46419789
一寸のハエにも五分の大和魂・改
[トップに戻る] [通常表示] [アルバム] [留意事項] [ワード検索] [過去ログ] [旧過去ログ] [管理用]
1: 小笠原の海のユスリカ? (2) / 2: Bicellaria早春のヒメセダカオドリバエ? (3) / 3: ヒコサンアリヅカノミバエAenigmatias gotoi Disneyでしょうか? (3) / 4: ムシヒキアブでしょうか? (7) / 5: ハネオレバエ(ハネオレホソバエ)でしょうか?? (1) / 6: ハネナガケブカミバエでしょうか? (6) / 7: ハナレメイエバエ科でよいでしょうか? (0) / 8: ハネフリバエ (2) / 9: 砂浜の、ConchopusとPlatypulpus (4) / 10: Elaphropezaケズネクサハシリバエでしょうか? (3) / 11: Conchopus saigusaiゲンカイシグマクチナガイソアシナガバエですか? (6) / 12: オドリバエ科の何かでしょうか?? (1) / 13: オドリバエ科のDolichocephala属でしょうか?? (2) / 14: オドリバエ科の何かでしょうか?? (2) / 15: シダコバエAnthomzidaeでしょうか? (3) / 16: 名前がわかりません (2) / 17: くりのけらClinoceraでしょうか? (0) / 18: ネジレオバエでしょうか?? (2) / 19: 鎌状の前脚オドリバエCheliferaでしょうか? (3) / 20: Crossopalpusホホナガハシリバエですか? (0) /


[ 指定コメント (No.8144) の関連スレッドを表示しています。 ]

奄美大島のハエ 投稿者:やまちゃん 投稿日:2013/03/15(Fri) 20:33:49 No.8137  引用 
お願いしまーす。どなたかお詳しい方、教えてください。
3月13日に、奄美大島の水たまりの上で群れ飛んでました。
肢が長く、立派な生殖器を持ってます。


Re: 奄美大島のハエ 投稿者:バグリッチ 投稿日:2013/03/15(Fri) 21:47:48 No.8138  引用 
やまちゃん様、こんにちは。

 画像の種はおそらくアシナガバエ科のナミアシナガバエ属(Dolichopus属)の一種と思います。
 奄美大島にどのようなナミアシナガバエ属が生息しているのか知らないのですが、ナミアシナガバエ類の多くは金緑色で脚が長く、オス生殖器が大きい、というの同じような外観ですので、ゲニタリアをはじめとして詳細を観察しませんと、おそらく種まではわからないと思います。(それでもわかりませんが・・・)
 北隆館の図鑑には沢山のアシナガバエ科の種が出ていますので大変参考になりますが、画像の種と思われる種は出ていないと思われます。
 双翅目談話会の会誌『はなあぶ』NO.32-2とNO-34 に関東のアシナガバエの交尾器の略図が出ている報文が出ていますので参考になると思います。

 コメントに『水たまりの上で群れ飛んでました』とありましたが、Dolichopus属が群れ飛んでいる様子は見たことがありませんので、興味深いです。
 だいたい、水辺にいて、飛んだり止まったりしていて、オドリバエのように長時間飛んでいる様子についてのはっきりした記憶はありません。
 今年はもっと観察してみたいと思います。

Re: 奄美大島のハエ 投稿者:やまちゃん 投稿日:2013/03/15(Fri) 23:24:05 No.8139  引用 
バグリッチ様:

これはまた早速の詳しいご教示、どうもありがとうございます。私も当初アシナガバエかな?と思いましたものの、東京にいる奴とはかなり違う様子でしたので、お尋ねさせて頂きました次第です。採集の際には、ネットが水で濡れないように底をつまみ上げながら、水面ぎりぎりのところでササッと左右に往復させましたところ、一度に数十匹が採れました! 珍しい光景だったのであれば、ビデオ撮影しておけば良かったな、と思っております・・・。

なおですが、私は「やま+ちゃん」でして、「やまちゃん様」とお呼び頂きますと敬称が重複しますので、「やまちゃん」で止めて頂くのでなければ、「やま様」になりますでしょうか・・・どうかよろしくお願いいたします(さかなクンさんの件と同様であります)。いや、ばかばかしいことを申し上げました。やはりどうでも結構です。

