などで産卵等観察できれば、幼虫の飼育なども可能かと思います。浜辺でどのような幼生期の生態をしているか大変興味があります。
岩礁性のアシナガバエ科の多くの属やベッコウバエ科のOedoparena等の幼生期は比較的安定した岩礁での生態ですので、かなりわかっていますが、砂浜の双翅類の生態は、生息場所が不安定で、渚から内側の草本帯までかなり不安定な生息場所だけに、双翅類の幼生期がどのようになっているか、知りたいところです。

なお、御地で採集された標本をいくらかご恵贈いただければ、論文をまとめる際に研究させていただけると思います。宜しくお願いします。

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者: 投稿日:2017/03/06(Mon) 17:55:13 No.9753  引用 
三枝豊平 様

いつもお世話になっております.

幼虫期の生態,大変興味深いテーマですね.砂浜の環境はとても不安定なようですね.前日とすっかり様子が変わっているようなことはよく経験します.

山口県の貧弱な砂浜では,まったく採集できませんでしたので,島根県や石川県のような規模の大きい砂浜(+後浜?)が個体群の維持に必要なのかもしれません.「絶滅の心配はなさそう」と書きましたが,撤回させていただきます.逃げ場が必要であったり,ある群が全滅してもほかの群が生き残るなどのためには大きな砂浜が必要なのかもしれません.

標本のほうは喜んで提供させていただきます.自分用と大阪自然史博物館用に少しだけ残させていただいて,それ以外はすべてお送りさせていただきます.ラベル付けが終了し次第,郵送させていただきます.

今後とも,何とぞよろしくお願い申し上げます.

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者: 投稿日:2017/03/12(Sun) 01:12:13 No.9754  引用 
himajin様、茨城@市毛様、三枝豊平様、さんご様
青森県下北半島太平洋岸小田野沢で、2017.03.11にコンクリート岸壁にいたものです。これはケブカハマバエでしょうか。毛深すぎますが。


Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者: 投稿日:2017/03/12(Sun) 01:13:45 No.9755  引用 
翅がよく見えるように

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者:さんご 投稿日:2017/03/12(Sun) 16:24:24 No.9756  引用 
おーやぎ様

貴重なお写真をどうもありがとうございます.

おおーっ これはーっ!!!

かなり似てますね.

しかし,日本海側のものと比べて,胸背部などの毛の生え方が尋常じゃないです.同じ科の別種でしょうか.

面白くなってきました!

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者:はむし 投稿日:2017/03/12(Sun) 20:30:20 No.9757  引用 
私も参加させてください.本日,出雲市の砂丘海岸で撮影・確保しました.
ホンダワラ類の漂着が少なく,限られた場所でのみ少数個体が見られました.今週の水曜にまた海が荒れるようですので,新たな海藻の漂着に期待したいです.
少ないですが,三枝先生にお送りします.


Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者:三枝豊平 投稿日:2017/03/12(Sun) 23:45:02 No.9758  引用 
おーやぎさん。お久しぶりです。写真で見る限りHelcomyzidaeだろうと思いますが、日本海側のに比べると明らかに頭部や胸部の毛が密生しています。宜しかったらこの標本を見せてください。また、現場に行けるようでしたら追加標本を採集してみてください。
これまでの記録ですと、北米西海岸、イギリスなどおヨーロッパ北部、地中海北岸とそれぞれの場所に1種です。

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者:三枝豊平 投稿日:2017/03/12(Sun) 23:53:06 No.9759  引用 
ハムシさん。出雲にもいましたか。himajinさんの投稿で続々と新しい産地やおーやぎさんのように別種らしいものも採れて、本掲示板や双翅類談話会の効果抜群ですね。素晴らしいことです。
ハムシさんからお送りいただける標本も論文に含めさせてください。このように皆さんが採集されていますと、論文の完成がのっぴきならない状態になりました。昨年は事情でほとんどハエの研究が出来なかったのですが、昆虫学会で発表した時に大よその調べはしてありますので、この春頑張って仕上げます。

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者: 投稿日:2017/03/13(Mon) 00:05:29 No.9760  引用 
三枝先生、今日も行ってみました。こちらは雪がまだあり、昨日と違い寒い一日でした。一匹、これとおぼしきものを見つけましたが写真をと思って近づく間に逃げられました。
20kmぐらい北へ移動し、漁網を積み上げたところで、今度は最初からネットで採集しました。定置網だと思いますが、海藻らしきものが絡みついた漁網を利用しているのかと思われました。標本をお送りします。よろしくお願いします。

