2個体目です。
採集日2015年6月20日
採集ラベルは全て「石川県志賀町」です。
3個体目です。
4個体目です。
KWさま
こんにちは.
さんごといいます.そろそろ名前を変えたいと思っています.
さて,お尋ねのハエですが,写真からでは断言しにくいのですが,お尋ねの写真のうち,2, 3, 4はハネボシスナニクバエの♀ではないかと思います.
頭部の横からの写真と,顔の写真(顔というのは,触角より下の部分です)があるともう少しわかりやすいのですが,頭部を横から見た場合,先端となる触角の周囲が,ゼニゴと比べてハネボシスナニクバエでは丸っこいです.parafacialの毛の生え方にも特徴があります.ゴヘイやゼニゴギンガクではないと思います.
野外での区別は,なれないとちょっと難しいかもしれませんが,一度みるとなんとなくわかるようになります.
ゴヘイは,普通のニクバエのように全体くすんだ灰色ですが,腹部はよくある市松模様ではなく,小さい三角形の紋が縦に3列にならび,腹部背板の後ろの縁から生える剛毛が目立ちます.写真の個体のように明らかに白っぽい部分はゴヘイではみられません.
ゼニゴギンガクは,♂は額(両目の間で触覚より上の部分)が銀メッキのように白く強く輝き,腹部に「山」という文字のような紋があり,よく似たギンガクヤドリニクバエMetopia argyrocephalaよりも全身白っぽいです.それと,ギンガクヤドリニクバエのなかまは,ors(額の上のほうに生えている毛)が2+3 (前向きが2本,後ろ向きが3本)ですが,写真の個体は3+1です.
石川県でしたら,もともとはゴヘイもゼニゴギンガクもいるはずですが,近年の記録はどうでしょうか.いたとしても相当めずらしいものと思われます.
ゴヘイは腐肉や糞によく反応し,いちはやく飛来しますが,モトミセラやイソニクバエなど大型のニクバエが来ると席を譲って,離れた草の上などで待機しますので,腐肉の周囲40-50cmほど離れた草の上なども注意してみてみてください.私の地元山口県では3月から11月まで見られます.
1個体目はちょっと雰囲気が異なるのでパスさせてください.ゴヘイやゼニゴギンガクではなさそうです.
少しでも参考になりましたら幸いです.
さんごさま
ご回答いただきまして、ありがとうございます。
ハネボシスナニクバエの画像を、この掲示板で検索してみましたが、確かにそっくりですね。
石川県のゴヘイ、ゼニゴの記録は、はなあぶに掲載された2000年代の記録以降はおそらくないかと思います(こちらもタイトルのみでの確認で、まだ入手できておりません)。
石川県でも砂浜の改変が進んではおりますが、他県に比べるとまだ良い環境が残っておりますので、今後も探しに行ってみます。
このハエを採集した日には、腐肉トラップには大型のニクバエ、キンバエが来ていましたので、ひょっとするとその周りにいたのかもしれませんね。
次回トラップを設置する際には周囲の様子にも気を使ってみます。
この度は、大変ご丁寧な解説をいただき、まことにありがとうございました。
次回、それらしいハエが採集できましたら、また相談にのっていただければ幸いです。