画像の種は、ヤドリバエ亜科(Exoristinae)カイコノウジバエ族(Goniini)オオズハリバエ属(Gonia)の、Gonia chinensis Wiedemann1824オオズクロスジハリバエかその近縁種です。この属の種は、ホバリングが上手で、雄が雌に求愛する際に雌の上空数センチの空間でホバリングする行動が見られます。
小須田貴延 様
ご返信ありがとうございます。
オオズクロスジハリバエかその近縁種とのこと、たしかに「大頭」ですね。ホバリングの名手も納得です。こうした求愛形式は他の昆虫ではあまり見ませんので、大変勉強になりました。
♀を上から写したシーンがありましたので、写真を添付します。
雌の画像からこの種はオオズクロスジハリバエで間違いなさそうです。なお、この種が属するカイコノウジバエ族の種は形態は多様な一方で、生態面で共通しているのは、雌は植物の葉の外側に非常に小さな卵を産み付け、これを寄主昆虫(蝶や蛾の幼虫、ハバチの幼虫、コガネムシの成虫)が摂食すると体内で孵化し、寄生生活を開始します。ちなみにこの種はヨトウムシ類(ヨトウガの幼虫)に寄生します。
小須田貴延 様
詳細なコメントをありがとうございました。
摂食による体内寄生とは、恐るべき戦略を身につけているのですね。産卵のシーンも撮ってみたいものです。
ヨトウガ類で思い出しました。話は逸れるかもしれませんが、以前ヨトウガ亜科のヨモギキリガを飼育していたところ、ヤドリバエの幼虫?が出てきたことがありました(写真2003.6.3安曇野)。この蛾はクララの葉を隙間なく綴って中に籠るため、どうやって寄生されたのか不思議に思ったことでした。