こちらは2月に出て来ました。
上のハエとは別個体です。
翅です。
まあさん:このノミバエの大型の突起は小腮鬚(小顎ひげ、maxillary plapus)だろうと思います。このような大型の小腮鬚を持つノミバエとしてはアメリカのTrophodeinusの♂で、以前はBactropalpusと言われていたノミバエに似ています。
顔が複雑で、部分名称や機能なども相当複雑そうですね。。小腮鬚というのですか。最初に観察したハエは捕獲中に失敗して足が取れて動けなくなってしまったので、取っておいたのですが、後日に再度小腮鬚を写真で撮ると、生きていたときは膨らんでいましたが、空気の抜けた風船のようになってました。この牙状のも髭とついてますが、小腮鬚にさらに細かい髭が生えておりました。
私が素人の見当でTrophodeinusではないかと書き込みましたが、まったく自信がないので、ノミバエ科の分類学を専門とされている中山裕人博士にお尋ねしたところ、本種はTriphlebaの1種であるという返答をいただきましたん。同博士の承諾を得て、ご返答の主要部分を下に引用しておきます。同定について中山博士にお礼申し上げます。
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ネット上の写真の種はTriphleba属の種です。本属の種は冬場を中心に発生します。本属のオスのmaxillary palpusはしばしば大型で特徴的な形をしていますが、種の区分にも役立つのではないかと思っています。Triphlebaは日本では後藤先生が記載した一種のみ知られていますが、実際には多種を含む大きな属で、相当の未記載種、未記録種があります。ただ、Megaseliaの様に収まりがつかない程莫大ということはない様です。TriphlebaではPhorinae亜科の特徴であるtibia上の独立剛毛が弱い(weak、細くて短い)のですが、写真を拡大して見るとちゃんと存在しています。2枚目の写真にもTriphlebaに典型的な左右非対称なオス交尾器が写っています(ノミバエはすべて左右非対称ですが)。それから本属の種の特徴として体型が細身であることが挙げられます。冬場にでる種類ではMegaseliaやSpiniphoraでも細身になり、一見Triphlebaに似ているの は不思議なものです。
わー・・遅くなりました、追加コメントありがとうございます!
専門の方に聞いていただいて、Triphleba属の特徴がたくさん書かれてあり大変参考になりました。
中山様にもお世話になりました。ありがとうございました。