ガガンボ類は調べたことがないのですが、比較的大きな交尾器をもっているのがフィールドで目に留まりました。
クローズアップレンズで撮影してみようと思い採集しました。
上からと下からは死んだすぐ後に撮り、横からは乾燥してから撮ったものです。
乾燥したら少し変形しました。
もしかしたら種までわかるところまで写っているでしょうか。
頼りきりの投稿ですみませんが、よろしくお願いします。
私の専門外ですが、ガガンボに詳しい達磨さんが「日本昆虫目録」の双翅目の巻の編集で多忙でしょうから、代って見当違いかもしれませんがレスしておきます。
このガガンボ類はCladura属またはそれにきわめて近縁のものと思います。この属には日本におびただしい数の種が生息していて、主に晩秋に成虫が発生します。今頃が最盛期ではないでしょうか。湿潤な谷間などにいくとたくさん飛翔しているのが観察できます。
日本昆虫学会69回大会(2009年)の中村剛之の講演によると、Cladura属は北米と東亜に既知種が33種、うち日本産は26種、しかし日本には未記載種を含めて60種以上が生息している、とのことです。典型的な東亜・北米隔離分布型の双翅類の1群です。
アノニモ先生のご指摘の通りCladura属の一種です。北海道〜本州にCladura megacauda Alexander, 1926というのがいますが、これのごく近縁の未記載種、私の手帳の中ではsp.48という番号を付けています(←発表した番号ではないので、私以外には意味のない番号ですが、、)。megacaudaでは第9節腹板に毛の束がありますが、これには認められません。また、gonocoxiteの内側にのびる2本の突起の形も両種で異なっています。早く名前をつけなくちゃ。
アノニモミイア様
さっそくのご回答ありがとうございます。
今が発生時期なのですね。採集した日は曇ってくると空気も冷たく感じられ、少し時期が遅いかなとも思っていましたが、
Nematoceraはかなり寒い時でも飛んでいるものがあるようで、調べれば楽しめると思いました。
これを見つけた時は一個体だけ目に留まったのですが、その場所は川の高さと林道の高さが離れている所だったので、下に下りてみてみるのもいいと思いました。
大会の講演の内容も紹介して下さり、未解明の部分がまだ多いことも分かりました。
中村様
ご多忙の中ありがとうございます。
未記載種という事はメジャーな部類ではないという事で、うれしくなりました。
しかし壊してしまったので、もっと上達して資料として残せるようになりたいと思いました。
採集場所は年に1,2度しか行かないところですが、またさがしてみたいと思います。
近縁種との細かな違いについても教えて下さりありがとうございました。
ガガンボ類の形態用語はすぐにはピンときませんでしたが、とりあえずgoogleで画像検索したところ、図がいろいろ出てきました。勉強になります。
ありがとうございました。
大宮様:双翅目の形態用語についてですが、北隆館の新訂原色昆虫大図鑑第3巻の双翅目の概説におおよそのことが図示解説してあります。図書館などでご覧になってください。なお、本書は旧版と新訂版ではかなり違っていまして、上記概説は新訂版です。
できるだけ完全な状態で標本を残そうとするのは大切なことですが、こと、ガガンボに関して、そこに執着すると標本の収集がままなりません。脚はなくてもいいや、ぐらいの気持ちで収集することをお勧めします。私も甲虫専門からいきなりガガンボを集め始めた頃、珍しそうなガガンボの脚が取れるたびに悲鳴を上げていましたが、今ではだいぶ達観して、気にならなくなりました。どういう訳か完品に固執しなくなってからの方が、脚が取れることが少なくなったような気すらします。
アノニモミイア様
おっしゃる通りです、手元によい解説がありました。ありがとうございます。
gonocoxiteは生殖基節ですね。今まで模式図のハエ型類のほうを主に見ていましたが、解説文も含めてもっと活用したいと思います。
達磨様
肩の力を抜くことができました。ありがとうございます。もっと楽観的にやろうと思います。
重ねてのコメントをいただき、感謝します。