触角鞭節は5節、後脚脛節には距棘がありません。
翅は基本的に透明で、ごらんのように顕著な模様があります。
額には明瞭な単眼瘤があり、複眼は極めて微細な微毛に密に覆われます。
ここまでは「日本産水生昆虫」でキボシアブ属に来るのですが、その続きに該当するものが無いようです。
複眼は生時緑で、斜めの筋模様が3本あります。
私のところにも同じと思われる大鹿村産の標本があるのですが、以前、双翅目談話会に持ち込んだときにアブ屋の米津さんが同定をしてくれてラベルを付けてくれていました。
それによるとニホンクロアブとなっています。
ということで、ニホンクロアブに一票入れます。
ただ、動薬研究のアブの記事では頭部の紋は結構微妙です。
ハエ男様
ニホンクロアブとのこと、ありがとうございます。
この和名は、日本産昆虫目録に登録されていないので「はなあぶ」を繰ってみると・・・ありました。20の春沢さんの日本産アブ科分布資料(5)にHybomitra stigmopteraとして収録されています。でも、この学名は、目録ではチョウセンクロアブとされていて、命名者と年号が違っています。どっちが正しいのかな?
種小名stigmopteraは、紋がある翅って意味ですよね。翅の特徴を表した種名ですね。
同じ種と思われるオスも6月の富士見高原で採集していました。いずれにせよ、分布記録は長野県内に集中しているようですね。私は、北日本の山岳を結構歩いているのですが、他の地方でこのアブを見たことはありませんでした。関東周辺でも探してみようと思います。
pakenya様、ハエ男様。
このアブは、鳥倉山にムチャクチャいた種類ですね。あまりにも多いので気味悪く感じました(^_^;)
本種の学名は、亜種を認めるかどうかで変わります。(当然記載年=年号や命名者名も!)
ここらへんは、極めて難しい問題ですね。
日本産昆虫目録は旧北区の双翅目目録同様、亜種fuji Murdoch et Takahashiをシノニムとしています。ちなみに基産地は亜種名通り富士山です。