シギアブ科の1種であることは間違いないのですが,この写真だけでは確実に属までは同定が難しいようです.Rhagioシギアブ属の可能性が高いのですが,Chrysopilusキンシギアブ属かもしれません.また触角の状態が壊れていてよくわからないのでなんとも言えませんが,Symphoromyiaフトヒゲシギアブ属の可能性も否定できません.たくさん発生しているようですから,標本をお送りいただければ,詳しい同定ができると思います.
三枝豊平様
ご返事ありがとうございます。
シギアブの仲間なのですね。いろいろと調べてみたのですが、全く調べ方が足りなかったようです・・・・
触角については標本作成中に取れてしまったようです。触覚のついていたころの写真がありますので、そちらも乗せておきます。
捕まえて標本にしたものは1頭しかなかったのですが、週末にでももう一度探してみようと思います。
標本を送るとしますと、どちらにお送りすればよいでしょうか?
もう一枚背面からの全景も乗せておきます。
実際はもうちょっと背中の模様がはっきりしていました。
新しい写真拝見しましたが,やはり確信がもてませんので,標本をお送りください.住所はここに示してもいいのですが(日本昆虫学会の会員名簿にも出ていますし),この場は公開ですので,ひとまず本掲示板の管理人のハエ男さんにお尋ねください.彼からお聞きいただければ分かります.ハエ男さんの連絡先は,彼の本掲示板の投稿(No. 5061)を引用しておきます.
「サイト関連の連絡事項&古田あての連絡事項はしばらくの間(3月いっぱいまで・・)出来れば@hotmail.comの方にいただけるとありがたいです。もちろんアドレスのはじめはfurumusiです。」
または,この掲示板の元のハエ男さんのホームページにある,furumusi@aez.jp でも連絡がつくかと思います.
連絡がつきましたら,またここにその旨掲示してください.
ハエ男様と連絡がつきました。
先週土日で3頭ほど同一個体を採集することが出来たので、
今週中にでもお送りします。
うみぼうず様
到着しましたらひとまずご連絡します。到着次第調べて、その結果を直接あるいはこの掲示板上でおしらせいたします。
うみぼうず様。
標本無事到着しました。外観からちょっと見当が付かなかったのですが、シギアブ科Chrysopilus属の1種でした。本属はかなり種が多く、そのの多くは、体に金、白などの軟長毛を生じているので、一様に暗褐色の本種はやや異質な感じを受けます。種については、さらに文献で詳しく当って、分かりしだい連絡します。
標本を詳しく検討した結果、本種は本州兵庫県養父郡Takinoyaから1960年3月早期に採集された15♂1♀に基づいて記載された
Chrysopilus morimotoi Nagatomi, 1968
と同定できました。体色や毛が暗褐色であること、翅が煤色であることなど、普通のChrysopilusとはかなり感じが異なります。特に、第1触角節が第2よりはるかに長く、かつ肥大しているなどの点が重要です。他の日本産Chrysopilusでは、第2節は第1節とほぼ同じ長さか、それより長いと言う特徴を持っています。
本種のように触角第1節が肥大しているのはSymphoromyia属の特徴ですが、この属では第3節が腎形ですので、区別できます。邦産のこの属の唯一の種、Symphoromyia crassicornis (Panzer)は外観が今回のC. morimotoiに大変よく似ていて、この種は5月に入ると(本州の山地では6-7月)林縁の日当たりのよい草地などに、時には群生するほど多数現れます。なお、Symphoromyia属の種は北米には多数の種が生息し、私はアラスカで採集していたときに、腕や首筋をチカッと刺されたので、アブかと思ったらSymphoromyiaの1種でした。日本産のS. crassicornisは刺さないようです。
三枝豊平様
同定していただきありがとうございます。
シギアブ科のChrysopilus morimotoi という種類なのですね。了解しました。
少し変わった種?なのですね。最近同じような種が多数出現してきていますが、お話からすると異なる種かも知れないですね。捕獲して調べてみます。