別角度からです.いかがでしょうか.翅長は約4ミリです.
「オドリバエ科 図解検索システム」を試されては?
ezo-aphidさん,助け舟を出してくださってありがとうございます.
「オドリバエ科 図解検索システム」のことをすっかり失念しておりました.あらためてこのシステムを見て,オドリバエの翅脈相の多様さに驚いています.Hybos属あたりかと思いますが・・・・悩ましいところです.
「36 Hybos属」図の右矢印がRs脈のようですが、この長さ(=分岐位置)が判別点になっています。それが充分に長いのでSyneches属にあたるかと思います。MNDなど、いくつか翅脈図を見ましたが、これは少し風変りですねー。ここから先はアノニモミイアさんでないと無理でしょう。
ezo-aphidさん,ありがとうございます.ご指摘されるように,Syneches属の翅脈ですね.
田中川さん,お久しぶりです.
写真のオドリバエは皆さんの推定の通りSynechesで,種はSyneches muscarius (Fabricius, 1794) です.
本種はヨーロッパ唯一のSynechesで,ヨーロッパから広く日本まで分布しています.日本産のものはほとんどヨーロッパのものと♂交尾器にも相違が認められませんので,同一種と同定して構わないと思っています.
本種は日本で北海道から九州まで広く分布していますが,どこでもまとまった数がどれるものではありません.とくにこのような環境,ということはありませんが,北海道などでは谷地を含む森林などに多いようです.日本産ではこのような翅の斑紋を表す種はほかにありません.
アノニモミイアさん、ご教示有難うございます。
参考画像が無いかと探したところ、「Key to genera and species of Hybotidae」で、翅(Fig.278)と雄の側面図(Fig.279)を見つけました。
アノニモミイアさん,いつもありがとうございます.
種名が判明して感激です.
話はそれますが,三重県の古い文献を調べておりましたら,およそ50年前に先生に同定していただいたという記録を見つけました.三重県の双翅目相の解明に今後ともご支援くださいませ.
ezo-aphidさん,よく見つけてくださいました.どんぴしゃの図ですね.ありがとうございます.
田中川さん,その古い文献とやら教えてください.最近のことも昔のこともすっかり忘れる年頃です.
坂部元宏 (1965) 九鬼の昆虫.ひらくら,9(6):99-107.
三重昆虫談話会の会誌で,マダラアシナガバエの同定です.おそらく著者が20代前半のアマチュア昆虫青年(現在もアマチュアでご活躍中です)だった頃のことでしょう.著者からお聞きした話ですが,「春のハエは大変おもしろい」と先生から採集をすすめられたことがありますとのことでした.
また,1975年頃には石灰洞穴で見つかったクロバネキノコバエ科の一種でもご厄介いただいております.
思い出していただけましたでしょうか.
田中川さん.文献について教えていただきありがとうございました.探してみますが,もし入手できなかったらコピーをお願いします.著者とは旧知ですが,もう何十年もご無沙汰をしています.現在もご活躍とのこと,御同慶です.Sciaridaeのこともゾウムシの研究者のM博士を通じて依頼されました.
なお,Syneches muscariusは,「馬場博士採集の新潟県のオドリバエ科」で,Syneches maculatus (Matsumura)(?Syneches muscarius Fabricius)と暫定的な同定で写真つきで記録されています.
ヨーロッパ産の本種を示しておきます.
アノニモミイアさん,三重県の文献なら,なんなりと.
Sciaridaeの件で依頼した三重県のゾウムシ研究者は故人となりましたが,先生に教示されたことはきちんと記録に残されています.
新潟の記録についても,教えていただきありがとうございます.また,ヨーロッパ産の標本写真もお示しいただき,重ねてお礼申し上げます.
こんにちは。
横から失礼します。
近所で撮ったSyneches muscariusと思われる生態写真を持っていますので、ご参考までにアップします。
標本の印象とはかなり違う感じがすると思います。
バグリッチさん,本種の生きた画像を見せていただきありがとうございました.
Syneches属の多くの種は生時には複眼が鮮やかな紅色になっている種が多いようです.さらに胸部背面のpollinosityが密で,その結果見る方向で真っ黒にみえたり灰褐色に見えたりします.後腿節の中央が淡色化する個体や,後脛節の基部の暗色部が短くなって環状になることもあります.本種は少し山手に行くとどこでも見れるのですが,個体数がまとまって採れません
Synえches属は東洋熱帯に種が多く,日本には15種ほど生息していますが,S. grandis, rufitibia, shirozuiなどの大型で後腿節が肥大する群.大型で後腿節が細くしばしば黄色の群の分類が難しくて,そのあたりが種数をはっきりできない理由です.
台湾にいるS. praestans Bezziという種がやや斑紋でS. muscariusに類似しています.写真を出しておきます.
ようやくにして,「新潟県のオドリバエ科」を入手し,確認できました.ありがとうございました.
3月末に三重県伊賀市の湿地帯でケズネイミャクオドリバエとおぼしき個体を見つけました.以前にアノミモミイアさんが教示された「水面を水上飛行機のように滑走型飛翔を行って」いるのも確認できました.
ケズネイミャクオドリバエ♀とおぼしき個体も見つかりました.雌雄の脈相が異なることも確認できました.
それにしても,最近は生態写真が撮れなくなりました.パグリッチさんの生態写真がうらやましい.
♂♀ともにRhamphomyia (Megacyttarus) brunneostriata Frey
に間違いありません。本亜属の最普通種です。これから5月にかけて,本亜属の種は御地ではR. geisha, R. sororia, R. pilosifaciesなどの種が発生するのではないかと思います。
三枝豊平さま
実名で太鼓判を押していただき恐縮です.他のイミャクオドリバエ亜属の種にも巡り合いたいものだと願っております.