いつもお世話になります。 フトハチモドキバエのオスかと思うのですが絵合わせの写真がなく、腹が細いので「フト」を疑ってしまいます。 何者でしょうか? 体長:15mm 2008年7月 奈良県平群町 建物の壁
平群庵様.
フトハチモドキバエ Eupyrgota fuscaに比べ,翅の暗色部が少ないようです.
別の角度の写真はありませんか?
別の角度写真です
平群庵様.
今回の質問に答えるのに,色々と文献を調べてみました.
やはり極東の昆虫の検索でしか日本産のデガシラバエ科を調べることは出来ないようです.
デガシラバエ科を書いた,Korneyev&NarchukはHering等のタイプ標本も調べているので,かなり精度は高いと思います.
残念ながら,E. fuscaやE. flavopilosaのタイプは調べていないのですが,旧北区やエチオピア区等のデガシラバエ科は彼が一番詳しいようです.
さて,写真のほうは, やはり,翅の先端1/4ほどが暗色で,腿節の大半が黄褐色なので,Eupyrgota luteola (Coquillett, 1898) オオハチモドキバエと思われます.
フトハチモドキバエEupyrgota fusca Hendel, 1914は,腿節全体が黒褐色で,翅も広く暗色とされています.
なお,体毛が赤褐色な場合はEupyrgota flavopilosa (Hendel, 1914)となりますが,この種は原記載以来記録が無いようです.
では,また.
市毛様 文献を調査していただき恐縮です。 ネット上ではオオハチモドキバエは希少ということになっていて情報が不足しています。私のように趣味で生き物の写真を撮っている者には名前が調べやすいありふれた虫でよいと思っているのですが、時折変なやつに遭遇してしまいます。 ありがとうございました。
平群庵様.
確かに,レッドデータなどに出てきますね.
各県でレッドデータに双翅目をリストアップしていますが,まともに同定出来る資料が無い種類が多いので困ります.
トキの放鳥のニュースがさかんに流れていますが,双翅目のような地味な研究にも国費を投入してほしいものです.
ロシアなどもソ連崩壊後は研究費が少なくなり,100人に1台しかコピー機が無いとの話も聞いていますが,それでも極東の昆虫の検索には100科以上の双翅目がまとめられています. 内容的にレベルが低い科もあるようですが,とりあえず検索出来るだけでも羨ましいです. 検索結果:63件
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