はじめまして。日本自然科学写真協会画像掲示板でこれは、ヤドリバエの仲間ではないかときいたので、こちらにお伺いに参りました。なにもしらないのですが自然と生き物が好きです。よろしくお願いします。これは青森県で8月31日に撮影しました。
翅脈、亜小盾板があることから判断して、間違いなくヤドリバエ科のハエだと思います。
ただし、ヤドリバエ科は大変種類数が多く、現時点では日本産ヤドリバエ科の同定に使えるようなまとまった図鑑、検索表はありません。個別の原記載、海外の文献から判断するしかないのです。(最もヤドリバエ科が出てる資料の北○館、日本昆虫図鑑(改訂版)、では間違いだらけらしい・・それに関する文献は双翅学会会誌まくなぎNo.16 (Jan. 31, 1990)に嶌洪:「日本昆虫図鑑(改訂版)に記載されたヤドリバエ(高野, 1950)の同定」として出ています。 また、それらを海外の文献、記載文を見ても一発同定が出来るような種は少なく、体の剛毛、刺毛配列、♂交尾器の形状を見なければならない種が多いので、生態画像ではほとんどの場合、「ヤドリバエ科の一種」とせざるをえません。 ネット上で画像に種名がついてるヤドリバエ科の種類はごく一部のわかりやすい種類か、北隆館を参考にした同定としては?が付くものだと思われます。
ハエ男さん、ありがとうございました。特徴があると思っても剛毛や交尾器などを顕微鏡的に見ないと同定はできないものの方が多いのですね。
私はついつい動物の行動などを見ていて、その生態的な写真を撮りたいという風になってしまいます。現物は確保している余裕がないまま写していたのだけなので、これからはつとめて確保したいと思います。今後もまたこの掲示板には形態の判別できない写真でお尋ねする気持ちでいます。よろしくお願いします。
私の場合は画像に種名をつけて公開する場合は、撮影後に現物を捕獲して、顕微鏡で同定して、それを出すようにしています。画像だけの場合は種名は〜科の一種、〜属の一種、で止めています。大型双翅目であるアブ科でさえ、結構な種類があるので、触覚や頭部の複眼の間の紋を細かく見なくては正確な種名はだせません。
翅に紋があるものだと場合によっては見た目でわかる場合もありますが、ほとんどの場合はルーペや顕微鏡が必要だと思います。 今回は1枚目では雰囲気でしかわからなかったのですが、2枚目の画像ではヤドリバエ科の特徴である亜小盾板を明確に写っていたので、同定用の画像としては良かったと思います。
ハエ男様、おーやぎ様。
亜小楯板をGoogleで調べましたが、適切に解説しているHPが無いので、補足致します。 ハエの体を上から見た時、胸部の後に出っ張っているのが、小楯板(Scutellum)です。 http://www.nku.edu/~biosci/CoursesNDegree/ForensicFlyKey/flyanatomy.htm (2枚目の写真のScutellumと指された部分) ヤドリバエTachinidaeの場合、その小楯板の下側に位置する、亜小楯板(Subscutellum)という部位が膨らみます。 http://www.nku.edu/~biosci/CoursesNDegree/ForensicFlyKey/families.htm のFig. 9のよう膨らんでいるのが、亜小楯板です。
おーやぎ様。
これは、ハナダカハナアブRhingia laevigata Loew, 1858です。 このハナアブぐらいの大きさの場合は針刺しで大丈夫です。大体0〜1号ぐらいの針を推奨します。私の場合横着なので、針刺し用の0号と、台紙などを刺す3号の2種類しか持っていません。驚かれるかもしれませんが、小型のハエ〜大型のアブまで0号で刺してますm(__)m
市毛様、ありがとうございました。
おーやぎ様。
追伸です。しばらくぶりに日本自然科学写真協会画像掲示板を見てきました。日本産のヤドリバエ科は日本産昆虫総目録(1989)で407種収録されています。 1997年に発行された埼玉県昆虫誌の双翅目編で、総目録収録種以外と思われるものが100種類強記録されております。(spを含む) 現在、進められている日本産昆虫総目録第2版では、どこまで増えるか楽しみにしております。 |
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