翅のアップです。
KT様.
翅の翅脈を見ると,M1+2脈がゆるやかに前方に狭まっているので,私としてはイエバエ科の1種ではないかと思います.
ヤドリバエ科の場合は,M1+2脈が急角度で前方に折れ曲がってR4+5に接するか極わずかに開くような翅脈が多いです.
小楯板の下側にある後小楯板が膨れることが一番簡単に見分けられる特徴です.
市毛様、ありがとうございます。どこで検索を間違えたのか、もう一度、いや何度も検索してみます。
大事に保管し、そのうちイエバエのモノグラフを購入し、種まで落とせるようにできたらいいなと思っております。
KT様
最初キンバエ類があまりにもわからないことからハエの世界に足を踏み入れたケンセイです^^
アップされた画像の翅脈と鱗弁、腿節と脛節の色などより、以下の種ではないかと思うのですがいかがでしょうか?
イエバエ科
モモグロオオイエバエMuscina angustifrons
モモグロオオイエバエはMuscina属の中では比較的ポピュラーな種ではないかと思います。平地から丘陵地、山地まで確認しています。
ケンセイ@おかげでキンバエ類はぱっと見で何となくわかるようになりました^^
ケンセイ様、ありがとうございます。
モモグロオオイエバエをHP上で検索して、幾つかの画像を見ることができました。素人ですので「似ているなあ」と感じました。その内モノグラフを買って検索してみるまで、モモグロオオイエバエ?とラベルを付けておこうと思います。
今後ともご指導をお願いいたします。
KT様
このハエ、小楯板の先端が少々脱色されたように半透明の淡色になっておりませんか?もしそうなっていれば、それがオオイエバエ属Muscinaに含まれる種の多くに共通して見られる重要な形質(軽微で確認しがたい種もあるのですが)です。M1+2脈がゆるやかに前方に湾曲している点で、小楯板に同様の形質が現れることのあるトゲアシイエバエ属Phaoniaではありえませんし、Muscinaだとすると脛節が黒色でない種はオオイエバエかモモグロオオイエバエのどちらかです。
モモグロオオイエバエをオオイエバエから区別する形質は2点。腿節に褐色の部位がなく完全に黒色であること。これは標本の状態などで主観が入ることがありますので、駄目押しでもう一点。翅の肩の部分の肩板がオオイエバエでは比較的明るい淡褐色ですが、モモグロオオイエバエでは漆黒です。ここをチェックすれば、慣れればフィールドでも区別可能です。
なお、オオイエバエの発生源はジェネラリストで、鶏舎の鶏糞の堆積や厨芥といった人間社会由来のごみ類、動物死体の分解末期、動物の糞、といったもので、1〜2齢幼虫は普通のハエの幼虫と同様に微生物食ですが、終齢である3齢幼虫になるとそれに加えて他のハエの幼虫を捕食するようにもなります。
それに対してモモグロオオイエバエはイグチ科やテングタケ科といった大形の軟質きのこ類に発生源がほぼ限られておりまして、こうしたきのこ類の腐敗過程に他のノミバエ科、ショウジョウバエ科といったハエの幼虫と共に関与すると同時に、やはり3齢幼虫になると捕食を併用するようになることが知られています。そのため、モモグロオオイエバエが羽化してきたきのこからは他のハエの羽化が激減してくるようです。これは単なる競争の結果ではなく、食われて減っているから、とのこと。これはやはり金沢大学の赤石大輔さんの研究によるものです。
ウミユスリカ様、ありがとうございます。
明日午後から仕事は休みですので、ご指摘の部分をじっくりと見てみたいと思います。また見てからご報告させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
改めてウミユスリカ様のおっしゃる点を見てみました。
結果、1.腿節に褐色の部位がなく完全に黒色である.2.肩板は漆黒…以上の点からモモグロオオイエバエとしたいと思います。
ありがとうございました。