以前、我が家で撮影したミズアブ科Pachygasterinae亜科のKolomania albopilosaに付いてお訊ねしたところ、ケンセイ様より東京都本土部昆虫目録に載っていないので「はなあぶ」などに短報を書いていただけないか、と云う御話がありました。この時は写真だけで虫体を確保しておりませんでしたのでお断りしたのですが、先日(2011/07/10)、我が家(東京都世田谷区西部)のカラスザンショウの葉上に似た様なミズアブが居たので、恐らくK. albopilosaであろうと思い、マクロレンズで覗いて確認する前に網を振ってしまいました。
それが、写真のミズアブです。しかし、管瓶に生きたまま入れ、メガネを掛けて観察したところ、腹部の白毛帯がありません。後で、写真を撮ってみると、触角の色も全く異なり、鞭節の先から黄白色の刺毛が伸びています。 Manural of Nearctic DipteraでStratiomyidaeを検索すると、何と、日本に記録のないBerkshiriaに行き着いてしまいました。Diptera info、BugGuide.net等で調べると、胸背の瘤、触角の形態や色、脚の色など、実際よく似ています。 しかし、このManualには、Kolomaniaは載って居らず、Kolomaniaを検索するとCosmariomyiaに辿り着きます。検索表が古いのか、分類に異説があるのか分かりませんが、他に文献を知らないので、これ以上の判断は私には無理の様です。 一体、このミズアブは何属なのでしょうか。宜敷御教示下さい。
アーチャーン様、投稿ありがとうございます。
確かにKolomania albopilosaではなさそうですね。 では何かという問いですが・・・私も良くわかりません。 体型などはWallacea属に似ているように見えますが・・・ 実物を見ないと何とも言えないですね。 Berkshiria属は新北区の属かもしれませんが、私は知らないので良くわかりません。旧北区のマニュアルで同定するとはっきりするような気がします。返事がいつになるかわかりませんが、ミズアブ科について詳しい双翅目談話会の事務局のO氏に問い合わせておきました。回答があればお知らせします。 ということで。 ケンセイ@ミズアブ科はまだまだ不明種がいろいろいるようです
アーチャーン様.
残念ながら,Manural of Nearctic Dipteraはタイトル通り新北区の双翅目だけを解説しているので,旧北区や東洋区の双翅目の属の検索は出来ません. 写真だけでの判別は困難なのですが,Wallacea albiesta Meijere, 1907と思われます. Wallacea属は,日本周辺からAustralasia区にかけて分布する属で,新北区やエチオピア区,新熱帯区には分布していません. 属名からすると,ウォレス線で有名なA. R. Wallaceに献命されていると思われます.
ケンセイ様.
御回答有難う御座いました。 O氏への問い合わせ、宜敷御願い致します。 東京都本土部昆虫目録を見るとPachygasterinae亜科はネグロミズアブ1種のみなので、種が分かれば1種増えますね。 市毛様. 御回答有難う御座いました。 旧北区のマニュアルが欲しいところなのですが、現在入手可能なのでしょうか? また、Wallcea albiesta は、九大やこちらの目録ではそうなっていますが、W. albiseta で検索した方が沢山ヒットします。意味としても albiseta ならば「白刺毛」で分かり易いのですが・・・。何方が正しいのでしょう。
アーチャーン様.
確かに,W. albisetaの打ち間違いでした. なお,Contributions to a Manual of Palaearctic Dipteraは絶版のようですね. 親戚に考古学者がおり,文献は金を借りてでも買っておけと言われた覚えがありますが,大学生を抱えていると苦しいところがあります. それでも,I Tachinidi della Fauna Italiana や Manual of Central American Dipteraを買っておきたいです(^_^;)
市毛様.
やはりalbisetaでしたか。九大目録も結構綴りの間違いがありますね。 Contributions・・・は、AbebooksにVol.3だけありましたが、3.6万円もしています。仮に全巻有っても果たして幾らになるのやら、現在の経済状況では一寸買えそうにありません。
アーチャーン様.
円高が進んでいるので,思い切ってI Tachinidi della Fauna Italiana を注文したのですが,売り切れという返信が届きました。゜゜(>ヘ<)゜ ゜。ビエェーン イタリア語に躊躇していたのですが,「602 species from 236 genera are illustrated (773 high quality digital photos using a binocular microscope, 503 electron micrographs and 247 line drawings)」という解説にそそられていたので,いつかは買いたいと思っていたのです. イタリア語で書かれたヤドリバエ科の本なんて誰も買わないだろうと思っていたのですが,考えが甘かったようです(^_^;) それにしても,どんな写真か興味があります.
今、http://www.bookfinder.com/ で検索してみたところ、Pemberley Natural History Booksと云う本屋に1冊あると出ます。Biblio.com(Biblio.co.uk)とabebooksの両方に出品している様です。
昔、大学にいた頃、ある特殊な分野で、20世紀初頭のイタリア語の大論文(200ページ位)があり、大学に残れば読むつもりだったのですが、飛び出してしまったので、未だに読んでいません。
アーチャーン様.
アメリカの本屋からドル払いで安く買うつもりでしたが,アドバイス通りイギリスのPemberley Natural History Booksから購入しました. 送料込みで140ポンド,約18000円でした. 電子顕微鏡での剛毛の写真を見ると,卓上電子顕微鏡が買いたくなりますね.日立製,日本電子製共に約520万円と対抗しているようですが,低真空に強いのは日立のようですね. それにしても,いまだに120万画素というのは驚きです.一昔前の3000万円クラスのデジタル式走査電子顕微鏡と変わらない低画質です(^_^;) やはり,卓上型ではなく低真空対応の中級機以上を買わないとがっかりしそうです. P.S. 残念ながら,今年のサマージャンボも外れました(^_^;) |
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