毎度お世話になります。
一か月ほど前、名古屋生まれのアゲハの蛹が変色したので、しめしめ、もうすぐ羽化するぞと喜んでおりましたところ、次第に雲行きが怪しくなって、ついには大きな黒豆みたいのが1つコロリンと転がっており、頭にきたんです。何か出てきたら懲らしめてやろうと思って3週間ほど待っていましたところ、昨日ご覧のように体長1.2cmの立派な奴が・・・なかなかどうしてかわいげですねぇ。どうか、どなたかこいつの分類をご教示頂けませんでしょうか? よろしくお願いいたします。
やまちゃん様
残念ながら,ヤドリバエに詳しい人は掲示板には出てきてくれません.
Shima(2006)A Host-Parasite Catalog of Tachinidae (Diptera) of Japanよると,ナミアゲハからはBlepharipa属やExorista属のヤドリバエが羽化した記録があるようです.
写真を見ると,上記2属ではなくCarceliaやSenometopia等のほうが近そうな気がしますが,胸背に縦筋が見えないので別の属のようです.まだまだ見たことのない属が沢山あるので属まで調べることも困難です.
なお,ヤドリバエは他のハエ以上に剛毛を徹底的に見ないと区別が出来ません. MOSCH WEB Interactive Key of Diptera Tachinidae というHPがありますので,どの様な特徴を見ているのか一度ご覧になってください.
市毛様:
毎度お世話になります。ご教示どうもありがとうございました。
あらら、そうだったんですか。此処には寄生バエ・エキスパートの方は来られないと・・・そして属すら困難とは・・・残念に思っております。さらに、お教え頂いたMOSCH云々のサイト、もうタダならぬ雰囲気の素人御免の近寄りが難いマニアックさですねぇ。寄生バエってこんなにも敷居が高かったんですね・・・私はもう萎えてしまいましたが、もし今度アグレッシブな気分になれたら、MOSCH云々にアタックしてみますね! そして、もしも分かったら、自らこのサイトに報告しようと思います! もしも分かったら、なんですけどね・・・。
どうもありがとうございました。
やまちゃんさん。今回のハエの名前についての投稿で懲りる必要はまったくありません。
ヤドリバエ科というのは市毛さんが投稿されている通り日本に数百種以上の種が生息していて、それらの同定には体や脚などに生じている剛毛の分布や長さなど細かな特徴を調べたり、♂の交尾器の構造を調べなければなりません。この作業をして同定ができる研究者は日本に現在2名しかいません。双翅類を専門としている研究者でもこの科以外の専門家にはヤドリバエ科というのは実は手も足も出ない、と言うのが実態です。ですから、この科はとくに簡単ではないな、という程度に思われたら良いかと思います。
しかし、ヤドリバエ科でもいくつかの種は生態写真でもほぼ種の同定がついたり、種まで行かなくてもおおよその群がわかるものもあります。ですから、今後も諦めないで、わからない双翅類のことがあったら、この掲示板で質問されたらよろしいと思います。
昆虫類の名称は、トンボ類、直翅類(バッタ、コオロギなど)、カメムシ類、セミ類、チョウ類、蛾類、大部分の甲虫類については既刊の図鑑類でおおよその同定は可能です。しかし、その他の昆虫、特に双翅類や膜翅類(ハチ類)では大型の一部の種を除いて、同定には標本を顕微鏡下で詳しく調べる必要があるものが大部分です。
しかし、種まで同定ができなくても、科あるいは属などがわかると、いろいろな情報が得られることもあります。この掲示板でもこのレベルでは大概は回答を期待できると思います。是非今後ともハエ、アブ、カなどでわからないことがありましたらこの掲示板を利用されたらいかがですか。
アノニモミイア様:
これはしばらく訪問していない間にお返事を頂戴していまして、どうもありがとうございました。日本に専門家はお二人ですか・・・スゴいですね。お名前を知りたいものですが、なかなか出せないんでしょうね!
実は今もう3個、別のヤドリバエの蛹を持ってます! アカタテハから出ました。早く羽化しないかな、とずっと待ってますが、もう蛹が出てから早2か月が経つでしょうか・・・死んでしまったかもです。羽化して来ましたら、早速ここにご報告させて頂きたく存じますので、その節にはどうぞよろしくお願いいたします!
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