体長はおよそ5ミリ。
メスなので検索表で亜属を探ることは出来ませんでしたが、こちらの掲示板の過去ログに腹部に藍色の金属光沢がある種類の投稿があり、「Anacrostichus亜属かもしれない」といったコメントをお見受けしましたので、本種も同じ亜属ではないかと推察しました。
採集直前の画像です。
? Empis (Anacrostichus) sp. ,Female
投稿された画像と採集場所から判断すると,Empis (Anacrostichus) cyaneivenris Frey ルリハラオドリバエの♀でしょう.
翅脈の異常は時折起こります.右翅の状態が正常で,左翅は二次的な脈でR4脈とR2+3脈が結ばれたものです.
三枝さま、ご教授ありがとうございます!
翅脈の変異は珍しいものかと思ってましたが、ときどき起こったりするものなんですね。これからは翅脈をチェックする際、左右で異なっていないか注意したいと思います。
19日の投稿で種小名の綴りに間違いがあります.訂正しておきます.
cyaneivenris は cyaneiventris です.nとrの間にtが抜けていました.青い腹部の意味です.
三枝さま、改めて御礼申し上げます。
英名の意味を考えることはあまりしないので、綴りの間違いには気づきませんでした。ありがとうございます。
お分かりの上の凡ミス入力と思いますが,掲示板を見ている方々のために,念のため指摘しておきます.
動物の学名は英語ではなくて,ラテン語またはラテン語化された外国語です.ギリシャ語系の言語もかなりラテン語化されて使われます.双翅目ではMuscaはラテン語でハエ類を意味しますが,オドリバエではEmpisはギリシャ語の蚊の仲間,Empisに近いRhamphomyiaはギリシャ語系で,Rhamphosは嘴,myiaは言うまでもなくハエ類です.cyaneiはギリシャ語系のkyaneosで,暗青色,ventrisはラテン語系のventer腹部です.通常複合語は同一語源のものを使いますが,Freyの命名のcyaneiventrisは混成語(混血語)になります.
変わった語源の属名ではチョウ類でミズイロオナガシジミの属名Antigiusがありますが,これは蝶類研究家で旧第三高等学校の故杉谷岩彦先生のSugitaniのローマ字をばらばらにして作成した語アナグラムです.同じくオナガシジミの属名Araragiやウラクロシジミの属名Iratsume,ダイセンシジミの属名Wagimoはいずれも日本語の古語をそのままラテン語の単数名詞として用いたものです.
申し訳ありません。「学名」と打つつもりが間違えたようです(汗)。
しかしながら、おかげで為になるお話が聞けました。
素人ゆえいろいろ可笑しな表現をすることがあるかと思いますが、今後もご指導のほどよろしくお願いいたします。
24日の私の投稿で,
「Empisはラテン語」 と書き込みましたが,これは間違いで,イエバエ科のMuscaと混同して間違った記述をした結果です.
その後訂正を行っていますので,訂正前のをご覧になった方はご注意ください.