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今回は「日本のイエバエ科」で調べました。 岐阜県海津市南濃町。標高70[m]位。2013年4月5日。体長11[mm]です。 林道の登り口の木漏れ日のあたった所に何匹かいました。 木の幹にもいましたが、遊歩道わきの丸太の上で場所の取り合いをしているようでした。
死んだ時は腹が膨れていて腹板がきれいに見えたのですが、3日後位から急に変形してだんだんとつぶれました。 腹部が折れ曲がってゲニタリアが後脚の膝の間にきたので、最低限撮影できるようにピンセットで引っ張りました。 何かの方法でゆっくり乾燥させるなど、変形しないやり方はあるのでしょうか。
Phaonia属の検索表は、 1 口上板は髭剛毛角の間で突出していない 5 横溝後背中剛毛は4対 31 腹部は暗褐色または黒色 32 横溝前正中剛毛はない 38 体は灰色がかった粉に被われる 39 小盾板は完全に黒色 41 腿節は完全に暗褐色か黒色 と進んで、P. honshuensis ホンシュウトゲアシイエバエになりました。
(検索表の番号のつながりだけ見ていると、英文の方では9の後半から20ではなく21に行けば、重複やもれがなくなるのかなと思いました。)
第5腹板は死んですぐに撮っておいてよかったです。 138ページのText-fig.30.のd-fに図がありますが、今回もcerciの形がしっくりきません。 surstylusのほうは、微妙な長さやカーブは違うかもしれませんが、 他種と比べて大きく、だいたい長方形に近い形で、根元はくびれている、と表現するとかなり似ていると思います。
記載と比べると、ac0+1のはずが、後acが左だけ立ち位置がずれて2本あり、これは片方だけなので部分的な剛毛の異常だと思いました。 下側板に毛があるとあって、何だろうと思い見てみると、後気門の前に細かな毛がありました。 脚の剛毛は中脛の後方向に2とありますが、微妙に角度を変えて3本あります。2枚目の写真では前脚のふ節と重なっている所に真ん中の剛毛があるのです。 なかなか全てぴったりというわけにはいきませんが、おおざっぱには近いと思います。
HolotypeとParatypesを見ると、4月や5月なので、時期は一致します。 採集地の中に愛知もあり、今回の採集地も不思議ではないと思いました。 古いものは1960年代から書かれていますが、記載されたのは最近になって2003年なので、なかなかありがたい本だと思いました。 買ってすぐは難しいという印象でしたが、だんだんと面白くなってきました。
たくさん比較したわけではないので難しいとは思いながらも、何かお気づきのことがあればよろしくお願いします。
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