57762671
一寸のハエにも五分の大和魂・改
[
トップに戻る
] [
通常表示
] [
アルバム
] [
留意事項
] [
ワード検索
] [
過去ログ
] [
旧過去ログ
] [
管理用
]
1: 不明なEpistrophe (5)
/
2: ニセジョウザンケイ? (3)
/
3: 興味深い有弁類 (4)
/
4: アシマダラブユ亜属? (2)
/
5: 4枚翅のハエ? (4)
/
6: ヤドリバエの仲間だと思うのですが (2)
/
7: ガガンボ類の幼虫でしょうか? (6)
/
8: トゲヒメヒラタアブでしょうか? (2)
/
9: 京都府で得られたショウジョウバエ (5)
/
10: 房総半島海浜のツルギアブ科(不明種?) (3)
/
11: 富士山のアブ (2)
/
12: クシツノアブ科について (2)
/
13: Eupachygaster tarsalisメス? (1)
/
14: ネグロクサアブ?の抜け殻 (7)
/
15: ミズアブ科?不明種について (5)
/
16: ハナアブ科不明種 (3)
/
17: Choerades amurensisでしょうか? (6)
/
18: Tabanus属? (2)
/
19: 無題 (2)
/
20: 無題 (3)
/
[ 指定コメント (No.5074) の関連スレッドを表示しています。 ]
シナホソカトリバエ?
投稿者:
アーチャーン
投稿日:2009/02/11(Wed) 10:50:56
No.5070
引用
昨年の11月10〜13日に東京都世田谷区西部で撮ったハエです(先日のウスイロアシブトケバエ(Bibio flavihalter)と同時同所で、近くにかなり水量のある泉が2個所あります)。非常に沢山いたので、何時でも撮れると思って油断をしていたところ、急に居なくなってしまい、結果として余り良い写真がありません。
高精度で撮影していないので剛毛の有無が明瞭でなく、また、翅を畳んで居るので翅脈も良く分かりません。そこで、Web上で画像を探したところ、カトリバエ類と似ている様です。
そこで今度はカトリバエ或いはLispeで検索してみると、此方の掲示板でNo.1013から始まる「Presumed Muscidae」と題するスレッドにバグリッチ氏が出されているNo.1020の写真(シナホソカトリバエ Lispe sinica)とよく似ておりました。
また、Acleris氏が出されている標本写真(No.5169、No.5170:Googleのキャッシュから)と較べてみましたが、頭部、胸部、脚の剛毛は基本的に一致している様に見えます。
「日本のイエバエ科」(先日遂に買ってしまいました)でLispe属内の検索をすると、些か怪しげではありますが(posterior bristleとは脛節端にある後ろ向きの剛毛なのか、脛節中央近くにある剛毛なのか良く分からないのですが・・・)、一応L. sinicaに落ちました。しかし、この写真から亜科、属レベルの検索をするのは一寸無理です。
シナホソカトリバエ(L. sinica)で正しいでしょうか?
Re: シナホソカトリバエ?
投稿者:
アーチャーン
投稿日:2009/02/11(Wed) 10:52:51
No.5071
引用
脚の見える写真
Re: シナホソカトリバエ?
投稿者:
アーチャーン
投稿日:2009/02/11(Wed) 10:54:22
No.5072
引用
斜め前からの図。
前脚の良く見える写真もありますが、3枚までにしておきます。
Re: シナホソカトリバエ?
投稿者:
茨城_市毛
投稿日:2009/02/11(Wed) 12:10:46
No.5073
引用
アーチャーン様.
ハエのことは判りませんが;^_^)
posterior bristleと書かれているのならば,後面に生えている剛毛のことと思われます.
Manual of Nearctic Diptera の図を貼っておきます.
このように独特の言い回しが多いので,基本的な文献を揃えていないと記載文などを読む場合に困ることがよくあります.
Re: シナホソカトリバエ?
投稿者:
アーチャーン
投稿日:2009/02/11(Wed) 13:23:37
No.5074
引用
茨城_市毛様:
わざわざ図を載せていただいて恐縮です。
少し説明不足だったと思いますので、もう1枚前脚の見える写真も貼ることにしました。
「日本のイエバエ科」のLispe属内の検索では、先ず最初に上(No.5070)に書いたposterior bristleが前脚脛節にあるか否かで分かれるのですが、写真を見ると、脛節端と脛節中程の2個所に後ろ向きの毛があります(No.5072の写真にもボケていますが写っています)。あるのだから何処でも良いとも言えますが、全然属を間違っている可能性もあるので、この内のどの剛毛が意とするposterior bristleなのかが気になっているのです。普通は脛節端にある方を指すのでしょうか?
Re: シナホソカトリバエ?
