いつも聞いてばかりなので、同日に採ったミズアブを貼っていきます。
ハキナガミズアブですよね。
リストにも同属他種がいないのであっていると思うんですが。
ハエ図鑑にお使い下さい。
オドリバエはSyneches属の1種です.これはParahybos亜属が適用可能な種で,chiragra群という特殊な種群に属します.日本からはSyneches deformitarsis Saigusa, 1964が西表島と石垣島から記載されています.本土の種はこれとは別種で未記載です.これは本州から九州にかけて分布し,まさに盛夏に成虫が出現します.個体数が少ないものでして,私も10頭ほどしか持ちません.Aclerisさんが記述されているような脚の形態のほかに,腹部に長毛を生じますし,後頭部が他のSynechesとは異なって膨出し,CuA室(伝統的なanal cell)が長く伸びて尖ります(この形質のためにAclerisさんがHybos属に同定されたのでしょう).♀の脚は正常で,翅は透明感が強いです.この種群は台湾に2種棲息するほかに,東南アジアに分布し,私の手元にも数種あります.生態など一切不明でして,配偶行動でもわかれば♂の変わった形質の意味が分るかもしれません.
複眼の個眼が顕著に分かれる傾向がSyneches属ではしばしば見られます.本属の場合は上部がややあるいは強く扁平になり,その部分の個眼が著しく大きくなります(最も大きい場合は単眼より大きい).ここで上空を飛ぶ餌を見ているのでしょう.感覚生理学者に聞いても,大きい意義は知らないようです.
アノニモミイア様、詳細なご教示ありがとうございます。
Syneches属の1種とのこと、やはりシロウトの検索では迷子になってしまいます。
本個体は、画像に記載したように、神戸市の市街地から少し入った低山地で見つけました。
アラカシ、ニセアカシア、コナラなどが主体の雑木林で、標高は120m程度です。目の高さのコナラの葉の裏に、単独で止まっていました。
また、質問に伺うこともあるかと思いますが、よろしくお願いします。ありがとうございました。