Re: 奄美大島のハエ 投稿者:アノニモミイア 投稿日:2013/03/15(Fri) 23:44:00 No.8140  引用 
本種はバグリッチさんが回答されていたように、アシナガバエ科のDolichopus属の1種です。本州西部から奄美大島、沖縄本島にかけて広く分布する普通種です。

♂の翅の前縁脈(翅の前縁部)が著しく肥大し、翅のM1脈が途中で2回直角に屈曲してその部分から短い距脈を生じ、♂腹端の尾角突起が大型でほぼ三角形をしているのが、本種の特徴です。
最近出版された中国のアシナガバエ科の総説(これは台湾産も含めています)にも含まれていません。研究不十分ですので断言はできませんが、未記載種の可能性もあります。

Dolichopus属のアシナガバエは多くは湿地性のもので、湿原、停留水の湿地、道のかなり永続的な水たまり、路傍から流れ出した緩やかな流れの湿地などを主要な生息場所にしています。一般に多数の個体が一か所にみられることが多く、湿地の上を歩きながら、湿地中のおそらくほかの昆虫の幼虫などを捕えて摂食しているものと思います。♂は♀を見つけると多くの種ではその上空5−10cmほどの空間に短時間ホバリングしながら、♀の関心を引くような前後飛翔のような特殊な飛翔を行ったり、脚の動きなどをした後に雌の背後に静止し、交尾を促す、という行動をとります。この際にはやや長い時間(と言っても数秒程度ですが)空中にとどまります。それ以外は地表ギリギリに短距離移動のときに飛翔するか、驚かされた場合に同様に低く飛翔して周囲の草の上などに逃れます。
そのためにやまさんの採集方法はこの仲間を採集するのにはもっとも適した採集方法です。

Re: 奄美大島のハエ 投稿者:バグリッチ 投稿日:2013/03/16(Sat) 09:01:18 No.8141  引用 
アノニモミイア様
やま様

 おそらく、アノニモミイヤ様が書かれた『交尾を促す、という行動』と思われる行動の画像です。
 画像はツマグロナミアシナガバエとされる種ですが、メスの後ろにオスが止まり、交尾器を前に伸ばし、翅を左右に広げてちらちらとr動か続ける行動をとっています。
 5秒程度続けた後、前に進んで交尾に移ります。

 残念ながら、この画像の前方の個体はオスです。
 後ろのオスがは、前方の個体をメスと間違えて しまったようです。


Re: 奄美大島のハエ 投稿者:やまちゃん 投稿日:2013/03/16(Sat) 15:13:40 No.8143  引用 
アノニモミイア様:

これはまたさらにお詳しいご説明をどうもありがとうございました。お陰様でもう必要以上に知り過ぎてしまいました。生息状況のご説明もまさにそのとおりでして、まるで私が採集するのをアノニモミイア様が背後から見ていたのではないかと・・・。ともかく、ご親切なご解説、大変勉強になりました。

なおですが、「奄美大島、沖縄本島にかけて広く分布する普通種です」という出だしで、私の心は傷ついてしまいましたが、「未記載種の可能性もあります」という続きで天空に上りつめました! もしも逆順序で説明されていましたら、もう第3次世界大戦ものだったかも知れません・・・。

Re: 奄美大島のハエ 投稿者:やまちゃん 投稿日:2013/03/16(Sat) 15:25:06 No.8144  引用 
バグリッチ様:

これは珍しいお写真をおありがとうございます! オス同士の間違い交尾行動、素晴らしいですね。私もこんなのを撮れればうれしかったのですが、なにしろ飛び続け、待てど暮らせど止まる気配がないくらい水面を激しく行き交っており、私もカメラを構えていたものの、短気を起こして一網打尽してしまいました・・・。

なおですが、最初のお返事で、バグリッチ様はこいつをご覧になられたことがないのかな?と優越感に浸っておりましたが、しっかり私以上に観察撮影されていましたことに、恥じ入っております・・・。いや、実を申しますと普通種であることは分かっておりましたのです。あんなものが珍種だったら、世の中どんだけ甘いのかと・・・。ともかく、貴重なお写真、どうもありがとうございました。

処理 記事No 暗証キー

- Joyful Note -
- Antispam Version -