あまり変わり映えしませんけど、もう1枚です。
画像のハエはニセヒメコバエ科PseudopomyzidaeのTenuia属の1種です.大変珍しいハエで,T. nigripes Malloch, 1927がフィリピンから記録されています.私は日本から台湾,中国にかけての標本を持っていますが,複数種を含むようです.まあさんの投稿文から判断すると撮影だけで採集はされなかったようですが,残念なことです.日本産の標本は熊本県や山梨県の山地で採集した少数の標本を持つだけです.
いずれにしてもあなたの画像はこの科の大変貴重な生態写真です.
なお,この科ではほかに沿海州から記載されたPolypathomyia stackelbergi Krovosheina,1979が北海道から九州まで分布していますが(報文としては未記録です),これもかなりの稀少種です.
ニセヒメコバエ科というのがあるのも知りませんでした。
聞いてみてよかったです。ありがとうございます。
1方向の写真じゃちょっと無理がある気もしてたので嬉しいです。
そういえば、ここで見たのも1度きりでした。
生態のことは全然わかりませんが早春の頃に見た虫は晩秋にもいることが多々あるので、探してみたいと思います。
あなたの写真で,頭部の色彩斑紋と,もう一つ重要な形質は小楯板(胸部の後にある逆三角形ないし半円形の構造)の後半部が白色であることがはっきりと写っていたので,確定できました.
背面に情報がそろっていたのですね。ラッキーでした。この頭部の色彩斑紋が似ているハエがもう1種いるのでこれも体形等似ていることから、ニセヒメコバエ科ということもありますでしょうか?写真は前よりよくないので、ダメもとで恥ずかしながら聞いてみたいと思います。こちらは10月下旬で大きさも5mmぐらいだたと思います。
場所:阿武隈山地標高500m
もう1枚貼りたいと思います。
まあさん.あなたが推察した通りこれもPseudopomyzidaeの1種です.No. 7913で書きましたPolypathomyia stackelbergiがまさにこのハエです.本種の生態写真もあなたのものが初めてだろうと思います.本種は時に樹液に飛来していることがあります.前脚の付節が部分的に白いのが特徴です.これからこれらのハエにであった時にはぜひ標本として採集しておいたください.
ニセヒメコバエ科のこの2つの属は似ているのですね。なかなか難しいです。ニセヒメコバエ科は小さいですが美麗種ですね。このハエを見てみたい方は、この辺は特別変わった場所というわけでもなく、同じような環境がひたすら続いてるような場所ですので、広葉樹林があるような場所で早春や秋に木の幹を見てみるといるような気がします。両種とも虫のあまりいない肌寒い頃に出会いました。ここは近くに川がありませんので虫も少なめですが、ちょっと川があれば虫もずいぶん多いのでそのような場所の方が見られる可能性も高いのかな?なんて思います。私もぜひもう一度会いたいです。
Tenuiaの標本写真です.山梨県甘利山,1992年6月27日採集.
Polypathomyia stackelbergiの標本写真です.中国陜西省1997年6月24日採集.
両種とも乾燥標本にすると平凡なコバエになってしまいます.生態写真はさすが生き生きとしていますね.
標本写真ありがとうございます。細かい相違点などさっそく探してみたいと思います。採集は6月下旬ですね。出会える季節も長いのですね。楽しみです。