別個体です.
別個体ですが,捕まえました.
当初1種類だけかと思っておりましたが,同じ場所で少し翅が長くて(5ミリ前後),翅の色も透明な,しかもR4脈?に小枝?がある種がいました.別種ではと思われますが,いかがでしょうか.
翅が長い別個体♀です.
田中川さん。
両方ともTrichoclinoceraです。日本産の本属の再検討の論文はSinclairさんと共著でほぼ完成しています。標本データを入れてから投稿するよていです。
しかし、最初の種は先日1♂2♀をお送りいただいたものと同じだろうとおもいます。お送りいただいた♂の前腿節の棘の生え方が、翅脈などで類似しているT fuscipennisとやや異なります。別種の可能性があるように思えます。
2番目の種のようなR4脈をしたのはこの論文で記載する3種に共通しています。これら3種はサイズと♂前脛節腹面の棘や刺毛の状態で識別するので、写真では判断がつきかねます。
最初の種は今少し採集できないでしょうか。
これらの採集は下流からそっと岩に近づいて、岩の水際に静止しているのを確認してから、徐々に吸虫管を近づけて約1cmまで接近した段階で強く吸い込みながらその個体めがけて吸い口を押し付けると取れることが多いです。まだ近くない段階でうっかり吸うと、空気の動きを察知するらしく、逃げられます。♂は♀より敏感で、採集しにくいです。大きな岩の水際よりやや上にいるときはネットで水際ギリギリに掬うと取れることもあります。場所が近くの場合は、夜間10時ころになると「寝静まって」いるので、ライトをつけながら同様に吸虫管で吸えば、昼間より簡単に吸えます。暗くなってから1時間くらいではまだ「目が醒めているよう」で逃げられることが多いです。
三枝先生,どうもありがとうございます.
ケミャクシブキバエ属が2種同じ所に生息していたことがはっきりしました.
最初の種の個体数は多く,標本も多数つくっておりますので,さっそく手配します.
田中川さん:
最初の種の標本有難うございました。お送りいただいた♂の前腿節の形状と剛毛の状態はどの個体も同じでして、R4脈の出方も含めて、まったく私が知らない未記載種でした。この仲間は国内外で広範に採集してきたつもりでしたが、まさかまだ私たちにとって未知の種が日本にいようとは思ってもみませんでした。驚きました。
現在進行中の日本のTrichoclinoceraのrevisionに含めるかどうか、Sinclairさんと相談してみます。
2番目の種は北海道から九州まで広く分布している種でして、上記論文中で新種として記載することになっています。後脛節基部背面に一対の短い剛毛があり、翅にstigmaをまったく欠くことが、この種の特徴です。
三枝先生の未知の種だったのですか.
この地の河川敷では最も個体数の多い双翅目がこのシブキバエです.何万という数で生息していると思います.
三重県の自然もなかなかのもんですね.
明日は天気が良さそうなので,現地へ出かけてみます.