Kano and Kurahashi (1999)にはHeteronychia属の4種の検索表があります.
Discovery of the Female of Heteronychia nipponensis Shinonaga & Matsudaira (Diptera, Sarcophagidae)
国立科学博物館研究報告A類:(動物学) 25(1), 73-77,
R1脈に刺毛の列があり,腹部第3背板に中縁剛毛があるので,
当時のH. obscurataになります.
サタニクバエは日本昆虫目録では
Heteronychia depressifrons (Zetterstedt, 1845)
となっています.
分布に本州は載っていませんが,実際には過去にこの掲示板でも投稿されていますね.
ゲニタリアの図は,Kano, Kaneko and Shinonaga (1965)を見ました.
Notes on flies of medical importance in Japan, Part XXIV.
: Six unrecorded species of sarcophagid flies
衞生動物 16(1), 1-5,
thecaがもっと前に起きたほうがかっこよかったのですが,
phallusの途中で曲がって根元のほうはあまり動きませんでした.
以前の投稿で冷凍庫に入れる方法がきれいだと書きましたが,
生きた状態で冷凍庫に入れると,後でゲニタリアを開く時に固めになると思います.
今回は死んでから冷凍しましたが,その場合は影響はないようです.
今度はある程度水分を発散させてから毒物を使って殺虫した場合に,
変色する液がどの程度出るか試してみたいと思っています.
大宮さま
お世話になっております.さんごです.
今度はサタニクバエですか.日本産ニクバエ全種制覇に向かってまっしぐらですね.
貴重な生態情報いつもありがとうございます.柵,いいですね.ニクバエはなぜか柵が好きなようですね.なので,ポイントがつかめない場所では必ずチェックするようにしています.
それにしても岐阜はとても面白そうですね.一度行ってみたいと思っています.
目録中に記されている分布についてですが,執筆された先生にお伺いしたところ,原稿はかなり前に執筆されたものとのことでしたので,分布を含め現在の知見とはタイムラグがあるようです.
本種を,私は個人的には地元の山口県と,奄美大島,久米島で採集しています.山口県では低山の山頂で,奄美大島と久米島では海浜の植生上で採集しました.
南西諸島と本土では採集された環境の雰囲気が全く異なるので,実はよく似た別種かもしれませんが,そもそも生態もほとんどわかっていないようですね.
本種を含め,ニクバエには生態がわかっていないものが多いようなので,少しでも情報が増えるとうれしいです.
今後ともどうぞよろしくお願いします.
双翅目談話会同定会でお会いできることを楽しみにしております.
さんご様
お世話になっております.
僕は離島へは行った事がなく,海辺の決め手になるポイントもないので,なかなか全種制覇には程遠いです.
しかし森のフィールドはいい所を見つけられたと思っています.
思いつきで自宅から一番近い山に出掛けたのが4年ほど前で,今では天気が良ければ毎週のように行っています.
一度に採る量は少なくて,遠出でなければニクバエ類は多くて5頭ほどですが,頻繁に通っているのがいいのかもしれません.
目録の情報や,採集された環境について教えて下さりありがとうございます.
山頂と海浜植生ではだいぶ違いますね.
報文を書く時には環境についてうまく表現できるようになりたいと思います.
今度の同定会は採集会も参加できるよう調整中で,とりあえずバスと宿をおさえました.
仙台駅近辺は無理で,多賀城のほうでとりました.
ニクバエの標本ではカスミニクバエの仲間が複数種採れたので持って行く予定です.
お会いできた時にはまたよろしくお願いいたします.