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者:himajin 投稿日:2017/03/13(Mon) 10:29:16 No.9761  引用 
おお知らぬ間に新情報が続々と!出雲に青森に・・・!
しかも青森産のは頭部背面や胸部背面が明らかに剛毛が発達しているのが凄い!
積み上げられた漁網に絡みついた海藻を利用しているというのもなんか渋いですね!
私もあれから観察を続け、ついに日曜日、発生のピークに遭遇することが出来ました。
最初は雀の涙ほどしかいなかったので、もし自分の行動で・・・とヒヤヒヤしていたのですが
1つの海藻に5個体ほど集まっている様子を見かけてホッと胸を撫で下ろしたのでした・・・。
本当によかった・・・。

今回採集した日本海産の個体のなかで一番剛毛が発達した個体を添付しておきます。
金髪剛毛が炎を身にまとっている様に見えるのが素晴らしいと思います!


Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者:himajin 投稿日:2017/03/13(Mon) 10:57:42 No.9762  引用 
それと少しボヤケてしまったのですが交尾写真でも掲載させて頂きます。
交尾は特に何らかの求愛ディスプレイが行われることはなく、
二匹が互いに海藻に引き寄せられて行われました。
しかしながらこのようにカップル成立となるのは運の良い連中だけです。
実際は交尾不成立がかなり多いのです。非常に厳しい世界でした。


Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者: 投稿日:2017/03/13(Mon) 22:06:10 No.9763  引用 
hmajin様,皆様

興味深いお写真どうもありがとうございます.

この金髪ふさふさの画像は衝撃的ですね.

少し前に話題になった人物を思い出したのは私だけではないはずです.
こんなのが空を飛んでいると思うと,いじらしい感じがします.生態写真の表情もかわいらしいです.ますますこの虫が好きになりました.

また何か情報がありましたらよろしくお願いします.

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者: 投稿日:2017/03/13(Mon) 23:56:55 No.9764  引用 
himajinさま、「漁網についた海藻らしきもの」を本日確認してきました。漁網会社の人によれば、ベニウミクダヒドラ、wikiによればベニクダウミヒドラというヒドロ虫の一種だそうでした。海藻ではなかったのです。

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者:himajin 投稿日:2017/03/14(Tue) 05:10:57 No.9765  引用 
さんご様
確かに某国の大統領の髪に似てますね!
この種の魅力は翅を振り上げた時にその間から見えるキンパツにあると思い何度か撮影しているのですがなかなかうまく行きません。
近い構図の写真は撮れたのですが、交尾写真よりもピンボケしてしまいトホホな出来となりました。
今後情報があるかどうかは分かりませんが何かありましたらまた投稿させて頂きます。

おーやぎ様
Lorenzo Munariの 『REMARKS ON HELCOMYZA MEDITERRANEA (LOEW, 1854) (DIPTERA, HELCOMYZIDAE)』という文献で
死肉食性だとか打ち上げられたクラゲを餌にするというような記述が書かれてたようなきがします。
英語版Wikipediaにも打ち上げられた有機物にも集まってくるとかかれていますね。
カメラで撮影するために砂浜で座っているとハネカクシやイソハナバエと一緒にこの種も集まってくるのが観察できました。

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者: 投稿日:2017/03/15(Wed) 23:42:13 No.9766  引用 
スレッドの皆様、おじゃまします。

皆様の書き込みを参考に、3/11-12に新潟市の海浜で探してみたところ、それらしきハエが見つかりました。

ここの浜は打ち上げられた海藻が溜まるような場所はなく、写真のようにホンダワラ類と思われる海藻の塊や切れ端がぽつりぽつりと落ちている状態でした。himajinさん、さんごさんが観察されたのと同様に、海藻にイソハナバエの仲間の♀が多数集まっている中に少数混ざっている状況でした。

11日は浜に出てじきに曇ってきてしまい、1♂しか採集できませんでしたが、12日は晴れて気温も上がり、10♂1♀採集できました。
体長はおおむね10mm前後で、12日に採集したうちの2♂は体がやや大きめでキンパツが目立つタイプ、残りはそれほど毛深くない感じでした。


Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者: 投稿日:2017/03/15(Wed) 23:47:08 No.9767  引用 
標本写真です。
両方♂ですが、左の方はそれほど毛深くありません。


Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者:三枝豊平 投稿日:2017/03/19(Sun) 13:58:41 No.9768  引用 
Himajinさんの投稿から始まって、Helcomyzidaeのたくさんの情報が本掲示板に寄せられまして、これまでほとんど注目されることのなかったこの大型のハエについて生態も含めて多くの情報が集まり、喜ばしい限りです。

