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一寸のハエにも五分の大和魂・改
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Re: Xenotachina でしょうか 投稿者:ふかさわ 投稿日:2020/09/23(Wed) 23:12:05 No.10911  引用 

2020/09/22の午前2時くらいに、高尾山で元気に活動しているXenotachina属らしき子♀を採集しました。
特徴は大体No.8693の大宮様の記述通りです。
なので、少なくとも
X.tsushimensis ツシマヒメヤドリイエバエではなさそうです。

Shinonaga, Satoshi, and Motoki Sagara. 2016. “Six New Species of the Genus Xenotachina Malloch from Japan, with Known Species X. Tsushimensis Shinonaga (Diptera, Eginiinae, Muscidae).
という文献に載っている雌の検索表で同定を試みたのですが、当てはまる種はいなかったです。 間違っていなければ...。

次に、中国動物誌のイエバエ科のその1のXenotachina属の検索表を用いて同定しようと思ったのですが、♂専用のもののようなので調べられませんでした。

ヒメヤドリイエバエ属、初めてこの分類群の存在を知りました。
まだまだ解明度は低そうですね...。
面白いです。


Re: Xenotachina でしょうか 投稿者:ふかさわ 投稿日:2020/09/23(Wed) 23:16:13 No.10912  引用 
画像その2です。

Re: Xenotachina でしょうか 投稿者: 投稿日:2020/09/24(Thu) 22:41:17 No.10917  引用 
ふかさわ様

Kurahashi and Sagara (2017) でも,検索表の構成はShinonaga and Sagara (2016)とあまり変わりません.
後腿節の剛毛が見えませんが,やはりメスが判明している限りでは落ちないと思います.

この仲間は単発でしか採れない時と,まとまって採れる時との差があるように思います.
Xenotachina でしょうか 投稿者: 投稿日:2013/12/29(Sun) 22:46:31 No.8691  引用 
今年もあと残りわずかで、お世話になりました。
年末で忙しい方もみえるかもしれませんがまたよろしくお願いします。

採集場所は岐阜県海津市南濃町、採集日は2013年10月14日、体長7[mm]です。
林道わきの湧き水の周りにコケが生えていて、その上にいました。
日陰の場所であるうえに雲が出てきて、フラッシュなしでは撮影は不可能な状況でした。
写りが白くなるので、フィルムケース型容器をフラッシュの発光部にあてがって、光を調整しました。
何度か光を当ててもしばらくは静止していましたが、脚場を踏みかえ始め、逃げられる心配があり網をかぶせました。
しかし飛び立たず、先ほどの容器をかぶせて中に入れました。


Re: Xenotachina でしょうか 投稿者: 投稿日:2013/12/29(Sun) 22:47:30 No.8692  引用 
以前にも同じようなハエを撮影したことがあり、その時は採集するつもりはなく、採ってはいけない場所でもあったのですが、
こういうのがヒメヤドリイエバエだろうかと気になっていました。
今回捕まえてみてメスだったのですが持ち帰りました。


Re: Xenotachina でしょうか 投稿者: 投稿日:2013/12/29(Sun) 22:48:20 No.8693  引用 
meronには列にならない不規則な剛毛があり、
CuA+CuP脈は脈そのものも隣の何か色がついているのも紛らわしいですが、翅の後縁に達する前に終わっています。
もう片方の翅はしわがよって観察しにくいです。
小盾板の下に細毛もないのでハナバエ科ではなさそうです。

日本のイエバエ科で、翅側板は裸、後脚脛節の後背面先端1/3に剛毛はない、下側板に列にならない剛毛がある、
となると、Eginiini になりそうです。
(後脛に後背剛毛は2本あるのですが、Phaoniaのcalcarのようなものではないようです。)

