交尾器の写真です。
写りがよくありませんが、同定ご教示よろしくお願いします。
HY様.
ムシヒキアブを細かく調べたことがないので,私の方では双翅目カタログに載っている沖縄に分布するマガリケムシヒキがNeoitamus fertilisだけであるという情報しか解りません.
出典を調べてみたのですが,Haupt&Azuma(1998)での記録が元になったようです.同論文ではNeoitamus fertilisだけが沖縄本島に分布するとなっています(沖縄本島の採集データがいくつも載っています).
Haupt,J., Azuma,S. 1998. Faunistic and taxonomic notes on robber flies (Diptera: Asilidae) from the Ryukyu Islands (Japan) with Descriptions of Three New Species, Molobratia triangulata, Choerades yaeyamana and Merodontina silvatica. Dtsch. Entomol. Z., 45: 33-42.
茨城@市毛 様
ムシヒキアブは難しいですね。
関連する文献もご教示いただいてありがとうございます。残念ながら、入手は困難なようです。
「双翅目カタログに載っている沖縄に分布するマガリケムシヒキがNeoitamus fertilisだけであるという情報」は大変参考になります。貴サイトの「ムシヒキアブ図鑑」に載っている♂交尾器の写真を見ると、イシハラマガリケムシヒキ Neoitamus ishiharai の交尾器に近い感じがします。本種のようなマガリケムシヒキの一種は、2014、2016,2020,2022,2023年に確認していますが、いずれも、3〜5月です。
いつも、丁寧なご教示に感謝しています。
HY様.
南西諸島の標本を探したところ.奄美大島と沖縄本島の物がありました.
翅の微毛の分布や後頭部長毛の曲がってからの長さ,腿節や脛節の色はNeoitamus ishiharaiによく似ております.
両種の交尾器は結構違いが見られます.
大石(1997)のイシハラマガリケムシヒキの図です.
(図6の長野産は別種であろうと本文に書かれていました)
続いて奄美大島産のNeoitamus fertilisと思われる個体の交尾器の腹面と側面です(名護市産の個体も同じ形状).
上把握器後縁の形状や陰茎鞘の長さや把握片の形状等が大きく異なります.
市毛 様
貴重な資料と鮮明できれいな写真を見て驚いています。
写真を見ながら標本を確認しました。同日、同所で♂を2匹採集していたので、2匹とも確認しました。
いずれも、上把握器が閉じたような状態でしたが、市毛様の送られた写真とよく似ています。前回と別個体の交尾器の写真を送ります。マガリケムシヒキの交尾器の詳しい資料がなく、ポイントとなる形態の位置がわからないので、腹面1の写真に示したように、A.上把握器後縁、B.陰茎鞘󠄀、C.把握片と推測しました。特に、把握片の位置は自信がありません。間違っていたらご教示をお願いします。
この標本は、市毛様に倣って「Neoitamus fertilisと思われる個体」としたいと思っています。
それから、前の返信の採集月が文字化けと間違いがありました。確認した月はいずれも3,4月です。5月の記録はありません。
標本観察と写真撮影に時間がかかり返信が遅れました。いつも丁寧なご教示に感謝しています。
HY 様.
交尾器各部の名称はご推測で合っています.
採集時期については,Haupt&Azuma(1998)でも2月〜4月となっております.
市毛 様
マガリケムシヒキの一種としていたものが、「Neoitamus fertilisと思われる」と解明できて嬉しく思います。
採集時期についてもご教示いただきありがとうございます。
貴重な時間を費やしていただき感謝しています。