先日,Sphegina(Sphegina) sp.5としていた標本を精査してみました.(茨城県の標高70m程の山間部で5月に採集)
前・中腿節に暗色帯を備えている点が原記載と異なっていますが,Sphegina(Sphegina) ozeensis Shiraki, 1968の可能性が高いことが判明しました.
また,オスの第3-4腹板には特徴的な黒色剛毛が多数見られ,S.(S.) spinventralis Stack.の可能性も高いようです.
なお,一見すると腹部背面の赤色斑からミヤマハナダカチビハナアブS.(Asio.) sp.4と混同し易く,注意が必要なようです.
市毛様
なるほど、Shiraki(1968)の記述と一致する点が多いですね。また、大石さんの資料のS. (S.) sp.4とも一致しているように思えます。
Sphegina亜属もまだ全体像がつかめませんね。
Sphegina(Sphegina) sp.5としていた標本が,今年は各地で採れました.今年採った標本は,大半が前・中腿節に黒色部を欠きますが,不明瞭な暗色部を持つ中間的な個体も得られました.体の黒化が進む(成熟する?)と前・中腿節の黒色部が濃くなるようです. これで,Sph.(Sph.) sp.5 = Sph.(Sph.) ozeensis Shirakiで間違いないようです.
なお,Sph.(Asio.) sp.4も前・中腿節に2パターンあり,検索表に工夫が必要なようです.
市毛様・皆様
やっとS. ozeensisの正体が明るみに出てきましたね。うれしいです。第4腹板の形状は特異ですねえ。まるでチョウのようです。Shiraki(1968)の記載ではこの形には触れていませんね。
ところで、同じ種を東京奥多摩の日原で先週末に採集しましたので画像を添付します。当然東京都初記録になります。卯の花に飛来していたSpheginaを30個体採集したうちの1頭です。他にはS.(S.) mikado, S.(S.) sp.1, S.(S.) sp.6, S.(A.) japonica, S.(A.) nitidifrons, S.(A.) freyana, S.(A.) sp.5, S.(A.) sp.8と計9種が採れています。S.(A.) sp.5は標高1000m未満にも生息することが確認できました。
なんにしても♀が難しいです。
pakenya様.
今年は,異様に春が遅かったりと例年に無い異常気象のためか,今まで採れなかった種類が採れる年のようです.
先週末は,S.(S.) verae以外は全てオゼハナダカチビハナアブでした.同時に採れた多数の♀も,オゼハナダカチビハナアブの可能性が高いのではないかと思います. S.(S.)で交尾中のペアを採集したのはミカドだけですので,腹板等にどのような違いがあるのか検討したいと思います.
Sphegina属も,インロー箱(大)の8箱目が一杯になり,9箱目に突入しました.一応,タコ採りした種類は,三角紙を丸めて包んだり小箱に入れたりして減量に努めているのですが,♀を採るようになってから増える一方です.
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