ヒヨドリバナの蕾に産卵するミバエを撮影しました。
北隆館の大図鑑3の図との絵合わせで、翅の斑紋が似ているツマホシケブカミバエ(Trupanea convergens)は同じキク科ですがヤクシソウの蕾に寄生するとのことで、写真の種とは別種のようです。また、図鑑の解説文には近似種としてツママダラケブカミバエ(学名なし、昆虫学データベースではT. amoena)とT. guttistella(和名なし)が挙げられています。 T. guttistellaは下のURLに写真が出ていますが、少し違うように思います。 http://www.toonippo.co.jp/photo_studio/insects/abu_hae/abu_hae_ka/pic122.html 写真とヒヨドリバナの蕾に産卵することから同定できるようでしたら、よろしくお願いします。2012年7月22日、兵庫県篠山市で撮影しました。 なお、北隆館の図鑑ではツマホシケブカミバエ=オキナワケブカミバエ=T. convergensとなっていますが、昆虫学データベースではツマホシケブカミバエ(T. gratiosa)、オキナワケブカミバエ(T. okinawaensis)このあたりの状況について、もし分かるようでしたら、ご教示ください。
ハンマー様.
写真のミバエは,ツマホシケブカミバエTrupanea convergensで合っていると思います. Trupanea属の学名については,下記のように変わっています. ・昆虫学データベース 1989 ツママダラケブカミバエ Trupanea amoena Frauenfeld ツマホシケブカミバエ T. gratiosa Ito T. collina Ito オキナワケブカミバエ T. okinawaensis Shiraki ・Korneyev V. A. 1995, New records and synonymy in Xyphosiini and Tephritini (Diptera Tephritidae Tephritinae) from the Far East of Russia Trupanea guttistella Hering, 1951 = Trupanea collina Ito ・末吉昌宏, 2000, 皇居のミバエ科昆虫 ツマホシケブカミバエTrupanea gratiosa ・Korneyev V. A. 2004, Fam. Tephritidae - Fruit Flies. In: Leley A. S., ed. Keys to Insects of Far East Russia. Vol. VI. Diptera and Fleas. Part 3. T. gratiosa Ito (? convergens Hering) T. conversens Hering (? kothoshoensis Shiraki, sinensis Zia, cosmina Hendel, okinawaensis Shiraki) T. guttistella Hering (collina Ito) ・末吉昌宏, 2005, 赤坂御用地と常盤松御用邸のミバエ科昆虫 ツマホシケブカミバエ Trupanea convergens Hering ・新訂原色昆虫大圖鑑 2008 ツマホシケブカミバエ(オキナワケブカミバエ) T. convergens Hering ツママダラケブカミバエ T. amoena Frauenfeld T. guttistella (Hering) と,変わっています.(Korneyev 2004でT. guttistellaの命名者が括弧で囲まれていませんが,原記載はTrypanea属なので括弧が付きます.) なお,Korneyev氏の色々な論文が下記のURLよりダウンロードできます. https://sites.google.com/site/nosferatumyiano/Home/references/korneyev_pdfs
市毛様
大変詳しい解説をありがとうございます。 その後、別の目的で採集していたヒヨドリバナの蕾から、写真のミバエが羽化してきましたので、このミバエがヒヨドリバナの蕾にも寄生することは確かなようです。 このツマホシケブカミバエがヤクシソウとヒヨドリバナの蕾に寄生するということは、実際にはキク科の他の種にも寄生する可能性が高そうです。
動画をアップしました。
風と手振れで酔いそうな代物ですが、よろしければご覧ください。 http://www.youtube.com/watch?v=kHEi-V1KZU8 |
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