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書き込んだ後に、私が見たものとよく似ているガガンボダマシのスレッドがあることに気がつき、同定がとても難しい世界と理解しました。翔の写真もなく、簡単に問い合わせてしまった自分を反省しています。
私のレベルでは、ガガンボダマシの仲間で納めようと思います。余計なスレッドを入れて、失礼しました<(_ _)>
EMUさん.ご心配には及びません.写真の精度や双翅類のグループによって,種は分からなくても,属,あるいは科までわかるわけですから,これからも双翅類の仲間で疑問に思うことがあったら遠慮なく投稿ください.今回の写真はずいぶん特徴的な種で,しかも種を決める特徴がよく出ています.
この写真がもし日本で撮影されたものでしたら,この双翅類はカバエ科(ハエカ科)のスズキカバエSylvicola suzukii (Matsumura, 1916)です.もし東南アジアなどで撮影された写真ですと,あちらにはこの種類によく似たのがいますので,本種ではないかもしれません.
属の名前(シルウィコーラまたはシルヴィコーラ)はSylvi+colaで森+住人の意味です,2番目の種名(種小名)suzukiiと(Matsumura)はこの後で説明します.この仲間ははじめカバエ(蚊蝿;カバイ)と名前が付けられました.蚊のような蝿の意味でしょう.しかし,実際はいわゆる蝿よりも蚊の仲間に体のいろいろなつくりが似ているので(例えば触角が細くて,大変長いでしょう.これはたくさんの節でできているからです),蝿に似た蚊の仲間と言う意味でハエカと言う名前を使っておられる先生もあります.しかし,これはまだ普及していないので,カバエでいいでしょう.
種名suzukiiスズキイというのはこの虫に名前を付けた北大の昆虫の研究室の初代の教授の松村松年という先生が,京都の鈴木元治郎さんの採集した標本を研究して,1916年に採集者の名前を学名にも和名にも付けたためです.「鈴木さんの」(男性)の意味です.(Matsumura)はこの先生の名前で,命名者といいます.丸括弧がついていますが,これはこの先生がはじめはこの種類をRhyphusという属にはいるとして発表されたのですが,その後属の名前が変わったことを示しています.1916はこの種に学名が付けられた著作が発表された西暦です.なお,厳密には学名は属名+種名で,命名者や命名年は学名の要素ではないのですから,Sylvicola suzukiiだけでいいです.
カバエの仲間は幼虫がさまざまな腐敗した有機物,主に植物質の中で生活します.かなり水っぽいものの中でも生きているようです.日本には数種(類)いますが,今回のスズキカバエは翅にずいぶんはっきりした模様があるし,後足(後脚)の腿に相当する腿節の中ほどが幅広いリングのように暗い色になっているのが特徴です.春先からあらわれて,自然に恵まれた場所ではしばしば家の中にも入ってきます.別にイエバエやオオクロバエのような衛生害虫でもなく,また蚊のように吸血もしません.特に人の食べ物に集まると言うこともありません.人畜無害です.成虫は唇弁をつかって液体をなめるようです.学名のように森林に多いものですが,近くに木立などがあるとそこにも生息しています.
EMUさん.できたらこの写真を撮影されたおおよその場所と日時を入れてください.
アノニモミイア(三枝豊平)さん、はじめまして。
早速お返事いただきながら、お礼が遅くなり、申し訳ございませんでした。
懇切丁寧なご指導、ありがとうございました。
スズキカバエという虫だったのですね。はい、私も、鈴木といいいますからそこへやってきたのかもしれません(^^)
場所は、愛知県蒲郡市です。撮影は今月8日です。
2000年にこの場所に家を建て替える前までは、植物にも生き物にも全く無関心な人間が一人住まいをしていて、住宅地の真ん中に、約300坪の放置された豊かな(?)自然が残されていました。
入居当時は、これまで目にしたことのない虫が沢山いましたし、ヘビやガマガエルも出没しましたが、快適な生活のために私がした「自然破壊」によって、そのどれもが姿を消しつつあります。今思えば、もっと調べておけばよかった・・とは思うのですが。
それでもまだ古木が残っているので、街中よりは、見慣れない虫の数は多いかと思います。
>これからも双翅類の仲間で疑問に思うことがあったら遠慮なく投稿ください.
ありがとうございます。今後ともよろしくお願い申し上げます。