産卵管です。
下縁がほぼ直線上で、上縁は「く」の字型に曲がっています。
この形状は、以前いただいたNakamura & Saigusa (2009)のどの種とも一致しないので、未知のP. takeuchiiのメスか、または全く未知の種ではないかと考えていますが、いかがでしょうか。
兵庫周辺で、メスはぽつぽつ捕れますが、残念ながらオスは採集したことがありません。
よろしくお願いします。
達磨大師からのレスポンスがあると思いますが、確か♀の産卵管は特異ですね。採集された場所で、なるべく日陰の場所に底が泥質で水深が10cmほどの停留水またはそのような緩やかな流れがありましたら、そこが発生地と考えられます。
このような場所で水面が空など明るい空間を反射する位置にそっと移動してそこに座って、水面を見ると、直径2mmくらい水面が漏斗状に凹んでいるのが見えたら、そこは多くの場合にPtychopteraの幼虫の呼吸管の先端が水面に出ているところです。その直下1,2cmのところを一気につまんで引き上げると、幼虫が採集できます。素早くしないとすぐに呼吸管を引き込めてしまいます。
この幼虫を深めの容器に生息地の泥と水を入れて、中に落ち葉など腐葉の破片を入れて飼育すると、蛹化します。蛹は一本の固い針金状の長い呼吸管を水面に出しています(呼吸管は片方の胸部気門からでていて、反対側にはありません)。これからしばらくすると成虫が羽化してきます。
羽化後1,2日置くと翅の斑紋や体の色彩が整ってくるので、標本にできます。
このようにして♂を飼育してみてください。
三枝先生
ご返信ありがとうございます。
採集地点は標高1000m近い林道沿いで、近くに小さい渓流があるのでそのあたりで発生しているのではないかと思います。
またオスの採集にも挑戦してみます。
ありがとうございました。
コシボソガガンボの雌はよく葉の上に止まっているので目につきますが、雄は盛んに飛び回って比較的見つけづらいのです。
写真の翅をみると、Rs脈が長く、yasumatui, takeuchii, pallidicostalisの含まれる種群だとわかります。採集地やその近辺由来のコシボソガガンボは見たこともないので、全く未知のものの可能性も大いにあります。やはり、雄が欲しいですね。
ややっ!?。ようく見たらRs短いか?短いようにも見えますね。翅のアップ見れますか?
達磨様
コメントありがとうございます。
確かめてみましたが、Rs脈は短いです。
兵庫県のコシボソガガンボは2種類採集していて、
もう1種の方の産卵管です。
こちらはP. yamatoと同定していたのですが、改めて見直すとjaponicaのようにも見えなくもありません。
やっぱりメスだけでは難しいのでしょうか。
Rsが短くてこういう模様の翅を持った個体は見ていないなぁ。期待できますね。
yamatoとjaponicaを雌で区別することはできないと思います。
達磨様
ありがとうございました。
何とかオスを狙ってみます。
達磨様
雌での識別が困難であることは、コシボソガガンボに限ったことではありませんが、何か方法は無いものでしょうかね。ユスリカでも頭を抱えることが多々あります。様々な携帯情報を雌雄で比較することである程度の確信を持てる種もあります。頭の先からしっぽの先まで、しっかりと観察することに勤めています(これはユスリカの研究をスタートさせた時、徳永雅明先生からいただいた教えです)。絶対に差はあると考えて、チャレンジしています。判らないのは悔しいですものね。
現状ではyamatoの翅の斑紋が発達する個体ではjaponicaとの区別が可能です。まだ未確認のものがいる可能性が高い段階だと既知種に無理に同定することはその後の混乱を招くかもしれません。
しかし、ご指摘いただいた点は今後、肝に銘じて取り組みたいと思います。コメント、ありがとうございました。