採集場所は愛知県あま市,標高3m,採集日は2015年1月23日,体長は6mmです.
針は微針を刺しました. はなあぶ誌37号の検索表で調べるとHebecnemaになります. 116ページのcouplet 16で,「♂の頭部上方はしばしば平圧される」とありますが,なかなか微妙なカーブだと思います. 日本のイエバエ科のクロヒカゲイエバエの説明では,”側額と亜側顔が横顔では見えない”という内容の事が書かれています. 中国蝿類の1071ページの図版231の2425では横顔が出ていて,カーブは多少違うものの雰囲気は似ていると思います. 37号の解説によると少ない種だそうで,採集地でも今までに数えるほどしか見たことがありません. 今回の採集地は標高が低いので山地性というよりは森林性という事になると思います. 冬だからかもしれませんが,ヒカゲではなく日の当たる葉の上にいました
日本のイエバエ科の検索表でも,はなあぶ誌28号の種類が増えた検索表でも,胸背と腹背に明瞭な縦線はないという選択肢になります.
一方で詳しい記述では,胸部に4本のはっきりしない暗い縦条と,腹部第3と第4背板に暗い中央の縦線があります. 手元の標本は暗い線も見当たらず,胸部と腹部で多少の質感の違いはあるものの,およそ黒一色に見えます. もっと違いが目立つのは鱗弁の色で, 教科書通りなら褐色で,黄色い平均棍とは異なる色彩で,Plete 18-12を見ても上下とも暗色なのですが, 手元の標本は明るい色をしています. しかし色彩についてはいろいろあるようで,例えば脚の色を見ると, 日本のイエバエ科では腿節が黒色,脛節が暗褐色であるのに対して, 中国蝿類のH. fumosa では中脚と後脚の脛節は黄色で,ある時には暗褐色で,検索表でも基本的には黄色という事になっています. 異なるカラーバリエーションがあってもいいかもしれないと思います. 今回はゲニタリアは未処理なので,追加個体が採れたら見てみようと思っています. ついでになりますが中国のMydaeinaeの文献を見つけました.英文です. http://jinsectscience.oxfordjournals.org/content/14/1/22 |
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