2013年9月7日に新潟県佐渡島、両津港付近の浜辺で採集したハエです。この画像は♂だと思います。大きさはだいたい4.5-5.0mmくらいです。
日本のイエバエ科の亜科の検索表でミズギワイエバエ族までいき、属の検索表でカトリバエ属となりました。そこから更にウミベカトリバエにたどり着くことができました。 採集した個体の後脚にはmetatarsusにpadらしきものがあるにはあるのですが、257ページのText-fig.43 とは少し違う気がするのですがこれはどうなのでしょうか? よろしくお願いします。
これは・・・!!
後脚付節のpadの形状が、どちらかというとウミベカトリバエよりはハマナコカトリバエ(日本のイエバエ科Text-fig.47)に近いように見えるので、現在検討課題になっているカトリバエのような気がします。 検討課題になっているLispeは2種類あって、一つはハマナコカトリバエとゲニタリアはそっくりだが翅に斑紋がないもの、もう一つはゲニタリアが日本産の既知種とは全く異なるものです。 ゲニタリアがハマナコそっくりな方は、数年前に新潟市の海岸で1♂だけ採集したものの、粗忽者ゆえに不注意でゲニタリアを破損して、追加個体も採集できていないので保留のままになっています。採集場所は大雨が降ると水たまりができる湿った砂地という環境です。トウヨウカトリバエとケヅメカトリバエは採っているのですが、肝心のものが見つからないのです。 ゲニタリアが異なる方は、ソーティングの依頼を受けた標本の中に入っていたもので、採集地は宮城県の某河口の砂浜だそうです。こちらはwebアルバムに標本写真があります。パスはsato、Lispe1〜7がその標本です。 http://gallery.nikon-image.com/170402026/albums/795400/ これも記載のためには状態のよい標本がなるべくたくさん必要なのですが、今のところ採集できていません。 SGR様の採集された標本が検討課題のものと同一の種とは限りませんが、少なくとも日本のイエバエ科では当てはまる種がなさそうなので貴重な標本と思います。できれば標本を倉橋博士に見ていただくことをお勧めします。連絡先をご存じない場合は私が仲介いたしますのでメールをお送り下さい。
SGR 様
猫又 様 みなさまおはようございます. 貴重な情報を提示くださいまして,ありがとうございます. 同様のものを今年の初夏に採集したのですが,同定が手におえなくてお蔵入りしそうになっていました.場所は山口県萩市と島根県益田市です.河口の砂地でミギワバエ類を追いかけていました.腹部の紋とゲニがハマナコとよく似ていながら,翅に紋がないものです. 新潟でも採れていたのですね.秋にも採れるのですね. 皆様の標本を倉橋先生に見ていただくのでしたら,私のものもご一緒させていただいてもよろしいですか?
猫又様
さんご様 御回答ありがとうございます。 そうなのですか!少し驚きです。 このハエは(私が採集した場所では)曇り(やや雨)の日、また晴れの日でも砂浜にいましたが数は少なく、動きがはやいためあまり多くは採れませんでした。今手元にあるのはこの画像の♂が1個体と(全く同じ場所で採集した)♀が3個体です。♂は1個体しか採れていなかったのと、現地で標本を作成するという悪環境であったため破損を恐れてゲニタリアはだせていません。掲示板の御回答次第でKOH処理をしようと考えていましたが、とりあえずはそのまま保管しておきたいと思います。 私は倉橋博士の連絡先を存じませんで、猫又様に仲介役をお願いしたいと思っております。ですから私があまり勝手なことは言えないのですが、私も是非さんご様の標本と共に見て頂きたいと思います。
SGR 様
イエバエ科はニクバエ科とちがって交尾器が脆弱で,無理に引っ張ると壊れてしまうことが多いので,1個体しかとれなかったときは怖くて手がだせないことが多いですよね.お気持ちわかります. 猫又様に労をとっていただくまでもなく,別件で先生に標本を見ていただこうと思っていたところですので,よろしければ私のところにお送り下さい.ただ,先生はいつもとてもお忙しいようですので,普段は時期を選んでお送りしています.次の便がいつになるかわかりませんが,お伺いをたててみます. 私の連絡先,住所等は「はなあぶ」誌の30号や33号で倉橋先生と共著させていただいた報告の最後に記してあります. 猫又 様 このたびは突然横から大変失礼致しました. ちょうどハマナコカトリバエ疑いの標本で悩んでいたところでしたので,大変ありがたいです. 近似の未解決種が,しかも2種類もいるなんて全くしりませんでした.あわてて報告などしなくてよかったです(^^;) 今後もいろいろ教えてくださいませ.よろしくお願いします. 標本ですが,私のほうで取りまとめて先生にお送りさせていただこうと思いますが,猫又さんはいかがなさいますか? よろしければ私のほうへお送りください.
さんご 様
ご無沙汰しております。 お申し出はありがたいのですが・・・ SGR様とメールで連絡を取りました結果、SGR様は直接倉橋先生にコンタクトを取った方がよいと判断しました。 私の方の標本は、片方はどこかに埋もれ、もう片方は私の所有物ではありません(汗)。埋もれている方はいずれ掘り出しますが、いつになるかわかりません。 というわけで、申し訳ありませんが、とりまとめはしない方針でお願いいたします。 しかし、しっかり採集されているところはさすがですね。 ハマナコ似は、はたして別種なのか、変異なのか、解明されることを期待しています。
猫又 様
ご連絡いただきましてありがとうございます. とりまとめの件,了解です.私のほうは別件で少し時間がかかりそうなので,SGRさんが直接されることになってよかったと思います. いつも有用な情報を提示してくださいましてありがとうございます.今後もよろしくお願いします. |
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