投稿者:
アノニモミイア
投稿日:2009/02/11(Wed) 15:52:45
No.5075
引用
あなたの写真の種はほぼ間違いなくシナホソカトリバエでしょう。西日本などではもっとも普通のカトリバエで、水辺に限らずやや湿り気のある低丈の草原には多産します。ご参考までに。
Re: シナホソカトリバエ?
投稿者:
アノニモミイア
投稿日:2009/02/11(Wed) 15:58:09
No.5076
引用
篠永先生のシナホソカトリバエに関係する形質の写真を数枚添付します。
Re: シナホソカトリバエ?
投稿者:
茨城_市毛
投稿日:2009/02/11(Wed) 16:03:22
No.5077
引用
アーチャーン様.
脛節の剛毛の場合,末端部の剛毛は別の名称です(apical bristles端刺, preapical bresitles亜端刺).
5074の前脛節で見えているのは,pv剛毛が1本とpdもしくはd剛毛です.
手前側が後面となり,ソケットらしきものが光っているので,p剛毛があるのではないでしょうか?
詳しくは,新訂大図鑑の脚部の解説に書かれています.
胸部と脚部の剛毛の名称を覚えないことには,一部の双翅目を除き同定が出来ません.また,ここが難関です;^_^)
Re: シナホソカトリバエ?
投稿者:
アノニモミイア
投稿日:2009/02/11(Wed) 16:10:08
No.5078
引用
頭部でパルプの色彩です。
Re: シナホソカトリバエ?
投稿者:
アノニモミイア
投稿日:2009/02/11(Wed) 16:11:34
No.5079
引用
中胸背板のdc剛毛です。
Re: シナホソカトリバエ?
投稿者:
アノニモミイア
投稿日:2009/02/11(Wed) 16:13:20
No.5080
引用
最後に腹部の第2-5腹節背板の斑紋です。以上の特徴が合えばシナホソカトリバエでしょう。
Re: シナホソカトリバエ?
投稿者:
アノニモミイア
投稿日:2009/02/11(Wed) 16:24:12
No.5081
引用
シナホソカトリバエ雄の全形です。なお、カトリバエ属の前脛節の後剛毛はやや後腹の位置にあります。先端の剛毛との違いは市毛さんの指摘のとおりです。最初の写真が左前脛節の後面の写真です。剛毛の名称を英語で入れるとなぜか迷惑メール扱いをされたので、やむを得ず漢字で書きました。
Re: シナホソカトリバエ?
投稿者:
茨城_市毛
投稿日:2009/02/11(Wed) 17:15:12
No.5082
引用
アノニモミイア様.
先日,迷惑メール用のNGワードを新しいファイルに更新したのでエラーとなったようです.該当するNGワードを修正しました.
御迷惑おかけしました<m(__)m>
以下,アノニモミイア様が投稿したオリジナルな文章です.
--------------------------------
シナホソカトリバエ雄の全形です。なお、カトリバエ属の前脛節のposterior bristleはややposteroventralの位置にあります。先端の剛毛との違いは市毛さんの指摘のとおりです。最初の写真が左前脛節の後面の写真です。
Re: シナホソカトリバエ?
投稿者:
アーチャーン
投稿日:2009/02/11(Wed) 17:44:55
No.5083
引用
アノニモミイア様:
詳細な御回答、有難う御座います。
No.5076の真ん中にある剛毛は、No.5074の前脛節ほぼ中央に見られる剛毛と同一と思われます。
パルプの色は両者(No.5072とNo.5078)でかなり違いますが、検索表では黄色か黒となっていますから、明らかに黄色の方に分があります。
横線前のdc剛毛は最初の背面からの写真No.5070で1本であることが確認出来ます。
腹部の斑紋は良い写真が無く、一寸難しい所ですが、No.5071の第3節後縁側面には白い部分があり、雌の模様に似ております。但し、此処に載せた写真は同一個体を撮ったものではありません。
我が家の辺り(東京都世田谷区西部)には、シナホソとトウヨウしか居ない様ですし、上記の考察を総合してこのハエはシナホソカトリバエとして問題ないと判断いたします。
有難う御座いました。
Re: シナホソカトリバエ?
投稿者:
アーチャーン
投稿日:2009/02/11(Wed) 18:00:36
No.5084
引用
茨城_市毛様:
御教示有難う御座います。
apical bristrle,preapical bristleは「The European Families of the Diptera」(数日前に届きました)に出ていました。これらの剛毛の方向を問題とするときは、dorsoapical bristle、或いは、dorsal-apical bristleとでもするのでしょうか。
脚の刺毛の方向は「脚を横水平に拡げた状態」で判断するとは知りませんでした。よく考えてみると、まだ、新訂大圖鑑の双翅目の解説(三枝先生が執筆されたと記憶しております)をキチンと呼んでいません。英語の本を買う前に、日本語の本をシッカリ読んでおくべきでした。反省、反省・・・。
処理
修正
削除
記事No
暗証キー
-
Joyful Note
-
-
Antispam Version
-