おーやぎ様.
かなり変わった♂交尾器ですね. 三枝先生のコメント待ちですが,とりあえずオドリバエ科のKowarzia属に一票入れておきます.
オドリバエ科のClinocerinaeシブキバエ亜科には類似した属がいくつかあって、標本を検しないと正確を期することは難しいのですが、外観からだけ判断しますと、Trichoclinocera dasyscutellum (Saigusa)であろうかと思います。本種はAcanthoclinoceraという属の模式種として記載されたのですが、その後、この属がTrichoclinoceraのシノニムとして消えましたので、上記学名になっています。しかし、前述の通り多分というていどです。
茨城_市毛さま、三枝豊平さま、
ありがとうございます。 標本をお送りしますのでよろしくお願いいたします。 シブキバエ亜科とは、沢の上流で流れの落差の激しいところも続いていましたので環境的なものからシブキ・飛沫ということでしょうか。
おーやぎさんから送られてきた写真の個体の標本を調査したところ、間違いなくTrichoclinocera dasyscutellum (Saigusa)の雄でした。本属の特徴は翅のR1脈の背面に刺毛列があることです。シブキバエの語源は沢のしぶきがかかるような場所を生息場所にしていることです。
他の日本産Trichoclinoceraの種が、沢音のするような渓流の岩や石のしぶきや波のかかる部分で生活するのに対して、本種はどちらかと言えば森林内の細流のような緩やかな流れで生活しています。 本種が含まれるdasyscutellum群はTrichoclinocera属の中の一群で8種から構成され、ジャワ、インドシナ半島、北西インド、ヒマラヤ、中国(雲南、四川など)、沿海州、朝鮮半島、台湾、日本列島に分布しています(Sinclair, B. J. & Saigusa, T., 2005. Revision of the Trichoclinocera dasyscutellum group from East Asita. Bonner zoologische Beitraege, Band 53(2004): 193-209)。 |
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