103ページのPhaoniinaeの検索表で、
下側板は何本かの毛が上部にあり、前縁脈はM1+2脈の端で終わり、ia0+1でXenotachina になります。

しかしXenotachina tsushimensis ツシマヒメヤドリイエバエではないような気がします。
胸部あたりの剛毛は問題ないのですが、
脚の剛毛はかなり寝ているものがあり見にくいながらも、一致しないものがあります。
そしてぱっと見でもわかる色ですが、記載では胸部は完全に黄色、腹部は黄色のはずで、背面に模様があるとは書かれていません。
しかし中心線に沿って黒い線や紋が入ります。
カラープレートは側面のみで似ていると思いますが、ご存知の方がいらっしゃったらこれは違うと言われるかもしれません。


Re: Xenotachina でしょうか 投稿者: 投稿日:2013/12/29(Sun) 22:49:05 No.8694  引用 
中国蝿類も見てみました。839ページからの検索表で、
1でハナバエ科を除外し、
2で翅側板は裸で、
25でヒメイエバエ科を除外し、
しかし26で腹胸側剛毛が二等辺三角形の配置だとCoenosiiniに行きそうになりますが、それはちょっと違うと思います。
体毛は疎らで小さいとは言えず、逆に腹部は地毛が目立ちます。
もし27に進むなら下側板に剛毛が散生し、M1+2脈は直線、線後背中剛毛は3対、メスは額内交差剛毛がない、第九背板存在、
これでEginiini になります。
28で前胸腹板は裸、
29で前縁脈はM1+2脈の末端に達し、翅背剛毛1、単眼剛毛小さく、雄についてはとばして、メスの第九背板分離、
これでXenotachinaに行けないこともないかと思います。

産卵器は今見れば引き出し不足です。乾燥させたらさらに引っ込みました。
先端の二つの出っ張りがcercusで、その手前の2対の毛が生えているのが第9背板なら、分離しているように見えます。
X. tsushimensis は収録されておらず、属内の種の検索表はオスについての記述が出てくるのでたどることはできません。
メスの産卵器の図も無いので比較できません。

日本の既知種の分布は対馬ですが、
中国でFanが1992年にたくさん記載したようで、まだ未解明なところが多いかもしれません。
Xenotachina の何かかもしれないと思っていますが、
気になるのは下前側板の剛毛の配置の事と、背面の模様の事です。
何かコメントをいただけたらと思います。
よろしくお願いします。


Re: Xenotachina でしょうか 投稿者:茨城@市毛 投稿日:2013/12/30(Mon) 15:56:47 No.8695  引用 
大宮様.

大宮様の記述を見ると,Xenotachina属で合っていると思います.
(中国動物誌のEnglish Summaryを見ると,前縁脈や単眼剛毛は "Costal vein usually not reaching to the apex of m1+2 vein", "ocellars usually strong" と例外があるとしているので注意が必要です)

中国動物誌(Fan, 2008)では,Xenotachinaは21種まで増えています.

ヤドリイエバエ類もまだまだ研究途上のようで,未記載種が色々いるようです.

Re: Xenotachina でしょうか 投稿者: 投稿日:2013/12/30(Mon) 23:52:28 No.8696  引用 
茨城@市毛様

合っていると思われるとのことで、よかったです。

中国動物誌の情報ありがとうございます。
前縁脈については、以前にSyngamopteraのスレッドで、微妙な形質であるとのコメントがありました。
今回は途中で太さや濃さが変わっていますがM1+2まで届いているようです。
単眼剛毛はそれほど小さいとは言えないかもしれません。
また似たようなものが採集できた時の参考にもなり感謝します。

中国語の書籍については、図書館では置き場所のためなのか、一般の社会人が請求できない種類の閉架になっています。
何冊かは購入しました。
つい最近になって、亜東書店の名古屋支店が図書館のすぐ近くにあることを知りました。
でも購入するかどうか決めていない段階での取り寄せはできないかもしれません。

今回の採集場所のもう少し上では、2010年の4月と2011年の5月に、Syngamopteraに見えるハエを撮影しています。
実は今年は狙って探したのですが見当たりませんでした。
採集できたら投稿してみたいと思います。

ありがとうございました。

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