もう一枚、上が攻撃してるアブ、下の虫も種名はわかりません。
Ponchanさん.
お尋ねの虫はフンバエ科のヒメフンバエScathophaga stercorariaです.フンバエ科はアブの仲間ではなくて,ハエの仲間です(厳密にアブの仲間にもオドリバエのようにハエの語尾のものもあるし,また厳密にハエの仲間でもハナアブのようにアブの語尾があるのもあるので,あまりこの区別を気にすることはありません).フンバエ科はイエバエ(イエバエ科),キンバエ(クロバエ科)などと共に広い意味で最も蠅らしい仲間ですが,この種のように体がやや細長いのでアブとまちがえてしまうでしょう.
フンバエ科の成虫のほとんどは捕食性で他の小さなハエ類などをとらえて食べます.この場面もおそらくハナアブ(ヒラタアブ)の1種を捕えて食べているところです.フンバエ科の幼虫の食性はさまざまですが,上記のヒメフンバエは名前の通り家畜などの糞を食べます.成虫はしばしば糞の上にいますが,産卵や交尾のために来ていることもあるし,そこで他のハエを捕食することもあるでしょう.
ヒメフンバエは秋から早春など比較的涼しい季節に多いものです.
アノニモミイア さん、早々とご返事有難うございました。
最初は虫(アブ)を捕食していたので、ムシヒキアブの仲間かと思い、WEBで探して見たのですが、体形が合わず悩んでました。
ヒメフンバエと言うのですか、生態から言うとあまり衛生的な昆虫では無さそうですね。初めて知りました。
これをご縁に今後とも宜しくお願い致します。
ムシヒキアブは真にアブの仲間で,口吻が長く,かつ前方を向いています.また触角は多くの種では長く,頭部の長さの1/2位はあります.画像で見てもわかるようにヒメフンバエの口器は短くて下を向いているし,触角は短く,とくに3番目の節(第1鞭小節)はほぼ円形で,その先に毛状の触角刺毛が生じています.これらの点でムシヒキアブ類とは顕著に異なります.なお,下の画像で翅の先の方に達している3本の翅脈の内の中央の1本がムシヒキアブでは分岐しています.
アノニモミイア さん 詳細な分類学的な面からのご指導有難うございます。大変参考になりました。難しいですが同定には写真撮影もシヤスピンで多角的に撮る必要があること痛感しました。有難うございました。