先ず、おーやぎさんの青森県で採集されたハエの標本を多数お送りいただきました。掲示板に出された個体の他に、現地で更に採集されて多数の標本をご恵送いただきました。
本種は当初投稿された画像で見る限り、Helcomyzidaeに大変外観が良く似ていましたが、お送りいただいた標本を調べてみましたら、翅の前縁脈に亜前縁脈が接する部分にはっきりした切れ目がありました。また鬚剛毛vibrissaを備えていました。その結果本種はトゲハネバエ科の1種と同定できました。まだ、属まで調査する時間がありませんので、月末頃に詳しく見てみます。しかし、北米や旧北区のマニュアルでは本科の幼虫が海浜に生息すると言うことは書いてありません。もちろんフジツボについくベッコウバエ科のOedoparenaとも異なります。

さんごさんからお送りいただいた雌を含む多数の浜田の個体についてみてみますと、大型の個体は腹部や胸部側板、脚などの毛が長く、先端部が金色になっています。一方小型の個体は雌と被毛状態が全く同じで性的な相違はありません。この傾向はオオキドフタトゲバエやヒメフンバエと同様の傾向と思います。

Himajinさんが採集されてお送りいただいた金沢の多数の雄個体は、いずれも浜田産の個体の最も大型のものとほぼ同じ大きさでした。そして、一部のやや小型個体を除いて、すべて毛深く、また毛の先が金色になっていました。最近のhimajinさんが投稿された金髪の素晴らしい個体も大変毛深いです。金沢では多くの個体がこのように大型なのでしょうか。

猫又さんが新潟で採集された個体を投稿されています。新潟は私が故馬場金太郎先生の採集されて古い標本で初めて本科であることを確認できた場所です。再び同地で採集できて、嬉しいことです。馬場先生の標本は必ずしも良好な状態ではありません。多数採集されましたら、一部を御恵与いただければ大変参考になります。

おーやぎさんの個体がトゲハネバエ科でしたので、まだ太平洋岸ではケブカハマバエは採集されていません。海岸での海草の堆積が少ないのかもしれませんが、どなたか海岸近くにお住いの方は機会があったら注意していただければと思います。

これだけ各地にいることがわかりましたので、是非幼虫などの飼育をされてみてはと、ご提案します。湿って、少々腐敗するような海草類を食べているのかと思います。
私のサイドとしましては、学会発表の物を基礎にして、今回お送りいただいた多くの材料をもとになるべく早い時期に論文にしたいと思っています。

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者: 投稿日:2017/03/19(Sun) 20:24:10 No.9769  引用 
三枝豊平先生、皆様、太平洋岸のケブカハマバエです。浜辺の打ち上げ海藻や付近でやっと見つけました。
キンパツです。日本海岸とおなじでしょうかね。3枚のせます。まず一枚。


Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者: 投稿日:2017/03/19(Sun) 20:25:32 No.9770  引用 
2枚め

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者: 投稿日:2017/03/19(Sun) 20:27:06 No.9771  引用 
3枚目です。標本は後でお送りします。2017.03.19青森県東通村で採集です。

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者:三枝豊平 投稿日:2017/03/19(Sun) 21:43:39 No.9772  引用 
おーやぎさん、とうとう太平洋岸で発見されましたね。今度は間違いなくケブカハマバエです。しかも大型で金髪が目立つ個体ですね。おそらく日本海側のと同種と思いますが、北米のH. mirabilisと新潟のものでも、交尾器などの差異はかなり微妙ですので、日本海側と太平洋側の個体についての形態的に見た種の識別は困難であろうかと思います。標本をお送りいただけるとのこと幸甚です。Mathisさんが、Helcomyzidaeが太平洋のアジア側(広い意味でして、日本海側も含まれます)に分布していないと書いていましたが、今回の発見で日本本土に限らず千島列島や琉球列島、更に大陸の沿岸などで発見されることが期待されます。

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者: 投稿日:2017/03/20(Mon) 23:12:26 No.9773  引用 
三枝豊平先生、皆様、青森県太平洋岸側のケブカハマバエの写真です。2017.03.20撮影。ホンダワラのやや乾いたところに居りました。風で砂が飛びます。自分の口を閉じていても、細かいのが口の中に入り、砂を噛みます。ケブカハマバエは風上に向かって定位しますが、顔にあたれば嫌なものでしょう。なぜ毛深いかは動画を撮ってみて、飛砂を和らげるクッションにある程度なっているのではと感じました。

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者: 投稿日:2017/03/20(Mon) 23:14:22 No.9774  引用 
2枚目です

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者: 投稿日:2017/03/20(Mon) 23:15:56 No.9775  引用 
3枚目です。

Re: 石川県の海浜で見つけたハエ 投稿者: 投稿日:2017/03/20(Mon) 23:19:24 No.9776  引用 
4枚目です

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