格好をつけている間にわりとすぐに複眼上部がへこんでしまい残念です。
採集した事がない分類群なのでこういう展脚は初めてしました。前脚は触っていて自然に上がったのでその姿勢にしました。
北龍館の「新訂 原色昆虫大図鑑 第III巻」で調べると、アミカ科Blephariceridaeになりました。
翅には翅脈のほかに多数の二次的な皺や折れ線が入っています。元の写真の明るさやコントラストを変えると見えました。
属の検索は翅脈についてで、この標本にはR2+3脈がないので、数え方を間違えて途中で迷いました。
ナミアミカ属Blephariceraになりました。
382ページのナミアミカ属の説明にある距式の0:0:1などの意味が分かりませんでした。前脚:中脚:後脚の距の数でしょうか。
種まで進んで疑問に思ったのは、2本のうち1本が短い場合は1にするのでしょうか。オスのほうで示すのでしょうか。
教えていただけたら嬉しく思います。
♀の種の検索表で最初に出てくる後脛節の2本の距は、最初ルーペで見て、ないと思っていました。
選択できないので、様子を撮影して尋ねようと思って調整していると、倍率が違うのと角度が変わったのか、見つかりました。
ふ節1節分を入れてみましたが、思っていたよりも小さなものですが、これでよろしいのでしょうか。
はじめは該当せず進めないと思っていて他の所まで疑問に思ったのですが、
検索表2番の、腹部は暗褐色で背板は一様に褐色粉で覆われるという所があります。
縦方向にも横方向にも薄い帯があるようにも見えて違和感がありました。
時間がたつと目立たなくなり、粉で被われていることには変わりはなく、平均棍や小翅片近辺が黄色といった形質も合わせて、
Blepharicera esakii オオメナミアミカが一番合うように思いました。
合っていますでしょうか。よろしくお願いします。
大宮様:
写真のアミカはあなたが正確に同定されたように、オオメアミカBlepharicera esakii Alexanderの♀です。写真にも主要な検索形質が表れていて、間違いないと思います。新訂原色昆虫図鑑の検索表が機能してよかったです。
ご質問の距式の件は、0:0:0などは推測された通り、前・中・後脛節の距の数です。
属の距式について、0:0:2もあることを、私が原稿で欠落してしまったために、心配されたことと思います。ですから、本属では0:0:0、0:0:1、0:0:2の三つのケースがあることになります。たとえ短くても距があれば数にいれます。本種♀では短い距が長いものの約1/2の長さです。
双翅目の糸角類は乾燥に大変弱い種が多いので、採集地から生かして持ち帰る場合にはかなりの湿気を与える必要があります。しかし、容器の内面がガラスなど平滑な場合には、中に湿気を加えると、温度の変化で壁面に露結が起こり、これに翅などが付いてしまい、具合が悪いです。そうならないような工夫が必要でしょう。
長い脚の虫ですが、なかなかよい形に成形されたですね。私もかなりの数の個体を持っていますが、あなたの個体のように整然と脚が成形されたのは一つもありません。というより最初から成形していないからですが。
三枝様
ご回答ありがとうございます。
ご確認いただきうれしい限りです。検索表をきちんと活用できてよかったです。
距式についてもご丁寧な説明ありがとうございます。書き込んでおこうと思います。
糸角類は湿気が重要とのことで、次に機会があった時のために考えておきたいと思います。
整形についてはお褒めいただき恐縮です。
収納スペースや破損の防止のために脚を伸ばさずに折る方法があるらしいことが分かったので採用しました。
それぞれの分類群できれいな標本を作れるよう少しづつ勉強していきたいと思います。
ありがとうございました。
新訂原色昆虫大図鑑のBlepharicera属の♀の検索表で、
1.脛節に2本の距を持つ、 とあるのは、
1.後脛節に2本の距を持つ、 のことで、脛節を後脛節に変更して検索表を使ってください。
言い訳にもなりませんが、短い期間に忙しく原稿作成をしたものですから、各所に問題があり、読者の皆さんにはご迷惑をおかけしています。